イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

山に登り山小屋で夕食・トランプ大会、シビッリーニ山脈

 9月23日木曜日は、リミニの友人たちとピントゥーラ(Pintura di Bolognola、1340m)で落ち合い、レストランでいっしょに昼食を食べてから、宿泊予定の山小屋へと出発しました。

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Monti Sibillini 23/9/2021 14:32

 宿泊や食事に必要なもののほか、水の補給ができないと考えていたため、皆、それぞれに水も大瓶を運んでいたため、かなり重いリュックサックを背負っての登山となりました。

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15:42

 ゆるやかな山道を登っていくと、アドリア海の青い海と海岸線が見えてきます。

 リュックも重いので、時々休憩し、眺めを楽しみながら、さらに登っていきます。

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Casale Grascette (1708m) 16:34

 こうして、出発から約2時間後に、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の2千メートル級の高峰に囲まれた、目指す山小屋に到着しました。


 いつだったか、初めて訪ねたときに、通りかかった自転車の若者が、「ここは天国(paradiso)ですね」と満面の笑顔で言っていた、とびきり美しい風景の中に建っているこの山小屋が、この日わたしたちが泊まった宿です。

 幸い、この晩、宿に泊まろうとしていたのはわたしたちだけでした。そして、ちょうどこの頃、シビッリーニ山脈国立公園の数々の山小屋で水が使えるようにと、水道工事が行われている最中で、山小屋で、たまたまその工事を終えて、ゴミを片づけている人たちに出会い、「水道が使えるようになりましたし、水はおいしいですよ。」と教えてもらって、とても助かりました。

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Vetta del Monte Amandola (1707m) 17:30

 山小屋に着いてからは、重い荷物を肩から下ろし、しばらく休みました。山小屋のテラスから風景を眺めていたら、夫がアマンドラ山(Monte Amandola)の山頂へと歩いていくのが見えたので、わたしも少し出発が遅れましたが、山頂へと向かいました。

 以前に登頂したときは、激しい風が吹き、空が黒雲に覆われていて、雨や雷の恐れもあったため、山頂の十字架のさらに先へと歩いて、向こうに広がる景色を見たいと思いながらも、ピントゥーラへと引き返しました。

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17:35

青空が広がり、遠いアブルッツォのグラン・サッソまで見えるこの日は、見晴らしがとりわけすばらしいだろうと、山頂の十字架を越えて、さらにしばらく向こうへと歩いていって、眺めのみごとさに感嘆しました。


 夫たちに呼び戻されて、山小屋に戻ったわたしは、午後7時頃に、美しい夕景を見ようと、皆とまた外に出ました。

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19:10

 夕焼けを見て、屋内に入ってからは、皆ですぐに食事のしたくをしました。

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19:15

 夫たち男性陣が、登山中に時々拾って運んでくれた木の枝のおかげで、暖炉の火で暖まることができました。

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19:28

 夕食や朝食にと、皆あれこれ準備していたのですが、昼食の量が多くて、それほど空腹ではなかった上に、昼食の残りのチーズやグリルした野菜の残りもたくさんあって、それも運んでおいたので、十分に食べることができました。

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19:31

 壁から壁へと張りわたしたひもに、登山用ヘッドライトを吊り下げて、照明として使いました。

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20:12

 なんとか全員で写真が撮れないものかと思っていたら、壁の鏡に自分の顔が写っているのに気づいたので、その鏡に映る4人を撮影してみました。今見返してみて、いろんな意味で、あやしい雰囲気が漂う写真になってしまっているようにも思うのですけれども。

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20:28

 夕食の後片づけを終えたあとは、マキアヴェッリ(Machiavelli)というトランプゲームを教えてもらって、4人で遊びました。

 ルールを覚えるまでにしばらくかかり、かなり頭を使うゲームではありましたが、おもしろくて、夢中になって遊びました。

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20:36

 途中で友人が、昇り始めた赤い月が、窓の外に見えるのに気づいて、教えてくれました。

 トランプで遊ぶ間に、暖炉の煙が山小屋中に満ちているのに夫が気づいたので、窓を開け放して空気を入れ替えなければいけなくなったりもしたのですが、そんなことも楽しんで、勝負を終えたあとに就寝しました。


 と言っても、古いベッドフレームの金網の上に、寝袋を広げて横たわると、重みで体が沈んでしまい、夜はほとんど眠れなかったように思います。でもそのおかげで、翌朝は夜明け前に飛び起きて、すばらしい朝焼けを見ることができました。

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Avventura sui Monti Sibillini con amici 23/9/2021
Trekking, tramonto, Machiavelli (gioco di carte), luna
& soggiorno al rifugio
Faticosa ma bellissima
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:10月3日は登山の日
Commented by django32002 at 2021-10-09 16:25
山からの景色も素晴らしいのですが、”マキアヴェッリ”というトランプゲームが興味深くてさっそくググってみました。
手札が多くてなかなか難しそうなゲームのようですね。
”ババ抜き”と”ポーカー”をミックスしたような感じでしょうか?
日本ではあまり聞いた覚えがないゲームですが、夢中になるほど面白いとの事なので一度トライしてみようかと思っています!
Commented by 3841arischan at 2021-10-09 21:48
なおこさん、シビッリーニ山脈の2千メ―トル級の山の山小屋の雰囲気、少し暗いのが、山小屋としての雰囲気伝わります(^^♪
ご友人と四人というのも、なかなか良いですね~
夕食は、リュックの中に入れてかついでというのも、山ならではですね!チ―ズというのがイタリアらしくて素敵です♫
野菜とチ―ズがあれば、ヘルシ―でたんぱく質もばっちり取れてさすがです(^-^)
お山からの夕焼けはすばらし過ぎて言葉になりません。
山に登る人だけの特権だと思いました(^_-)-☆
2千メ―トル級のお山は、夜は随分冷えるのでしょうね!
暖炉燃やす木まで、途中で調達してるのに驚きました!
Commented by milletti_naoko at 2021-10-10 02:09
django32002さん、実はわたしも、記事を書く前に調べてみて、なんと日本人でもこのゲームで遊んだ方がいるのだと驚きました。マキアヴェッリとはいかにもイタリアらしいし、あれこれ考えて策を練らないといけないところも、さすがという名前だなあと思っていたのです。

日本語で書かれたルールがわたしたちが遊んだものと同じかどうか、また時間があるときに調べてみますね。
Commented by milletti_naoko at 2021-10-10 02:15
アリスさん、ありがとうございます。ロウソクがあればよかったのにと夫が言っていたのですが、そこまでは考えませんでした。日が暮れるとすぐに暗くなってしまって、大自然の中で過ごした夜、楽しかったです。

昼食の定食メニューが安くて盛りだくさんだったおかげで、皆が持っていた食料と昼食の残りで、十分な夕食となって、助かりました。実は昼食を食べた店を経営するのは、自ら数百匹の羊を養育し、チーズを作っている人なので、皆、チーズがおいしいと、うれしそうでした。

この頃はちょうど急に気温が少し下がった頃だったのですが、心配していたよりは、コートも着て寝たおかげで暖かく過ごせて、助かりました♪
Commented by tokotakikuh at 2021-10-11 15:31
大型のリュックを背負われて
本格的な・登山ですね

私は、一度も経験していないので
山登りの妙味を知らないですが
この件に・イイネ・と思います

コロナ騒動には、こうした大自然を眺める時間を
持てると。ふっと、活き返りますね
Commented by milletti_naoko at 2021-10-11 16:45
zakkkanさん、長いものの、登りがゆるやかで歩きやすい道なのですが、寝食に必要なものや防寒具を背負ってとなると、歩くのが大変でした。

でも、夕日も夜明けもすばらしくて、本当にかけがえのない経験をすることができて、うれしかったです。
by milletti_naoko | 2021-10-09 15:38 | Marche | Comments(6)