イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

美しい被災の町のクリスマスのイルミネーション

 レンガ造りの中世の町並みが美しいアマンドラ(Amandola)の町を、1月2日日曜日は久しぶりに訪ねました。
 
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 イタリアでは、クリスマスを祝う期間が1月6日の主顕節まで続くため、町の中心広場は大きなツリーが立って、イルミネーションがきらめき、日曜日に訪ねたため、広場が人々でにぎわい、駐車場は車でいっぱいでした。

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 この日、1月2日は、シビッリーニ山脈の山を少し歩いて眺めを楽しんでから、アンブロ川のほとりに建ち、聖母マリアを祀る、歴史があって美しい教会へと向かいました。

 その途中、サルナーノからアマンドラへは、標高620mほどのそれほど高くない丘を越えて行くのですが、道がシビッリーニ山脈の東側のふもと近くを、南東へと山並みに沿って走り、前方には、それほど高い山がありません。そのため、その丘を越えるときには、わずかの間ですが、アブルッツォ州のグラン・サッソ(Gran Sasso)にある、イタリア半島を南北に縦断するアッペンニーニ山脈の最高峰、コルノ・グランデ(Corno Grande、2912m)の勇壮な姿が見えるので、毎回、そのたびに夫と歓声を上げています。

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 午後4時から始まるミサに参列しようと、教会へ向かう途中にも、アマンドラの町を通ったのですが、そのときは、すでに日が傾き始めたとは言え、空はまだ明るかったです。

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 この日、シビッリーニ山脈の山あいでは、アンブロ川の聖母教会(Santuario della Madonna dell'Ambro)のミサが終わって、わたしが上の写真を撮影した午後4時40分過ぎが、ちょうど日の入りの時刻でした。

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 そのため、ミサのあと列に並び、聖母子像を拝んでから教会の外に出ると、もう空はたそがれ、雲が夕日の光に色づいていました。

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 そして、せっかくだから帰り道、アマンドラに寄って散歩しようと、町の高み近くの駐車場に車を置きました。冒頭の写真に写る、町の中心広場の駐車場に、普段であれば駐車するのですが、この日は空いている場所がなかったのです。

 歩き始めたとき、町の上にはきれいな紺碧の空が広がっていました。前方の建物には、Hotel Paradisoの名と矢印が記された案内表示があります。わたしたちが初めてシビッラ山の山頂まで登ったあと、遅い時刻に宿を探して町を車で通っていたら幸い空室があって、しかも眺めがとびきりすばらしい部屋だった、その思い出のホテルもまた、2016年のイタリア中部地震で大きな被害を受け、今もまだ再建を待っています。

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 そうして、再建を待つのは、ホテルばかりではありません。

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 時々見かける花や明かりに、ほっとしながら、中心広場へと歩きました。

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 さて、この上の写真で、前方を行く夫が歩くすぐ右手の家の壁に、イルミネーションで彩られた窓があり、その下方に丸太や板が重ねて置かれているのですが、その重ねられた丸太の上に、そっと足をのせて、明かりに囲まれた窓の中をのぞき込むと、

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なんと美しいプレゼーペ(presepe)が飾られていました。聖家族を東方の三博士が取り囲み、その手前には旅のお連れや町の人々がいて、池には白鳥さえいます。

 こんなふうに、いつ前を通るかもしれない人が見られるようにとプレゼーペを飾っているその心もまた、すてきだなあと思いました。

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 アマンドラの町の家と家の間から、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の、町から見て南西にそびえる山がきれいに見えるところがあります。前方に見える雪を頂く高峰のうち、左端の高い山が、シビッリーニ山脈の最高峰、ヴェットーレ山(Monte Vettore、2476m)で、この反対側の斜面の高みに、カステッルッチョの高原があります。

 午後5時半近くなっても、南西の空はまだ明るく、茜色をしていました。

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 中心広場へと、なおも坂道を下っていくと、町の壁にまた、人々の願いが込められているであろうプレゼーペがありました。

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 夏とは打って変わって、ひっそりとした町の通りを歩いて下っていったので、ようやく前方に、中心広場の明るいイルミネーションが見えたときには、ほっとしました。

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 中心広場から駐車場へは、夫の提案で、別の道を通って戻りました。行き交う人が少なくて寂しいのですが、明かりに照らされた夜の町に風情があります。

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 イルミネーションや花を見て、ああここには今も人が住んでいるのだと安心したりしながら、こうして駐車場の車へと戻り、それからペルージャへの帰途につきました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by tokotakikuh at 2022-01-08 11:33
クリスマスを凡そ2か月余り、お祝いするのですね
ゆわば、日本のお正月を兼ねてますか?

イタリアも、かなりの数、増えだしてますね
寒さと、人々の動きに乗っかる
ウィルスですね
あらためて、個人の自意識が問われます
Commented by 3841arischan at 2022-01-08 19:40
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

なおこさん、下から7枚目の御主人さまが歩いてらっしゃる
お写真の風景、とても素敵ですね(*^_^*)
クリスマスの飾りが派手でないのがさりげなくあり、明るい窓の飾りの中には、プレゼ―ペがあるなんて最高です☆
こういう何気ない、イタリアの街かどが好きです(^.^)
まだ、再建途中の街は痛々しいけど、いつかは復興して、また活気が戻ることを願ってます。
Commented by milletti_naoko at 2022-01-08 20:05
zakkkanさん、そうですね。イタリアではクリスマスを祝う期間中に新年を迎えることになります。

個人の良識に任せているだけでは感染が食い止められず、年末年始は人の移動や出会いも多くて感染者が増加する一方なので、政府が何とかもっと厳しい手を打つよう願っています。


Commented by katananke05 at 2022-01-09 10:22 x
イタリアではコロナの猛威が激しくなっており この先は、、とあんじられますが
それでなおさら 人々は 美しいプレペーゼをかzり はやくの終息を
願っているのでしょうね〜
こんなみたこともないほどに美しいプレペーゼ
個人のおうちにあるとは
驚きです〜
静かな素敵な夜を過ごされましたね〜  都会に住んでるものとしては とても見られない光景です〜
Commented by milletti_naoko at 2022-01-09 20:06
アリスさん、明けましておめでとうございます。
新年もよろしくお願い申し上げます。

町の人たちの素朴な信仰の心が現れたクリスマスの飾りが美しいなあと、わたしもそう思いました。共感してくださったと知って、うれしいです。通る人がのぞくと楽しめるようにしてあるプレゼーペ、その飾った人の心も、そしてプレゼーペそのものもすてきですよね。

ありがとうございます。わたしも一刻も早く再建が行われることを願っています。
Commented by milletti_naoko at 2022-01-09 20:20
katananke05さん、この小さなプレゼーぺ、こんなにすてきで創意工夫にも満ちているのに、本当にひっそりと外に向けて飾ってあって、いいなあと思いました。

感染のために、ただでさえ遅れていた再建がさらに遅れてしまったのですが、一刻も早く皆が安心して暮らせる日々が戻ってきますように。
Commented by sunandshadows2020 at 2022-01-09 22:44
それぞれのプレゼーぺ、想いを込めながら設置し、道行く人々が見て更に想いを重ねてゆくのですね。
そしてなおこさんがここに投稿され、拝読する私も想いを込め、、、、、
クリスチャンでなくともクリスマスには神聖な気持ちになります。
Commented by milletti_naoko at 2022-01-10 00:58
お転婆シニアさん、ありがとうございます。一人(ではないかもしれないのですが)の思いや心を込めて設置したであろうプレゼーペへの感嘆が、こうして広まっていく一助となれること、コメントを拝読しつつ、ありがたくうれしいことだと思いました。
by milletti_naoko | 2022-01-07 23:28 | Marche | Trackback | Comments(8)