イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

山の静寂と自然を守れ - 感染下あふれる車と旅行者に、登山者・自然環境保護者の訴え、World Voice 連載

 昨年5月4日に、イタリアで約2か月にわたった外出・移動規制のゆるやかな解除が始まって以来、週末ばかりではなく平日も、そして従来山を訪れる旅行者が多い時期ばかりではなく、それ以外の季節にも、山を訪れる人や車が急増し、いつどこに出かけても、かつてないほどの人や車を見かけるようになりました。

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Lame Rosse di Fiastra, Fiastra (MC), Marche 21/6/2020

 大勢が自然を愛し、山を歩くようになるのであれば望ましいことなのですが、実際には新型コロナウイル感染症の感染を恐れて、屋外で過ごそう、あるいは、涼しいから、山の食事がおいしいと聞くから、テレビで見て美しさを知った有名な場所だからと、車で山を訪ね、ところ構わず駐車して、少し歩いてはその場を去る、そういう旅行者が残念ながら増えています。

 先日は、登山家、ラインホルト・メスナーの、「人と車がドロミーティ渓谷に殺到し、これでは渓谷は『車の地獄』で、山の静寂と自然環境が失われてしまう」という訴えが、ニュースになっていました。ウンブリア州のカステッルッチョでも、昨夏から、例年にない人と車による混雑が環境破壊につながると、問題となっていました。

 ニューズウィーク日本版の姉妹サイト、World Voiceに先ほど投稿した記事、「山の静寂と自然を守れ - 感染下あふれる車と旅行者に、登山者・自然環境保護者の訴え」では、こうした問題を、わたしたちの具体的な体験も交えて書いています。よろしかったら、ぜひお読みください。

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 ちなみに、今回の記事に写真を添えた、昨年6月の友人たちとのトレッキングのときにも、途中から雨となり、皆はレインコートやウインドブレーカーを、リュックサックから出して、着ていたのですが、

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夫は、昨日の記事でもご紹介した、パリで雨に遭って購入した折り畳み傘を取り出し、

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皆のあとについて、坂道を下っていっていました。

関連記事へのリンク
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ririrouzu at 2021-08-25 07:59
山を愛する人にとっては
身体で自然を感じて
ほしいものだと
思います。
日本の富士山も世界遺産になってから
このような問題が起きていますよ!
Commented by sunandshadows2020 at 2021-08-25 23:14
どの国も同じような現象が起きていますね。
車が殺到すれば排気ガスで自然破壊も可能ですから規制せざるを得ないでしょうね。
こちらではヨセミテ公園がそれを実施していますが、今までのように自由に好きな時出入りできないので最近は足が遠のいています。
ドロミテ、近くまで行ったのに自転車には乗ってもハイキングしてなくて残念です。
Commented by tokotakikuh at 2021-08-26 13:30
観光目的
これのおかげで、繁栄を期している国もあれば
これに頼ったばかりに、衰退しそうな国もありますね

以前、スイスに旅した時
徹底的に示されている、保護心でしたが
あれだけの高い山に、手軽に出かけられる
メリット、デメリットを知りました
恐ろしい、数の人出に・・

コロナ禍ですから
密を避けて、自然なら・との安易な考えですね

そこに・山が・あるから
の精神には、便利すぎる、車利用は、含まないで
欲しいですね
Commented by milletti_naoko at 2021-08-28 23:20
ririrouzuさん、皆がもっと自然や互いを思いやって、思慮ある行動を取ることができれば、いつまでも世界遺産を守っていき、誰もが登山を楽しむことができるのですけれど、なんと富士山でまでこういう問題が起こっているのですね。
Commented by milletti_naoko at 2021-08-28 23:22
お転婆シニアさん、感染下で、今は皆が屋外で過ごしたがり、かつできるだけ公共の交通機関は避けようとするのだと思いますが、皆が同じ場所に殺到して、景観や自然環境を損ねてしまっては困りますよね。確かに自由に訪ねられないのは残念ですが、シャトルバスを出すなど、訪ねる人にも環境にも優しい方法を模索する方法がありそうですね。

いつかまたハイキングもできる日がきっと早く来ますように。
Commented by milletti_naoko at 2021-08-28 23:34
zakkkanさん、観光収入の多い市町村や観光を職とする人たちが、昨年から感染下で、本当に大変な苦労をしています。わたしも、観光関係の通訳の仕事はごく一部ですが、その他の産業通訳などの仕事も減り、授業もオンラインになって以前より週あたりの時数がやはり少なくなりがちなのですが、地域の企業や行政が、観光にばかり力を入れると、環境問題はもちろん、本来大切にしなければいけない他の仕事や政策が、おろそかにされてしまわないかという心配もあります。

スイスのアルプスにそんなにも大勢の旅行客がいたのですね。

人が訪ねて楽しむことができ、かつ、自然環境も守っていける、そういうあり方を模索して、どんどん実施に移していかなければいけないときが来ているように思います。
by milletti_naoko | 2021-08-24 23:30 | Notizie & Curiosita | Comments(6)