イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ミモザ・椿・大聖堂の聖母子像をオルヴィエートで

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 ひな祭りは、2日遅れて今日、いつものオルヴィエートの日本料理店で、2週間ぶりに寿司やてんぷらを食べて祝いました。

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Nihori Ristorante Giapponese, Orvieto (TR), Umbria 5/3/2022

 と言っても、ひな祭りを祝うために、お寿司を食べるんだと意気込んで楽しみにしていたのはわたしだけで、夫の方は、「いつもぼくが好きなピザを食べに行くのにつき合ってもらっているし、時にはなおこの好きなものが食べられる店に行かなければね」という心持ちだったのではないかと思います。

 今日は、サーモンのカルパッチョ、エビと野菜のてんぷらの後、最後になって寿司と刺身の盛り合わせが運ばれてきたため、一番楽しみだった寿司と刺身を、すでに満腹に近い状態で食べることになってしまいました。でも、テーブルにまだ一輪の赤いバラがあり、エビのてんぷらがおいしかったです。

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Centro storico di Orvieto (TR), Umbria

 昼食後に、オルヴィエート(Orvieto)の歴史的中心街を大聖堂に向かって歩いていくと、満開のミモザと赤い椿に、日の光が差して、とてもきれいです。

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 今日は、こんなふうに人の少ない裏道のような小路を通って、大聖堂に向かいました。

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 マウリッツィオの塔の上や向こうの空は、このときすでに暗雲に覆われていたのですが、

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オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)の上には、幸いまだ青い空も見えていました。

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 本来は今日は大聖堂を訪ねるつもりでした。と言っても、あれは昨年だったか、2度目の訪問をしたばかりだったこともあって、朝になって夫が「今回はオーディオガイドを借りて、説明も聞きながら訪問しよう」と、言いました。

 そこで、とりあえず、大聖堂への入場券の販売所がある、上の写真で右手の建物、ソリアーノ宮(Palazzo Soliano)に入りました。わたしたちは、現在も有効で、大聖堂も訪ねられるオルヴィエート観光共通券を持っているのですが、入場前に販売所で、別の入場券を発行してもらう必要があるかもしれないと考えたからでもあり、音声ガイドについて情報を聞こうと思ったからでもあります。ところが係の人に話を聞くと、音声ガイドは現在作っている最中で、今はまだないけれども、今年の4、5月までには利用し始めることができるはずだとのことです。

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 そこで、大聖堂を訪ねるのは音声ガイドが利用できるようになってからにすることにして、今日は代わりに、やはり観光共通券が使える大聖堂付属美術館(Museo dell'Opera del Duomo)を訪ねることにしました。そして、まずは、入場券販売所となっているソリアーノ宮内にあるエミリオ・グレコ美術館(Museo Emilio Greco)で作品を鑑賞しました。

 ソリアーノ宮をいったん出て、ドゥオーモとの間を通る道を奥へと進み、突き当たりを左手に曲がったところに、大聖堂付属美術館のさらなる展示会場がありますよと聞いて、

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 言われたとおりに突き当たりを左に曲がり、まずは右手にある階段を登っていきました。

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Madonna con il Bambino e sei angeli reggicortina
Provenienza: Duomo di Orvieto, lunetta del portale centrale

 そして、階段を登りきってから展示会場に入り、入り口にある美しい聖母子像に感嘆しました。

 もとは、オルヴィエート大聖堂の正面扉にあるルネッタ、半月形部分にあったこの聖母子やその上の垂れ幕を捧げ持つ6人の天使の像は、聖母像の右前腕や幼子イエス像の両腕、多くの箇所にわたって損傷があった天使のブロン像を修復したあと、現在では大聖堂付属美術館にこうして展示されています。

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 そのため、今大聖堂の正面扉の上に設置されているのはその複製なのですが、今回、大聖堂付属美術館を訪ねて、大聖堂の正面や内部にある多くの彫刻や絵画の本物が、修復後は美術館内に展示されていることを知って驚きました。

 この記事は予約投稿で、執筆したのは3月5日土曜日の晩です。

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A Orvieto belli i fiori di mimosa e camelia nel centro storico,

stupenda la Madonna con il Bambino e sei angeli reggicortina
della facciata del Duomo, che ora dopo il restauro si trova nel museo.
Buoni il sushi e il tempura; si festeggia la Festa delle Bambole
con due giorni di ritardo a Nihori, ristorante giapponese di Orvieto.
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LINK
- Museo dell'Opera del Duomo di Orvieto - Collezione Palazzi Papali

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by meife-no-shiawase at 2022-03-06 19:52
海外にいても不思議なもので日本の伝統行事は
大事にしたいと思いますね♪
私もひな祭りの日にはケーキを食べました、
台湾にはひな祭りはないので、ひな祭りの話をしたら、良い伝統ですね、と
言ってもらえて嬉しくなりました。
Commented by ciao66 at 2022-03-06 20:05
本物は博物館で教会に有るのはレプリカというのは時々見かけるパターンですね。とはいえどこだったか覚えていませんが。レプリカと書かれていなければ、そうとは気付かないことも多かったと思います。イタリアの修復技術は高いし、レプリカの出来がいいこともあるでしょうね。
ミモザと椿のコンビネーションは鮮やかでいいですね♪
Commented by milletti_naoko at 2022-03-07 03:11
メイフェさんがひな祭りの日に食べられたケーキ、かわいらしいですね♪ あ、あのいつかのケーキ屋さんだと、蜂のデザインのケーキを見て、思いました。

わたしも、元旦も七夕も重陽の節句も中国だから、中国でもひな祭りはなくとも、3月3日に何か祝うのかと思って、店を営む中国の方に尋ねたら、特に何も祝いませんという言葉が返ってきたので驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2022-03-07 03:18
ciao66さん、確かに外に置かれて雨風にさらされていては、どんどん傷んでいきはすると思うのです。でも、どうして教会内部の絵まで、教会ではなく博物館に置いてあるのだろうと、夫がいぶかっていました。

そう言えば、ペルージャでも、プリオーリ宮殿前のライオンとワシの像や、大噴水の上の青銅の女性像は複製で、本物は国立ウンブリア美術館の中にあります。

ミモザと椿、色の取り合わせもきれいですが、イタリアと日本の春の花の和洋折衷であるようにも感じて、おもしろいなあと思いました。
Commented by katananke05 at 2022-03-07 15:17 x
maria像 綺麗なお顔ですね〜
お腹の部分がぷっくりとみえるけど
あれは キリストの足の部分がかさなっている?のかな、、

外で雨ざらしになってる像は
それはそれで 趣がありますが
痛むことを考えると レプリカというのも仕方ないですね〜
ただ 絵画などは博物館でなくて
本来の建物に 飾って欲しいと思いますよ〜
イタリアはどこをとおっても 石の重厚さや 風化の様がうつくしいです〜
滅多と地震がないから それも長い間 持ってるのですね〜

ミモザと椿も 今が盛りでよいマッチングです〜
Commented by milletti_naoko at 2022-03-07 16:17
katananke05さん、地面からではとても見えない細部まで見ることができて、そうして、今正面扉の上に置かれている像よりも、ずっと美しいように見えるような気がします。

外に置かれていると、数世紀を経てしまったために、雨ざらしの被害のほか、鳩のフンなどの被害も大変なものだそうで、かつて上部にあった大天使ミカエルの像も本来の金色がすっかり落ちた上に損傷が激しかったのだそうです。

わたしも絵画については本来あるべき教会に戻してほしいように思うのですが、なぜでしょうね。

きらきらと光る日に、ミモザと椿が輝いて見えました♪
by milletti_naoko | 2022-03-06 19:25 | Umbria | Comments(6)