イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

美術館で驚きの像や絵を見てからドゥオーモ地下の通路へ、オルヴィエート

 3月5日土曜日に、オルヴィエート郊外の日本料理店で、寿司やてんぷらを食べて、ひな祭りを祝ったあとに訪ねた、

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Duomo di Orvieto, Orvieto (TR), Umbria 5/3/2022

オルヴィエート大聖堂付属美術館(Museo dell'Opera del Duomo di Orvieto)は、かつては大聖堂にあった像や絵画、オルヴィエートの他の教会の絵画などを所蔵しています。

 大聖堂正面を装飾する像については、たとえば、正面扉の上にある聖母子や天使の像が、修復後の現在は、この付属美術館に設置されていることは、先日の記事でお話ししたのですが、

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大聖堂正面の左上部にある竜を退治する大天使ミカエルの青銅の像も、

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San Michele e il Drago, bronzo trecentesco restaurato

13世紀に鋳造された本物の像は、数世紀を経て、金メッキがはがれ、大気中の粉塵やハトのフンなどによる損傷が著しかったため、2003年から2014年にかけて修復され、現在では本物は、やはり大聖堂付属美術館に設置されています。

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 大聖堂の正面から向かって右の側面に沿って、後方へと歩いていき、突き当たりを左手に曲がって、

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すぐ右手に現れた階段を上っていくと、大聖堂付属美術館のこれらの像が設置された会場があります。上の写真は、その階段を上ってから後ろをふり返り、ちょうど大聖堂と付属美術館が接するあたりを撮影したものです。

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Cristo in trono benedicente (circa 1330)

 夫がとりわけ興味を示して感嘆していたのは、こちらの王座に座って祝福するキリスト像です。1330年頃の作とされるこの作品に夫が驚いたのは、この彫刻がなんと大きな一本の梨の木を彫ってつくられたものだからです。彫刻そのものよりも、梨の木の大きさと、そんなにも大きな木からこうした像を彫り出していったことに感心していたようです。

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Santa Maria Maddalena (1504), Luca Signorelli

 この聖マリア・マッダレーナ、マグダラのマリアは、ルーカ・シニョレッリの手になると言われるもので、大聖堂付属美術館の入場券には、この絵が印刷されています。

 マグダラのマリアと言うと、どこかはかなげで悲しみに打ちひしがれた様子を描いた絵や像を見ることが多いように感じていたので、オルヴィエートの守護聖人の一人として描かれたとは言え、毅然とした表情で、風格もどっしりしていて、どこか威厳さえあるようなこのマグダラのマリアの絵を見て、驚きました。描かれたルネサンス当時の風俗や好みが反映されて、衣装は金地に草花の装飾が施され、さらに緑や赤の色鮮やかなマントをはおっているのも、おもしろいなあと思います。

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Leggio e frammenti del coro del duomo (circa 1330 - circa1370)

 大聖堂の聖歌隊席の譜面台に施された装飾やその模様も、細やかで独創的で美しいなあと、まじまじと見つめました。

 さて、階段を上ったところにある展示会場から階段を降りて、上から5枚目の写真で右手に見えるアーチ型の入り口から中に入ると、

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Galleria degli affreschi, dipinti murali (XIV-XV secolo)

フレスコ画の広間があって、オルヴィエートの他の教会の壁に描かれていた絵を、鑑賞できるようになっています。

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Madonna col Bambino Santa Caterina d'Alessandria e San Giovanni Evangelista (XIV secolo)
San Giovanni Battista (XV secolo)

 この広間に飾られたフレスコ画の表情の優しさや色づかいに魅かれて、

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Annunciazione (XV secolo)

きれいだなあと、じっと絵を見つめました。

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Adorazione dei Magi (XIV secolo)

 このフレスコ画の広間の脇にある入り口から入って歩いていくと、その通路は、

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Sotterranei del Duomo

大聖堂の地下へと通じています。

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 建造から数世紀が流れる間に、崩れたり傷んだりして、修復が必要となったか、あるいは取り替えなければならなかったのではないかと思われる柱や石などが、ところどころに置かれていて、興味深かったです。

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 美術館の訪問を終えて外に出ると、ドゥオーモの向こうに、遠い昔、ドゥオーモ建造時に作業に勤しんでいた人々に時を告げていたマウリッツィオの塔(Torre di Maurizio)、そして、てっぺんからの眺めがすばらしいモーロの塔(Torre del Moro)が、二つ並んで見えました。

 訪ねた場所や、情報を詳しく調べた場所が増えるたびに、目に入るとうれしい建造物などが増えていき、オルヴィエートを訪ねるたびに、町を深く知っていくことができるような、そんな気がしています。

関連記事へのリンク
- ミモザ・椿・大聖堂の聖母子像をオルヴィエートで
- オルヴィエート花愛でながら崖上・街中さんぽ
- 大聖堂建造時も時を告げた時計と鐘つき人形、オルヴィエート マウリッツィオの塔
- モーロの塔登れば眺望すばらしいオルヴィエート

参照リンク
- Museo dell'Opera del Duomo di Orvieto - Galleria degli Affreschi
- Museo dell'Opera del Duomo di Orvieto - Collezione Palazzi Papali

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by yuta at 2022-03-13 08:24 x
遠くイタリアでのひな祭りはどんなものでしょう。
キリスト像は石ではなく梨の木を彫って作られてるのですね。
石像が多いでしょ。
素敵なマリアです。
赤や緑のマント珍しいですか?
Commented by ciao66 at 2022-03-13 15:56
ドゥオーモの側面の縞模様が迫力があっていいデザインですね。そして、地下の通路も縞模様で、コーディネートされている!
フレスコ画がビザンティンの様式のような平面的で東洋風なイメージなのは意外でした。
最後の一枚も意外なアングルで塔が街並みの上に浮かんだようで新鮮ですね!
Commented by milletti_naoko at 2022-03-13 18:00
yutaさん、家で散らし寿司を作ったりしたこともあるのですが、今年はこの店で好きな日本料理を食べて祝おうと決めていました。

確かに石やブロンズの像が多いのですが、実は木の像も見かけることがあるんですよ。著名な芸術家の手になる聖母像も見たことがあるのですが、残念ながら写真撮影は禁じられていました。石像や青銅の像の方が長持ちするということもあるのでしょうね。

この絵に描かれているのはキリストの母、聖母マリアではなくて、実はキリストの妻だったかもしれないという説もあるマグダラのマリアなんです。キリストが亡くなったあと、十字架や墓の前で嘆き悲しむ場面が描かれるのを見かけることが多いため、色の鮮やかなマントをまとった姿をそうした絵で見かけることはまれなんです。
Commented by milletti_naoko at 2022-03-13 18:13
ciao66さん、白と黒の縞模様のコーディネートは、大聖堂の内部もなんですよ! おっしゃるように迫力があり荘厳で、彩り美しい正面や内部の装飾をさらに引き立ててもいることでしょうね。このフレスコ画、最後の2枚の写真では構図や表情など、どこかジョットの絵を思わせるところもあるのですが、聖母マリアが描かれたフレスコ画の色の美しさと女性たちの表情の優しさ、美しさに魅かれました。

最後の写真、二つの塔がどちらもよく見えるようにと、目前に駐車されていた車が入らないように撮影したのですが、そんなふうな視覚効果もあるんですね!

by milletti_naoko | 2022-03-12 23:34 | Umbria | Trackback | Comments(4)