イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

岩壁が美しい渓谷けれど一人はこわい

 今日は、道の両側から迫る岩壁と、その間を流れる川が美しい渓谷を歩きました。

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Valle di Rio Sacro, Monti Sibillini 1/10/2021

 リオ・サークロ渓谷(Valle di Rio Sacro)は、直訳すると「聖なる小川の渓谷」なのですが、こんなふうに呼ばれるのは、かつてこの渓谷に、ベネディクト会の修道院があったためだとのことです。

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http://www.sibillini.net/il_parco/gps/mappaSisma.jpg

 最近よく、わたしたちの登山の出発点になっているピントゥーラ・ディ・ボロンニョーラに行く途中に、毎回、今日のトレッキングコースの出発地点の横を通るため、いつか歩きたいと夫が言っていたのです。今週末はできればまたアルべレーゼの海に行きたいと考えていたのですが、マレンマ・トスカーナは、土曜から天気が崩れるという予報が出ているので断念し、代わりに、ちょっとしたトレッキングをすることにしました。

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 今朝になって、近場であまり苦労のないコースをと思いついたので、調べる時間もなかったのですが、川辺を歩くので、花が咲き、蝶もたくさん飛んでいて、そうして、岩がみごとでした。

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 夫はそんなに歩く気分では最初はなかったようで、オルヴィエートに行こうと言っていたのですが、歩きたかったわたしが、この渓谷を歩こうと提案しました。トレッキングコースは、川沿いをずっと歩いたあと、途中で左に曲がり、川を離れて山を登り、ファルニョの山小屋へと向かうのですが、わたしたちは、その山を登る手前、上の地図にアステリスクで示している地点まで歩いてから、出発地点まで引き返すつもりでした。

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 紅葉も、もう少しずつ始まっています。

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 熟す前の、赤いブラックベリーの実もきれいです。

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 ただ、途中から夫がどんどん先に行ってしまって見えなくなり、道に草が茂り、地図を持っていたわたしは、すでに本来予定していた場所を通り過ぎて、さらに川を遡っているように感じました。また、夫が途中から別の道を行ったかもしれないと思い、渓谷は暗くなるのが早く、引き返すにも時間がかかるからと、何度か大声で夫を呼び、電話をしようと試みて、それから車へと引き返しました。途中で、イノシシを食べたオオカミが用を足した形跡もあったりしたので、一人で歩くのは不安でもありました。

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 一方夫は、最初に予定していた川沿いの道が終わるところまで歩こうと考えていて、道が川を離れる手前まで歩いて、15分間わたしを待ったのですが、姿が見えないので引き返し、わたしに電話をしたとのことです。

 出発地点に321番トレッキングコースと書かれているくらいで、他には、目印になるものも、道案内もまったく見当たらず、万歩計なしで出かけたこともあって、帰ってからどこまで歩いたかを突き止めようとして、地図や登山ガイドの本、オンライン情報を確認するのですが、分からずじまいです。夫の姿が見えなくなってから、引き返して夫から電話があるまで、ひどく不安だったのですが、二人とも無事に戻れてほっとしています。野バラの実も、もう赤く色づいていて、山も少しずつ秋の色になってきました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:10月3日は登山の日
Commented by nonkonogoro at 2021-10-02 09:26
一人で慣れない山歩きは 不安ですよね。
オオカミがイノシシを食べるのですね。
どちらも そこいらヘンを うろちょろしているのですね。

先日の抗生剤のケース
明るい色なので楽しく飲めそうですね(笑)
日本では 昔ながらの白い薬入れの袋です。
私の子供の頃から ずっと同じ。。。(#^^#)
当時は 粉薬を紙に包んでいましたけれど。
Commented by ririrouzu at 2021-10-02 14:39
わ〜大変でしたね!
山は写真で見るだけで満足です
Commented by katananke05 at 2021-10-02 15:13 x
山で、、それも知らない人っ子一人いないところでは
とても不安ですね〜
山は日が暮れるのがはやいし
道に迷ったら 低い山でも
「遭難」のふた文字が頭をよぎりますね〜 場所により携帯がはいらぬところもあり、、
まずは なにごともなく よかったよかった、、 です〜
Commented by milletti_naoko at 2021-10-05 16:02
のんさん、気づいたら30分も夫を目にしていないことに気づいて、だんだん不安になってきました。日中は出てこないだろう、人は恐れて近づかないであろうと思いつつ、他に人がいないので、出てこないとも限りません。

イタリアでも白っぽい箱が多いので、鮮やかなピンクの箱に驚きました。おかげで、どこに置いたっけと探すとき、すぐに目に入って助かりました。粉薬を紙に包んで、そうでしたね、何だか懐かしいです。
Commented by milletti_naoko at 2021-10-05 16:07
ririrouzuさん、ぼくはそんなに歩きたい気分じゃないと言っていたのに、どんどん歩いていってしまうので、不安になりました。
Commented by milletti_naoko at 2021-10-05 16:13
katananke05さん、こんなに人がいないとは思わず、夫がどんどん先に行ってしまうので不安になりました。そうなんです。イタリアでも時々、山を歩く途中に遭難したり、崖から墜落したりというニュースが報道されていますし、全国ニュースになるのは、実際に数多くある遭難や墜落の中の一部のようにも思います。

二人とも無事でほっとしました。
Commented by tokotakikuh at 2021-10-06 13:42
なるほど・素晴らしい絶壁の合間を歩くのですね
誰にも?合わないと
不安と、恐怖が起きそう
私?ダメですよ・・(笑)

でも、良かったですね・無事でね
Commented by milletti_naoko at 2021-10-06 15:42
zakkkanさん、夏には、道路脇の出発地点に駐車している車を見かけることが多かったのですが、このときは他には誰も登山道で会わなかったので、二人とも無事に戻れてほっとしました。ありがとうございます♪
Commented by sunandshadows2020 at 2021-10-08 23:03
トレッキングする場所に事欠かないそちらですね。
先へ、先へとひたすら歩くご主人、悪いけれど笑ってしまいました。
かつての我が家もそうでした。
秋の風情を感じますね、私も昨日運転していて周りが紅葉しかけているのを見て秋を受け止めました。
Commented by milletti_naoko at 2021-10-09 02:06
お転婆シニアさん、夫はわたしがついてくると思っていたようですが、姿は見えないし、呼んでも返事がないし、以前に一人で、わたしはとても行かないような先まで歩いたこともあるので、引き返しました。最後に待つより、時々きちんと足を止めて待って欲しいものです。

そちらでも紅葉が始まっているんですね。
by milletti_naoko | 2021-10-02 06:59 | Marche | Comments(10)