イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

オルヴィエート 地中搾油場・採掘場へ、ガイドと凝灰石岩壁の中へ

 2月5日土曜日に夫とオルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)の前で待ち合わせをしたのは、

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Orvieto (TR), Umbria 5/2/2022

 午後4時からのオルヴィエートのガイドつき地中ツアー、Orvieto Undergroundを、予約していたからです。当日の朝、電話で予約したときに、15分前までに、大聖堂広場にあるオルヴィエート・アンダーグラウンドの観光案内・切符販売所に来るようにと聞いていました。スーパー・グリーンパスの提示や切符の購入などのため、また混雑を避けるためです。

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 オルヴィエート・アンダーグラウンドの観光案内・切符販売所は、大聖堂の向かい、広場の隅に建っているので、入り口のガラスにも大聖堂が写っています。夫もわたしも早めに着いたので、3時40分に中に入り、スーパー・グリーンパスと、オルヴィエート観光カード、Orvieto Unicaを提示しました。このカードは1年間有効で、オルヴィエート・アンダーグラウンドのツアーも含まれているからです。

 ツアーは午後4時に、この入り口の前から出発しました。

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 大聖堂前から、オルヴィエートの町が建つ凝灰石の岩壁の南面へと、ガイドや他の参加者の後について歩いていくと、崖下周遊トレッキングコースを歩くときにも見える、今はホテルとなっている元修道院が見えてきます。

 上の写真の左手の鉄柵に、オルヴィエート・アンダーグラウンドへの入り口の扉があります。

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 ガイドが鍵で開けた扉から入り、皆の後について行って、しばらく進んだ先にある岩壁側面にある入り口から、内部へと入りました。

 町を頂く凝灰石の岩壁の中でも、南面は特に気候が安定していることもあり、その内部は、数千年前、古代エトルリア人の時代から、人の手によって地下道や洞窟が掘られて利用されてきていて、1200もの洞窟があるのだそうです。

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 地中への入り口で、まずはオルヴィエートを頂く凝灰石の岩壁内にある多数の地下道や洞窟の存在、そして地質の構造などについて説明がありました。

 町の地下、岩壁内にある無数の洞窟や地下道は、1970年代に起こった大規模な崖崩れがきっかけとなって、発見されたとのことです。

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 内部に入っていくと、まずはオリーブ搾油場について、説明がありました。16世紀の末に使用されていたことが石に刻まれた数字から分かるこの搾油場については、12世紀前半に、すでにその存在を記した文書もあるとのことです。

 まずはこの大きな石を使って、オリーブの実をペースト状にしてから、

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こちらの搾油機を使って、オリーブオイルを搾り取ったのだとのことです。ちなみに、この搾油機は、忠実に復元したものであるそうです。

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 地下の通路は四方へと伸びていて、その通路や先にある洞窟も見えるのですが、ガイドと訪ねて見ることができるのは、そのごく一部です。しかも、感染下である今だけ訪ねられないところもあったのですが、1時間にわたる訪問は、オルヴィエートの数千年にわたる歴史や文化を垣間見ることのできる、興味深いものでした。

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 このあとは、上から5枚目、6枚目の写真で、搾油場の奥に見えている通路を歩いていきました。上の写真は、搾油場の方をふり返って撮影したものです。

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 古代エトルリア時代にもすでに掘られて存在した地下道や洞窟が、中世になってさらに、地上に今も残る町並みの建造物を建てるための建材を採掘するために、切り崩されていったのだそうです。

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 また、この火山灰、セメントの材料となるポゾラン(pozzolana)は、1800年代にも所有者によって採掘許可申請が行われ、許可が下りてのちは、再び採掘が行われたとのことです。

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 さらに興味深かったのは、オルヴィエートの地下に三十あるという古代エトルリア時代に掘られた井戸です。どれも縦横の長さがそれぞれ80センチ、120センチで、オルヴィエートの町が建つ凝灰石の岩の下にある帯水層から水を汲むために掘られたものだそうです。

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 オルヴィートは、岩壁の周囲には水源があって、古代には平常時はその水を利用していたのですが、崖の上の町には水源がないため、いざというときのために、こうして地下に深い井戸を掘って、水を確保したのだそうです。紀元前3世紀半ばに、古代ローマ軍に包囲されたとき、2年間持ちこたえることができたのも、この地下水を汲むことができる井戸のおかげであるとのことです。井戸の壁には人が登ったり下ったりするときに、手や足をかけるための刻み目があります。

 今回は、土曜に訪ねた地中ツアーの前半をご紹介しました。写真を撮るために、ガイドや他の参加者から少し離れて移動したこともあり、説明を聞き損ねた部分もあったため、オルヴィエート・アンダーグラウンドのサイトの説明・映像や手持ちのオルヴィエートのガイドブックで、情報を補いつつ、この記事を書きました。




 Orvieto Undergroundのサイトにあるこちらの映像で、以上ご紹介した岩壁の内部の様子を、より詳しく見ることができるので、説明はイタリア語なのですが、興味のある方はぜひご覧ください。

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17/6/2020

 参考までに、土曜日にわたしたちが訪ねた、多くの洞窟や地下道がある崖の南面の壁は、正面から見ると、こんなふうになっています。断崖の上には、崖からそう遠くない場所に建つ大聖堂も写っています。実はこの写真は、上から3枚目の写真に写る元修道院から撮影したものです。

 ツアーの続き、後半は、また次の記事でご紹介できたらと考えています。

*追記(2月11日):次の記事で、Orvieto Undergroundのツアー後半の様子をご紹介しています。
- オルヴィエート無数のハト飼育場、地下 岩壁内に5層の通路・洞窟

LINK
- Orvieto Underground - HOME
- Orvieto Carta Unica - HOME

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by katananke05 at 2022-02-12 10:53 x
そっか、、以前から あの穴はなんだろうと 思われてたんですね〜
南米の大きな穴なら 風葬というカルチャーもあるし、、とおもうけど
小さい穴は ん? ですよね〜
鳩を食肉で利用したり
卵をりようしたり、、
戦争下では 防空壕でりようしたりと うまく使われていたのですね〜
ピジョンスープをシンガポールで食べた時は 竹の筒に 赤ちゃんの鳩が丸ごと入っていて
ゲッでしたよ〜
Commented by milletti_naoko at 2022-02-13 05:57
katananke05さん、シンガポールでもなんと鳩入りの、しかも赤ちゃんの鳩入りのスープを食べるとは!

わたしは食べられないのですが、ウンブリアでは今も食用に鳩を食べます。食文化ではこんなふうに、とまどうことがありますよね。
by milletti_naoko | 2022-02-10 23:34 | Umbria | Trackback | Comments(2)