イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリア・ウンブリア感染の急速な拡大と明日発表の待たれる措置

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 共に集った友人一人の感染が発覚したからと、検査を受けたトーディの姪は、簡易抗原検査では陰性だったとのことですが、PCR検査の結果、陽性と分かり、義弟一家全員が自己隔離となってしまいました。

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Orvieto (TR), Umbria 18/12/2021

 写真は、10日前に訪ねたオルヴィエート(Orvieto)の崖の上から撮影した写真ですが、今まさに、と言うより、もうずいぶん前から、イタリア全国、そしてウンブリア州が崖っぷちの状況にあるように思います。

 北欧で感染が急速に拡大した時点で、イタリアにもその波が来るだろうことは予想していましたが、現在ではイタリアでも、感染者が急増して、ウンブリアのみならず他州でも、

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https://coronavirus.gimbe.org

PCR検査のために長蛇の列に並んで、何時間も待つことになったり、感染の追跡調査が不可能になったりという状態になってしまっています。住民10万人当たりの現在の陽性者数が、今週になって感染がさらに加速したウンブリア州では、1275人となってしまったのですが、イタリア全国の平均も高く、1004人となっています。

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https://coronavirus.gimbe.org

 感染力は数倍あるものの、健康への危害は少ないと言われるオミクロン株が、イタリアにおける感染の急速な拡大をもたらしたためか、今のところはかつてに比べると、感染者数に対して、入院患者数や死者数はかなり少ないのですが、それでも、症状があって入院する患者数も、集中治療室患者数も、増加がずっと続いていて、今日は202人もの方が亡くなっています。

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https://coronavirus.regione.umbria.it/casi

 ウンブリアではなんと今日の新規感染者数は、増加がさらに加速して2717人となり、ペルージャでの現在の感染者数は住民10万人あたり1473人とのことですが、これは現在把握できている数がそうであるだけで、実際にはすでに感染しているのに、知らずにいる人も大勢いることでしょう。いくら新たな法令で、来年の1月31日までは、バスや電車での公共交通機関や映画館などで、Ffp2マスクの装着が義務となり、レストランやバールの屋内での飲食には、ワクチン接種完了、あるいは新型コロナウイルスにかかって治癒したことで得られるスーパーグリーンパスが必要となったと言っても、2回目のワクチン接種から150日後には、感染を防ぐ効果が71.5%から30.1%になってしまうのであれば、ワクチンを完了しているからと安心して、家族同士や友人同士で、レストランにせよ私宅にせよ、皆が会食を繰り返していれば、感染がさらに増えてしまうこと、引いては病床がさらに逼迫し、亡くなる人もさらに増えてしまうことが、目に見えているように、わたしは思います。

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 オルヴィエートでは感染対策を徹底して、今年は昨年は中止となったUmbria Jazz Winterを開催するとのことなのですが、大勢の人々が他州や他国から訪れて、レストランなどでの会食の機会が増えれば、また、いくら町中ではマスクの装着が義務だと言っても、多くの人が集まるようになれば、感染がさらに拡大してしまうのではないかと心配です。

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 年明けをわたしたちの山の家で迎えたいと言っていた3人の友人たちは、皆がみなワクチン反対者であったこともあって、夫が幸い申し出を断ってくれたのですが、うち一人は感染して自己隔離となり、そのうちの一人は、ワクチンを接種せずに自由に行動できるようになるために、その友人と会って感染を試みようかなどと言っているようですから、夫が断ってくれて、本当によかったです。「かかったって風邪みたいなものよ」と、かかった友人も、感染してみようかと考えている友人も思っているようで、それを聞いて夫までそう思い込んでしまいそうだったのですが、高齢で闘病中の義母が万一感染したら命に関わります。

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 1月の上旬にはワクチン接種から半年が過ぎてしまう夫は、もともとワクチンには懐疑的だったこともあって、3回目の接種をしぶっていたのですが、3回目の接種なしには感染する可能性が高くなることが分かり、また、来年2月1日からはワクチン接種完了から9か月間有効だったグリーンパスの有効期限が、接種完了後6か月となることもあり、ようやく重い腰を上げて、3回目の接種の予約を試み始めました。

 ところが、予約をしようと試み始めた数日前には、日程が若干後になっても、夫が希望するソロメーオやペルージャの我が家の近くの接種会場でも空きがあったのに、最近は感染者が急増した上に、3回目の接種をしていないと感染の防御率が低くなってしまうことが分かったからか、あっという間に空きがなくなってしまったようで、今では、夫がサイトで試みても、オルヴィエートやパニカーレなど、遠方の接種会場しか選択肢として現れなくなってしまったのだそうです。

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 今日のウンブリアの地方ニュースでは、年末年始の食事やホテルで宿泊のキャンセルが相次いで大変である様子も伝えていました。例として紹介された中に、「感染対策には万全を期していて安全であるのに」と言うレストランの経営者らしき人もいたのですが、その後に映し出されたホテルでは、経営者も働く人も皆マスクをしていたのに対し、そのレストランでは、マイクでのインタビューに答える店の主人らしき人も、後ろでテーブルに皿を並べる人も、だれもマスクをつけていませんでした。

 それに、オミクロン株は感染力が強いのですから、ワクチン接種完了から5か月以上経過し、感染からの防御力が下がっているにも関わらず、スーパーグリーンパスがあって症状がないからと、大勢で集まって食事を共にする人たちの中に、感染者が一人でもいれば、会食を通じて感染の拡大につながる可能性があります。さらに、現在の甘い規制では、私宅での集まりには、ワクチン未接種者も、参加することができるのです。

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 わたしも、義母が感染することがあってはならないと心配している上に、万一夫が感染したり、どこかで感染者と接触する機会があったりすると、1月10日から学校の授業が再開するというのに、自己隔離しなければいけなくなるため、ひやひやしています。クリスマスや年末年始はどうしても、普段にも増して、私宅や店での会食の機会が多いので、義弟夫婦だってひょっとしたら感染してしまう可能性は常にあり、わたしたち自身も、二人だけだから安心と思って外食をする店で、近くに座った客から感染する可能性がないとは言えません。これ以上感染を増やさず、PCR検査所での混乱や医療機関の逼迫を防ぐためにも、また、命を守るためにも、ここはきっぱりと、政府が厳しい方針を示してくれた方がいい、コンテ政権であれば、もうとっくにロックダウンをしていたのではないか、結果的にはその方が、人の健康はもちろん、経済も守れたのではないかという気が、わたしはしています。

 ドイツで、ワクチン未接種者のみ対象のロックダウンが効を奏したことから、イタリアでもそうしようという声も上がっているものの、近日の急速な拡大を受けて明日行われる会議では、どうやら検討されるのは、3回ワクチン接種を受けている人の自己隔離の日数を短くすることなどだけであるようで、それだけでは、この拡大は食い止められないようで心配です。

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 「民主主義というのは政体としては最も愚かなものだという言葉を聞いて、そんなはずはないとずっと思っていたけれど、最近のワクチン反対者の行動や、感染抑制のための配慮をせずに行動する人を見ていると、ぼくもそんな気がしてきました。」

 これは、今年の学校の授業の最後の日に、生徒が言っていた言葉です。長きにわたる行動規制に皆、うんざりしている。確かにそうなのですが、だからこそ、市民の自由に任せて、責任も市民に押しつけるのではなく、今は皆で我慢しようと、必要な厳しい規制をしてくれる、そういう政府であってくれるといいのですけれども。「ドラーギは銀行畑だから経済優先で、たとえ感染が拡大しても、自分たちは感染しても最良の治療を受けられて安全だから、残念ながら厳しい規制はしないと思う。」これも同じ生徒の言葉です。

 どうかその言葉が間違っていて、人命をこそ重視してくれる、真の意味で国民のことを考えてくれる政府であることを願っているのですが、まずは明日の政府からの発表を待ちたいと思います。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by yuki0901671 at 2021-12-29 09:19
いつまで続くのですかね。
頭がおかしくなりそうです。

良いお年をお迎えください
Commented by django32002 at 2021-12-29 10:57
厳しい状況に直面して社会を真摯に見つめようとする生徒さんの言葉に胸を打たれます・・・。
彼らをはじめイタリアの方々に明るい明日が一日も早く訪れますように。
日本でも頑張ります。
Commented by tokotakikuh at 2021-12-29 15:44
身近にコロナを感じましたね
大変ですが、そこは、冷静になさってください

原点に立ち戻り
手洗い、うがい、マスク、ソーシャルディスタンスですね

寒さが続き、乾燥した場所では、ウィルスが繁殖しやすいです
どうか、体調に気をつけて、体力温存をね
Commented by milletti_naoko at 2021-12-29 17:09
yuki0901671さん、ありがとうございます。
どうか日本では拡大が進む前に抑制することができますように。
よい年末年始をお迎えくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2021-12-29 17:20
django32002さん、ボランティアで救急隊員をしている生徒はまた、「医療機関が逼迫して、また集中医療室の病床がないという状況になってしまえば、十分に気をつけていても50歳近くである自分が万一心臓発作を起こした場合に、ワクチンを接種せずに自分勝手に出歩いていて感染して重症化した若者の命の方が優先されてしまうのだ」とも言っていました。再びそんな厳しく切実な状況になってしまわないことを願っています。どうかお大事にお過ごしくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2021-12-29 17:25
zakkkanさん、ありがとうございます。厳しい規制があった去年の年末年始の方が、感染は拡大し、ワクチンこそ接種が始まったばかりであって、自由は制限されていましたが、安心して過ごせたように思います。

zakkkanさんもどうかお大事にお過ごしくださいませ。
Commented by maquiho at 2021-12-29 21:38
ワクチン接種は国によって考え方が
かなり違いがありますね。

今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
よい年末年始をお迎えくださいね!
Commented by milletti_naoko at 2021-12-30 00:50
mquihoさんも、どうかよい年末年始をお迎えくださいね。
来年もよろしくお願いします。
ありがとうございます。今窓の外の夕焼け空がとびきりきれいで、つい時々目をやりながらお返事しています。
by milletti_naoko | 2021-12-29 06:49 | Covid-19 Italia | Trackback | Comments(8)