春の野を歩いて診療所 全粒粉パスタサラダでコレステロール対策

　この春、わたしが血液検査をしようと思い立ったのは、同年代、あるいは少し年上の女性の親戚や友人たちから、それまで正常値だったコレステロール値や血圧が急にひどく高くなり、薬さえ必要となったという話を、この数年の間に、しばしば耳にしていたからです。50代半ば、更年期の女性に多いというあれこれの問題を、おかげで耳で知ることができていたので、わたしの場合は、ずっとHDLコレステロールの値がかなり高いので、LDLコレステロールが多少高くなっている可能性があっても、まあ心配ないだろうと思いつつ、前回検査をした2016年からもう6年経っているということもあって、単に念のために検査をしました。

　結果が分かるのは翌々日と、受け取った紙にはそう書かれていたのですが、今回はオンラインでも結果が見られることになっていたので、当日午後３時半に、ひょっとしたらもうアップロードされているかもしれないと、興味半分で見てみたら、なんと本当にすでに検査結果のPDFファイルがダウンロード可能になっていたので驚きました。ちなみに、ダウンロードした文書の最後に、医師の電子署名の時刻が13:47:42とありますから、わたしが検査を終えた８時半過ぎから５時間半後、午後２時にはもう結果が見られていた可能性もあります。

　結果を見ると、基準範囲を外れる項目が四つもあり、うち二つは僅差で外れているものの、血糖値が高いのに加えて、総コレステロールの値が飛び抜けて高いので、慌てました。わたしの場合は幸い、HDLコレステロールも高いので、LDLコレステロールの値をはじき出して、善玉・悪玉のコレステロールの比で見ると、安心はできそうなのですが、それにしても、6年前に比べて、LDLコレステロールが１．５４倍になっていて、基準値を超えています。ただ、上のリンク先の記事に記載がある「より女性の体の変化に即した基準値」では、４５〜６４歳の女性のLDLコレステロールの基準値は、７３〜１８３mg/dlとかなり高めに設定されていて、おかげで基準範囲内となっています。

Perugia, Umbria 12/4/2022
　というわけで、昨日の午後、さっそくかかりつけ医の診療所に行って、話を聞いてきました。コレステロール値が高くなったら、健康のために運動を心がけ、１日に少なくとも３０分はできるだけ足早に歩くことが必要とのことなので、診療所までの片道１.３kmほどの道のりを、車を使わず、歩いていくことにしました。
　登山用ストックを片手に歩いていくと、道端にボリジ（borragine）の優しい青色の花が咲いています。

　満開の白い桜の花が、日の光を浴びています。左奥に見える大きい建物は、ペルージャの総合病院で、その後ろにうっすらと影が見える山は、トスカーナ州のアミアータ山です。

　リンゴ（melo）のかわいらしい花も、もう咲き始めています。花もつぼみも、きれいなピンク色をしています。

　セイヨウハナズオウ（albero di giuda）も、色鮮やかな花が咲き始めています。上の写真は、オリーブの枝の上の空に見えていた白い月が写るようにと、撮影しました。
　家を出る直前に、ちょうどトーディに住む義弟がやって来て、おしゃべりしていたら出発が遅くなり、それでも、約２０分歩いて、午後の診療が始まる５時直前に到着しました。人が少ないだろうと思っていたら、なんとわたしの前にすでに4人の人がいたため、わたしの順番が回ってきたときは、６時を過ぎていました。診療中も、医師に他の患者から時々電話がかかってくるのは、わたしたちも診療所にいるかかりつけ医に電話することがあるため、若干は仕方ないかと思います。

　かかりつけ医は、コレステロールが多いこういう食品は避けるようにしましょうと、コレステロールの含有量と共に食品名が並ぶ紙をくれました。「数年前まではLDLコレステロールの値が低かったのだから、たぶん生活習慣や食生活によるものでしょう。他の値に問題がないので、必要以上に心配する必要はありませんが、食事に気をつけて、できるだけ運動をしましょう。５、６か月後に再び血液検査をしましょう。」とのことです。
　卵が含有するコレステロールの量のあまりもの多さに驚いたのですが、「大切なアミノ酸が含まれているので、週に２、３個の卵は食べることが必要です。」とのことです。エビもコレステロールが多いと知り、しばらくエビのてんぷらは食べるのを避けることにしました。湖畔の店で食べた夕食には、魚の卵があったのですが、魚の卵もなんとコレステロールを多く含むそうです。


　卵のほか、チーズ、子羊の肉や揚げ物、レバー、ケーキもコレステロールが多く、というわけで、卵とチーズたっぷりの復活祭のパンや、子羊のカツレツ、前菜のパンに塗ったパテなど、復活祭の食卓に並ぶ数々の料理が、皆、禁断の食べ物であることが判明しました。
　ちなみに、こういうときに限って、昨晩は上階に住む義弟から、ピザの夕食への招待があり、ゴルゴンゾーラやサルシッチャが載ったピザを、とてもおいしくはあったのですが、少しずつ食べました。昨日の検査の結果、血糖値も若干高めだと分かったのですが、コレステロール対策に甘いものを避け、コーヒーに入れる砂糖の量を控えれば、血糖値も基準値に戻すことができるのではないかと思います。

　かかりつけ医にあれこれ助言をもらったあとは、診療所のすぐ近くにある薬局で、明日の眼科医の診療代を支払ってから、帰途につきました。診療所に１時間半いた間に、日が傾き、リンゴの花が帰り道には、淡いオレンジ色を帯びていました。

　うちのすぐ裏を通る道までくると、我が家の桜も、夕日の光を浴びていました。

　待ち時間が長くなってしまい、帰宅が午後７時過ぎとなり、ロザリオの祈りと聖ピオ神父の教会のミサに、テレビでお義父さんと参列することができませんでした。コレステロール値が高いので、診療所に行ってきたんですと言うと、庭で会ったお義父さんがひどく心配そうな顔をしたので、食生活と運動に気をつければ大丈夫だと聞きましたと、つけ加えました。
　ミケくんは、狛犬のような姿勢で、ひなたぼっこをしていました。
13/4/2022
　日本の椿を思わせる花に魅かれて、ずっと前にルッカ県の椿まつりで購入した鉢植えの椿と、近年やはり椿まつりで買ったあでやかな花の椿の鉢植えが、夫が地面に植え替えて以来、すっかり弱ってしまって花が咲かなくなってしまっていました。確か3年前、まつりの会場で店の人から「水はけが悪い土壌である場合には、鉢に戻した方がいい」と聞いて、その後夫が、地面から鉢へと椿を戻してくれたのですが、おかげで今年は久しぶりに、二つの鉢の椿がつぼみをつけました。
　今朝は、まず最初の花が開き、もう見られないだろうとあきらめていた、懐かしく美しい花を見られて、うれしかったです。


　数年前からしばらく朝食抜きで、夕食後から１６時間は食事を取らないダイエットを続けたのですが、確かロックダウンに入った頃から、それまでは減っていた体重が戻り始め、また、健康に悪いと考える医師もいるようだと知って、最近は朝食を食べたり食べなかったりしていました。うちの場合、夫は平日、朝食は出勤後に食べるため、朝食はわたし一人なので抜きやすいのですが、夕食は１日に夫と食べられる唯一の食事である場合が多いため、食べないわけにもいきません。
　今朝になって思いついて調べてみて、LDLコレステロールを減らしていくためには、朝食は食べた方がよいらしいという結論に至り、ごはんは玄米がいいらしいと、玄米を探すと、ところがうちには白米しかありません。

　そこで代わりに、イタリアの古代小麦の全粒粉で作ったラ・パスタ・ディ・カメリーノ（La Pasta del Camerino）社のパスタ、 Hammurabiシリーズのスパゲッティを食べることにしました。食物繊維が豊富で、タンパク質の含有量も２２%と高く、マグネシウム（magnesio）、リン（fosforo）、鉄（ferro）、カリウム（potassio）などのミネラルも多く含む、優れもののパスタです。実はわたしは、今回の血液検査で、血液中のカリウム濃度が若干高いことが分かったのですが、それは、花粉症と関節症対策にと、ほぼ毎日ハーブティーを飲んでいるイラクサ（ortica）に、カリウムが多く含まれるからではないかという気がします。（イタリア語の参照記事はこちら）

　この古代小麦の全粒粉でできたスパゲッティが、そば粉を使っているわけでもないのに、味も食感も、そばに似ているように思うのは、わたしがもう長い間、日本のそばを食べていないからかもしれません。コレステロールが高くならぬよう、野菜をたっぷり使い、生のオリーブオイルをかけて食べられるようにと考えた結果、スモークサーモンとキャベツ、ニンジン、ラディッシュを、ゆで上がったパスタに加え、さらに酢とオリーブオイル、しょうゆ少々を上から回しかけ、よく混ぜ合わせて、和風パスタサラダを作って食べました。
　我が家では、うちで料理に使う野菜が、義父や夫が畑で育てる野菜に偏りがちで、そのために、ラディッシュは時々友人たちが料理してくれるときに食べるくらいだったのですが、あるとき、このイタリアでは店の野菜コーナーで簡単に見つかるこの野菜を、健康にいいと友人から聞いていたので、サラダに入れて食べてみて、驚きました。懐かしいあの大根の味がしたからです。調べたら、別名ハツカダイコンで、ダイコン属であり、大根の親戚と分かり、どうしてもっと早く気づかなかったのだろうと残念に思いました。
　豆腐などの大豆製品もコレステロール対策にとてもいいとのことなので、明日は少し遠出して郊外の大型スーパーに行き、玄米と共に、たくさん買ってくるつもりでいます。
関連記事へのリンク- 第４０号(1)「トスカーナ小村の椿まつり」- パスタおいしいカメリーノ、La Pasta di Camerino

Articolo scritto da Naoko Ishii

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