オルヴィエート郊外のいつもの日本料理店、Nihoriで、先週土曜日は夫がなんとラーメンを頼みました。

夫は、長いパスタ、ことにスパゲッティなどの細い麺を、普段は食べるのを嫌がって、極力避けているというのにです。この店のなんちゃって焼きそばは、蕎麦粉でできたパスタと味つけが好みだからか、不思議と好きでよく頼んでいるのですが、今回夫が初めてラーメンを食べたのは、実は、映画、『ラーメンガール』を、つい最近見たばかりだったからです。
わたしはまったく知らない映画だったのですが、奥さんが中国人女性である太極拳の師匠から、いい映画だからぜひと、以前から勧められていたのだそうです。見終わったあとで、とてもよかったよと言っていました。
テーブルにラーメンが運ばれてきたとき、細長い麺が好きでないこともあり、また他に、カリフォルニアロールも注文していたこともあって、夫は、「これは量が多すぎて食べきれない」と言っていたのですが、ワカメやゆで卵を食べたあとは、ラーメンのスープがおいしいと、もっぱらスープを飲んでいました。映画の中で、ラーメンはスープが命で大切だと説かれていたからだと夫は言っていたのですが、わたしはスープがきちんと天然素材で作られているものであることを願いながら、それを見ていました。
と言うのは、わたしもこの店で、以前にラーメンを食べたことがあるのですが、スープの味はよく覚えていないものの、麺は即席麺に似ていたような記憶があったからです。前菜に頼んだギョウザも大きかったので、結局夫は、ラーメンをかなり残していましたが、気になっていたラーメンを食べることができて、満足そうでした。
夫から、アメリカ人女性が日本の師匠からラーメンの作り方を学ぶ物語で、日本が舞台のアメリカ映画だと聞き、また、細長い麺が苦手な夫にラーメンを食べたいと思わせるほどの映画とはいったいどんな映画だろうと興味を持って、先日、わたしも映画、『ラーメンガール』を見てみました。
amazon.it - Prime Video - Ramen Girl
夫と同様、わたしもアマゾンイタリアの、上にリンクを付したプライムビデオのページから、イタリア語版を見ました。アマゾンイタリアのプライム会員であれば、イタリア語版・英語版を無料で鑑賞することが可能です。アマゾン日本のプライムビデオでも、次の画像の下に付したリンク先から鑑賞することができますが、有料となっています。
amazon.co.jp - Prime Video - 映画『ラーメンガール』
日本語や日本文化を教える立場から、日本の文化や人々、風景がどんなふうにとらえられているだろうかと、興味半分で見たのですが、最初は師匠のあまりの厳しさに、これはどうかと思ったものの、特に後半で、いい映画だなあと感動しました。ラーメン作りを学ぼうと熱意を注ぐ主人公や、彼女を取り巻く人々の温かさがいいなあと思いました。ヒロインのブリタニー・マーフィーの演技や笑顔に魅かれたので、彼女が若くして亡くなったと知って驚きました。
アメリカ映画なのに英語版を見なかったのは、夫や、夫の太極拳の師匠など、イタリア人の男性たちが見ていいなあと思ったという、そのイタリア語版を見てみたいと考えたからです。日本語版がないのが残念だったものの、見始めてから、日本の人が日本語で話す場面はすべて音声は日本語のままで、アメリカ人女性である主人公が相手が日本語で何を言っているか理解できない、その思いへの共感を誘うためか、時折まったく字幕のない言葉もあったものの、日本語の大切なセリフにはすべてイタリア語の字幕がつき、また、主人公やその友人・知人たちが英語で話す言葉は、イタリア語に吹き替えられていました。
日本文化についても、様々な側面をうまくとらえているので、日本語を学ぶ教え子たちにも紹介したいと考えています。皆さんも、機会があれば、ぜひご覧ください。

土曜は、わたしたちよりずっと常連らしい客が店にいて、店主に新年のあいさつをしていたので、食後に尋ねたら、店主が中国の方だと分かりました。中国でも日本と同様、新年は家族と静かに迎えて祝うのだそうで、にぎやかに祝うのに慣れているイタリア人の夫を前に、「イタリアとは祝い方が違うんですよね。」と話しました。

わたしはいつものように、前菜にはサーモンのカルパッチョ、プリモに寿司・刺身盛り合わせ、セコンドに海老と野菜のてんぷらを頼みました。鮭の刺身が大好きで、この店ではとりわけおいしいので、ぜひ一度一皿食べてみたいと思いつつ、昨日も、ランチセットの3皿を食べたら満腹になりました。

夫が、カリフォルニアロールが食べきれないから手助けしてほしいと言ったのですが、わたしも満腹で、カニは好きではないので、ラーメンだけ少し味見をしました。

夫が前日のテニスの練習で疲れていて、また、映画を見てラーメンに興味を持ったおかげで、こうしてまた、好きな日本料理店で食事を楽しむことができて、うれしかったです。
Nihori Ristorante Sushi Giapponese a Orvieto
Via Angelo Costanzi, 102 - 05018 Orvieto
Tel. : 0763 450593
Sito : NIHORI - Ristorante Giapponese Sushi a Orvieto e Fabro Scalo - HOME
FB : Facebook - Nihori - Informazioni
Articolo scritto da Naoko Ishii
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