イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

オルヴィエート無数のハト飼育場、地下 岩壁内に5層の通路・洞窟

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 凝灰石の断崖の上に建つオルヴィエートの歴史的中心街の地下を訪ねるガイドつきツアー、Orvieeto Undergroundでは、


まずは、上の層にあるオリーブ搾油場と火山灰の採掘場を訪ねました。それから、いったん外に出て、さらに下方にある入り口から入り、

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Orvieto Underground, Orvieto (TR), Umbria 5/2/2022

細い階段をどんどん下っていきました。

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 左右にも奥にも、壁に一面に四角い穴があいた洞窟に着いたとき、ガイドが立ち止まって、皆がそろったのを確認してから、説明を始めました。たくさんいた参加者が写らないように、洞窟の左半分だけを撮影していますが、記事の最後の方に埋め込んだ映像では、この洞窟の全容を見ることができます。

 この壁一面に施された穴は、食用のハトを飼育するためのもので、中世以降につくられ、利用されたものと考えられているそうです。崖が南を向いているために、壁にある小さな窓から日の光が差して、ハトたちが自由に出入りすることができました。ハトは自分たちでエサを探しに行って、つがいで巣を作って卵を産み、鳥の肉も卵も食べることができたので、市民たちにとっては便利な上に経済的で、その上、奥に見える通路が、地上の建物と通じていて、住居とハト飼育場の間を行き来することもできたそうです。また、洞窟では、井戸や雨水を利用して、ハトたちが飲み水に困らないように工夫してありました。

 さらに上の層にある別の洞窟の写真を見ると、

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一つの洞窟だけでもたくさんのハトが飼育されていたことが、お分かりかと思います。オルヴィエート・アンダーグラウンドのビデオ映像では、一つの洞窟だけでも何百羽ものハトが飼われていたと説明しています。

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 2枚目の写真に見える層から、細い階段を上って、さらに上の層に行って、凝灰石の岩をくり抜いてできた通路を歩いていくとあった洞窟が、上から3枚目の写真です。

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 ハトの飼育場は、なんと地下5層にわたっていて、ハトが巣を作れるように穴をたくさん施した洞窟が無数にあり、通路や階段で結ばれています。

 後世には、岩壁の内側にあるハト飼育場から崖の下方へと、多くの人々がごみなどを投げ捨てたために、そのごみの山の上を通れば、崖の下から岩壁内に入り、地下通路を通って、地上にある町に抜け出ることができるようになってしまいました。そのため、教皇が勅書で、さらなるハト飼育場を地下につくることを禁じたそうです。オルヴィエート・アンダーグラウンドのサイトにある映像では、教皇による禁令は、商人が地下通路という抜け道を通ることなく、町の門から入って商品にかかる関税を払うように、つまり脱税を防ぐための施策であったと説明しています。

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 通路を歩いていくと、地下に隠れた洞窟や通路が、1970年代に見つかるきっかけとなった大規模な崖崩れの跡も、見ることができました。

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 岩壁に大きな穴がぽっかり開いて、下方を見下ろせるところもあります。

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 ガイドと共に最後に訪ねたのが、奥にあるこちらの大きな洞窟でした。第二次世界大戦中に、戦火を避けて町の人々が避難していた洞窟です。

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 約1時間にわたった地下訪問を終え、ガイドや皆の後について、細い階段を上っていき、

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オルヴィエート・アンダーグラウンドツアーの出入り口から出ると、

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あらあなた、切り立つ断崖の上に建つ塀の、さらにそんなに端にいて大丈夫なのというところに猫が1匹いたので、驚きました。

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 オルヴィエート・アンダーグラウンドの観光案内・切符販売所は、上の写真で右端に建つピンクの建物の端にあります。そして、ツアーで訪ねる岩壁の地下への入り口は、奥に見える教会の左横をさらに奥へと進んでいったところにあります。

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17/6/2020

 おととし、崖の南面を見晴らせるホテルから撮影した写真には、崖が崩れた跡や、かつては岩壁内にあって見えなかった通路や洞窟の一部が写っています。

 次の映像の12:19以降に、この記事に書いたツアー後半の紹介があります。興味のある方は、ぜひご覧ください。





 オルヴィエート・アンダーグラウンドの一般の参加料金は、現在7ユーロです。サイトでは、料金や開始時刻を、日本語でも紹介しています。(リンクはこちら)ただし、2月については、ツアーは土日のみ開催という言葉は、この日本語ページにあるだけで、イタリア語と英語のページには書かれていません。また、開始時刻は午後については、4時からと5時15分からで、観光客が多いときには15分ごとの開催とあるのですが、2月5日土曜日には、わたしたちが4時に出発したあと、さらに4時15分からイタリア語の、4時半からは英語のツアーも行われるとのことでした。

LINK
- Orvieto Underground - HOME
- オルヴィエート 地中搾油場・採掘場へ、ガイドと凝灰石岩壁の中へ
↑ Orvieto Undergroundのツアー前半の様子をご紹介しています。本記事は、この記事の続きです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ciao66 at 2022-02-11 19:30
なかなか面白いツアーですね!
地下洞窟が中世のハトの飼育場で、そこが商人の抜け穴になって脱税していたとは!とても興味深い歴史ですね。
岩壁に大きな穴がぽっかり開いて、下方を見下ろせるところが絶景だし、とても面白いと思いました!
Commented by milletti_naoko at 2022-02-12 03:04
ciao66さん、教皇が脱税を禁ずるために飼育場を広げるのを禁じたということは、確かに、そういう事例がすでにあったからということなのでしょうね。

実は、崖下のトレッキングコースから上を見上げて、地下にあるあの穴はなんだろう、ハトの飼育場だとしても、崖の壁の内側にあるのにいったいどうやって行くのだろうと疑問に思っていたので、ようやく謎が解けました。
Commented by sunandshadows2020 at 2022-02-12 14:33
長い間オルヴィエートの地下はお墓だと思っていたので意外でした。
ご紹介くださって有難うございます。
ブログ拝見しながら行きたいなと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2022-02-13 06:53
お転婆シニアさん、こちらこそコメントをありがとうございます。古代エトルリア人の墳墓は、オルヴィエートを頂く断崖の北西のふもとにあるんです。次の記事に写真がありますので、よろしかったらご覧ください。いつか地下とお墓を両方訪ねられる日が、早く来ますように。

・古代相撲・墓、プレゼーペと大聖堂、オルヴィエート
 https://cuoreverde.exblog.jp/30994651/
by milletti_naoko | 2022-02-11 17:10 | Umbria | Trackback | Comments(4)