イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

海も遠い山も見晴らせる新春の山歩き、イタリア シビッリーニ山脈

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 1月2日日曜日は、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)のマルケ側にある美しい教会へとミサに出かけました。そうして、せっかく遠出するのだからと、昨年よく歩いた山や渓谷を見渡せる山道を通って行きました。

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 空が一面雲に覆われたウンブリア州からマルケ州に向かい、コルフィオリートの高原を走って、トンネルを抜けると、その後はもう青空が広がり、太陽が輝いていました。ピントゥーラ・ディ・ボロンニョーラに向かって山道を登っていくと、昨年何度も歩いたシビッリーニ山脈の渓谷や山が見えて、うれしかったです。

 道路には縦列駐車された車の列が延々と続き、繁華街ではないかと思われるほどに駐車場がごった返す、眺めのいい標高の高いあたりを、あまりの混雑ぶりに止まることなく通り過ぎました。

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 そうして、山を下り始めてしばらくして、人も車もないよさそうな山道を夫が見つけたので、その道を歩いてみることにしました。

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 歩き始めてすぐに、下方にサルナーノ(Sarnano)の町がきれいに見えました。

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 しばらく歩くと、切り立った刃のような岩が見えてきました。霞がかかっていますが、海岸線まで見渡すことができます。

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 森を抜けて、日かげからひなたに出て、さらに道を登っていきます。

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 登るにつれて、手前の山の稜線の向こうに隠れていた、雪の残る山が見えてきました。去年の夏から秋にかけて、何度も歩いたピントゥーラからアマンドラ山へのトレッキングコースがある山です。

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 そのさらに向こう、遠くに小さく見えるのは、すべて遠いアブルッツォ州の山々です。左に並ぶラクダのコブのような二つの山は、Monti Gemelli「双子山」で、右には、グラン・サッソ(Gran Sasso)の西の高峰が見えています。最近は、山の高みでも気温が15度もあるという、例年になく気温が高い日が続いているのですが、モンティ・ジェメッリとグラン・サッソの間に見える、さらに南方にあるマイエッラ山脈(Maiella)は、今も白い雪に覆われているようです。

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 モンティ・ジェメッリは、昨年の夏に訪ねて、白く切り立つ岩が美しいサリネッロ渓谷を歩いたばかりなので、見えるたびに、どこか懐かしい気持ちになります。夫も何度も、こんなふうに立ち止まっては、遠方に見える山々の方を見やっていました。

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 高所恐怖症のわたしは、岩にすがりながら、そろりそろりと歩かなければいけないところも、何箇所かあったのですが、前方の山へと登れば見えるであろう眺めを楽しみに、歩いていきました。

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 この写真は、ひとつ前の写真とよく似ているのですが、写真の左下にある影はわたし自身のもので、日光が差す角度の関係で、わたしが歩くにつれて、この影のわたしも、まるで影絵のように前へと進んで行くのが、おもしろかったです。

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 前方に見えていた小さな山のてっぺんに登ると、登っていたとき、左後ろにあった岩山もよく見えます。

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 高みからは、アッペンニーニ山脈からアドリア海岸まで、緑の野や丘が広がる様子を、見晴らすことができました。

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 わずか1時間ほどの山歩きですが、新年の初めに、思いがけずすばらしい眺めを楽しむことができ、そして、これまでに訪ねて歩いたことのあるアブルッツォやシビッリーニの山がきれいに見えて、うれしかったです。

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 わたしにはとても度胸がなかったのですが、このあと夫は、登っていたときに前方に見えていた細く切り立つ岩のすぐ近くまで行って、眺めを楽しんでいました。

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 実はこの道はトレッキングコースではなく、狩猟のための道であるようで、そのため道案内はいっさいありませんでした。駐車する車も、狩猟が行われるので危険だという案内も見かけなかったので、年の初めでもあるし、狩猟はあるまいと歩いたのですが、おかげで、人がごった返す山の、人が他にはおらず、しかも歩きやすくて眺望のすばらしい道を歩くことができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ: 【お年玉プレゼントキャンペーン】年末年始・新春の一枚 2022!
Commented by tokotakikuh at 2022-01-04 14:11
おめでとうございます
今年も宜しくお付き合いくださいね

新年早々の、山歩きですね
素敵な目標を掲げられたのですは( ´艸`)

今年も、自然美と、イタリア芸術をたっぷり
魅せてくださいね
Commented by milletti_naoko at 2022-01-05 02:57
zakkkanさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

まさか正月の2日目から山を歩いて、こんなに美しい風景を見られるとは思わなかったので、うれしかったです。

ありがとうございます。わたしもzakkkanさんの優しく美しい京都だより、楽しみにしています♪
Commented by sunandshadows2020 at 2022-01-07 15:03
おめでとう御座います。
本年もよろしくお願い申し上げます。

うっすら雪が見えるので寒いだろうと思えば15度もの気温、トレッキングには程よい気温でしょうか?
猟師さん達がいなくて良かったです!
いつ流れ弾が飛んで来るか気が気ではありませんね。
今年もイタリアの美しい風景の中のトレッキング、お料理、伝統など楽しみにしています。
Commented by milletti_naoko at 2022-01-07 23:56
お転婆シニアさん、明けましておめでとうございます。こちらこそ、新年もよろしくお願い申し上げます。

少し前まで厳寒で、かなりの雪が降って積もっていた山なのに、この頃は異常に気温が高い日が続いて、スキー場に雪がなくて困るという経営者の写真がニュースで放映されるほどでした。

トレッキングにはよい気温なのですが、おかげで人であふれ返っていたので驚きました。
by milletti_naoko | 2022-01-03 23:51 | Marche | Comments(4)