イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23305437.jpg
 まだ朝晩寒く、山の高みに雪が見えた上に、夫はテニスの練習などで疲れていたため、日曜は山には行かず、朝ゆっくりとうちを出て、いつものオルヴィエート郊外の日本料理店、Nihoriで、二人で昼食を食べました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_22490182.jpg
Nihori Ristorante Giapponese, Orvieto (TR), Umbria 13/3/2022

 日曜だったので、コーヒーと水、サービス料も込みで12ユーロの昼食セットは頼めない可能性が高いと思い、オンラインでメニューを見て、何を頼もうかと考えていたのですが、幸いいつものランチメニューから注文できるとのことです。その方が、好きなものをどれも食べることができて値段も安いからと、結局夫もわたしも、昼食メニューから、最近ではいつも頼んでいるお決まりの料理を頼みました。

 寿司・刺身盛り合わせの皿が新しくなっていて、食べると白い梅の花が現れました。巻き寿司は、いつもなら三つとも鮭あるいはマグロであるのに、この日は、うち一つの具がアボカドになっていましたが、その代わり、サーモンのカルパッチョがいつもより厚めに切ってあって、うれしかったです。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_22580550.jpg

 好きな鮭の寿司・刺身を、店で一度存分に食べてみたいと思うものの、この店はエビのてんぷらもおいしいのです。もしアラカルトでエビのてんぷら一皿を頼んだら、それだけで満腹になってしまうに違いないので、いつものランチセットが、やはり好きなものをあれもこれも食べられて、懐にも優しいです。

 夫はセコンドとして、最近のお気に入りになっているレインボーロールを注文しました。アボカドと鮭とマグロで包まれた巻き寿司は、中に揚げたてのエビのてんぷらが入っているのですが、そのエビのてんぷらの衣がからりとしておいしいと夫が言います。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23044839.jpg

 わたしたちが座った座敷席のテーブルと、その後ろのテーブルにだけ、赤いバラを生けた花瓶がなかったのですが、そう言うと、夫がこっそり、隣のテーブルの花瓶を取って、わたしたちのテーブルの上に載せてくれました。隣には結局、わたしたちがいた間じゅう誰も来なかったので、バラがその間も、食べる人の喜びに貢献してくれたということにしておきましょう。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23070082.jpg
https://www.google.com/maps/

 オルヴィエートの崖下周遊トレッキングコースは、四季を通じて花や緑、風景を楽しむことができ、2時間しっかり歩くこともできるのでいいなあとわたしは思うのですが、夫はどうも飽きてしまったようです。

 そこで今回は、オルヴィエートの中心街へと向かう途中、いつも見かけていた道路案内標識にあった町、カステル・ジョルジョ(Castel Giorgio)を訪ねてみることにしました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23115678.jpg
Chiesa di San Pancrazio, Castel Giorgio (TR), Umbria

 ところが、行ってみると、観光するべき場所が特にあるわけではなかったので、教会だけ訪ねました。祭壇近くの青とも緑ともつかない優しい色や手前のアーチの下の模様が美しいなあと思いました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23172231.jpg
Lago di Bolsena (VT), Lazio

 そうして、カステル・ジョルジョを出たあと、道路地図を見て、南へと下り、サン・ロレンツォ・ヌオーヴォの町を通って、ボルセーナ湖Lago di Bolsenaに行くことにしました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23220847.jpg

 わたし自身は単純に、青空の下、湖を見やりながら散歩をしたかったのですが、ガソリンが高いしととまどう夫を説得するために、

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23231871.jpg

以前から夫が、近くまで行って確認したいと言っていた、ボルセーナ湖畔の遊歩道近くにある不思議な椿の森を見に行きましょうと言いました。

 去年の夏だったか、北西の岸辺の遊歩道を車で通ったことがあり、そのとき、奥の方にあるたくさんの緑の木々を見て、夫が「あれは椿に違いないけれど、どうしてこんなところにあるのだろう」といぶかっていたのです。そうして夫は、その後、ボルセーナ湖やボルセーナの町を訪ねるたびに、この椿の森を見に行きたいと言っていたのですが、帰りが遅くなりそうだったり、わたしが疲れていたりしたために、結局行かずじまいだったのです。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23265854.jpg

 実はこの椿の森、大きい椿の木が広範囲にわたって密集する場所は、日曜に夫が、疲れたからと駐車場へと引き返し始めた場所よりも、さらに先にありました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23282746.jpg

 というわけで、夫はおそらく車から見ただけだと思うのですが、歩いて通ったわたしが見ると、確かに椿の木で、花の咲く木がところどころにあります。

 昨日は帰り道に、「きっと店がこうしてここで育てておいて、後で売るために栽培しているのだろう」と、夫が言いました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23305437.jpg

 帰りは、この日の散歩中、ずっと対岸に見えていた北東の岸にあるボルセーナ(Bolsena)の町を通って、ペルージャへと戻りました。

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23330227.jpg

 ボルセーナ(Bolsena)の町の傍らを通り、丘を登ってオルヴィエートに向かうと、

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23335434.jpg

左手に黄色い花がいっぱいに咲く野原がある松の並木道があり、

オルヴィエートからボルセーナ湖へ 散歩して確認 椿の森_f0234936_23351281.jpg

丘を越えて、ジグザグの坂道を下っていくと、走る車から、凝灰石の断崖の上に建つオルヴィエート(Orvieto)の町がきれいに見える場所がしばしばあります。珍しく雲がなく、町全体に日が当たっていて、中心街がきれいに見えるからと、この日は夫に、展望台があるところで車をとめてもらって、撮影しました。

 はっきりと予定を立てずに出かけた1日でしたが、おいしい料理とすてきな散歩を楽しめて、充実した1日となりました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

ブログテーマ:移住・地方暮らし
Commented by nonkonogoro at 2022-03-16 08:42
オルヴィエートの断崖絶壁の風景も
素敵ですが こうして 全体を離れて眺めても
本当に素晴らしいですね。(#^^#)

椿
日本から ヨーロッパへと渡ったそうですね。
そんな椿の花が たくさん咲いているのを
眺めるのは楽しいですね。

我が家のご近所では
販売用のオリーブの苗を
たくさん育てています。

オリーブの木は
この辺りでは 人気の庭木のようです。
我が家にも 小さい苗木を植えましたが
ちっとも大きくなりません~"(-""-)"


Commented by ririrouzu at 2022-03-16 09:20
いつもとてっも詳しく、説明してくれているにで
なんとなく自分もそこにいるような気分になりますね~
湖を眺めながらのお散歩羨ましいですね~
バラの花をテーブルに持ってきてくれるなんて
幸せですね~(笑)
Commented by katananke05 at 2022-03-16 10:10 x
いつも 夫様と仲良くのお散歩で
それも お互いを気使いながらで
(疲れてるとか、、そちらへ行きたいとか) お優しいご両人です〜
我が家は あたくしが いばっておりまするよ〜

名所でなくてもあちこちに美しい自然 や 教会があり それで十分ですね〜
お寿司 サーモンの切り身にかかってるのは ドレッシングですか、、
ロシアとウクライナの戦争で
サーモンが日本に入りにくくなるとあり、、 美味しいのにね〜

Commented by sunandshadows2020 at 2022-03-16 22:32
ちょっとそこ迄という感覚でしょうか?
日曜日の寛いだ雰囲気がよく出ていますね。
イタリアの松の並木とても好きな光景です。
Commented by milletti_naoko at 2022-03-18 18:27
のんさん、崖の上から下から、遠くからと、いろんな角度からオルヴィエートの眺めを楽しむことができて、ありがたいです。

アルカリ性土壌の地域が多いイタリアにも、火山の近くなど、酸性土壌である場所もあって、そういう場所ではこんなふうに、地面に椿やアジサイが育つんです。

日本でそんなにも今、庭木としてオリーブの木に人気があるんですね! 
Commented by milletti_naoko at 2022-03-18 18:34
ririrouzuさん、ありがとうございます。
ボルセーナ湖は、西の湖畔に岸辺のすぐ近くを通る長いながい遊歩道があるので、眺めを楽しみながら歩くことができて、うれしいです。

ひょいと手を伸ばして、隣のテーブルの花瓶を取ってくれました。ささいなことですが、バラが一輪あると、やはり気分も違いますよね。
Commented by milletti_naoko at 2022-03-18 18:41
katananke05さん、ケンカしながらも、仲よくやっていけているのが、ありがたいです。お宅は、だんなさまがお優しいのですね。

夏は観光客や浜辺で日光浴や水辺のスポーツを楽しむ人でにぎわうボルセーナ湖も、特にこの湖畔は今の季節はゆったりと散歩を楽しむことができるんです。
Commented by milletti_naoko at 2022-03-18 18:44
お転婆シニアさん、車で1時間あまり、確かにちょっとそこまでという感じですね。食事に行くためだけなら遠いのですが、あれこれ見どころが周囲に多いので、散歩も楽しめてありがたいです。

こういう松の並木、特に海辺に多いですよね。初めて見たときは、日本の松とは風情がひどく違うので驚きました。
by milletti_naoko | 2022-03-15 23:40 | Viaggi | Comments(8)