イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

金色の日と茜の空映しうねる波 トラジメー湖

 島の木々と中世の城塞とその向こうに沈もうとする夕日が、たそがれの空を映す湖面に長いながい影を落とし、その影が出発したばかりの船が立てる波に大きくうねり、

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Isola Polvese sul Trasimeno al tramonto, Umbria 5/4/2022

何とも言えず美しいので、船の後部座席から夫と二人で、ポルヴェーセ島(Isola Polvese)トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)を感嘆しながら見つめました。

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 船は東の岸にあるサン・フェリチャーノへと、夕日が沈む西を背にして進んでいきます。

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 島から出発直後は、船がぐるりと向きを変えつつ進むため、夕日が木々の間に隠れたり、姿を現したりして、そのたびに船に乗るわたしたちの目に映る空と湖の色と光が、変わっていきます。

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 平日で人が少なく、船が小さいので、波が大きくうねり茜色に染まる様子を、間近に見ることができます。

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 乗客は他にもいたのですが、後部座席にいたのはわたしと夫二人だけだったので、眺めも撮影も、存分に楽しむことができました。

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 夕日は着実に地平線に近づいていっていたのですが、船が島を離れて東へと進むにつれて、船からは、夕日が島のより右の方、より高い位置の向こうに見えました。そのため、10分間の船旅の間じゅう、金色の夕日が、ポルヴェーセ島の稜線のあたりに見えていました。

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 東の空はまだ明るく、青く澄んだ湖面を切るように、船がサン・フェリチャーノ(San Feliciano)へと進んでいきます。

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 ふり返るとけれど、西の空と湖はたそがれの色に包まれ、波やしぶきが、夕日の光に色づいています。

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 さらに船が進み、島全体が視界に入るようになりました。西の空が茜色に染まり、立つ波もまたその色を映し、金色の夕日の光にきらめいています。

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 トスカーナ州の遠いアミアータ山(Monte Amiata)の山頂も、波間を漂うヨットの帆もまた、夕日に茜色を帯びています。

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 なおも輝く日の光に、島近くの空と湖がきらめき、湖面が波に揺れています。

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 たそがれの空と日の光を映す湖面を、船が波を立て、しぶきを上げて、進んでいきます。

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 少し南を見やれば、まだ空が青く、波に映る夕色も淡い桜色をしています。

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 この日、4月5日の日の入りは午後7時40分でした。予定どおり午後7時半に、サン・フェリチャーノの港に、船が着こうという頃には、地平線近くの空と湖は、赤が深くなっていました。

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 港に着いて、桟橋に上がると、沈む夕日に湖全体が茜色を帯び始めていました。この日は、用事があったため、真っ赤な夕日が湖をあかあかと染めながら沈んでいくのを、車の窓から見やりながら、湖を後にしました。今、この記事を書くために、船旅の写真を見返して、船上で、いつになく美しい湖の夕景を、楽しむことができていたのだなあと、改めて思いました。

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Suggestiva e in trasformazione continua
l'opera d'arte dipinta sulle acue del Lago Trasimeno
dal sole del tramonto e dalle onde lasciate dal traghetto.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ririrouzu at 2022-04-21 07:04
湖面に映る、光の変化を楽しめました!素晴らしいショット。
戦争が起きている大陸なんですよね~
この太陽を世界中、みんなが見られるのに人それぞれですね~
Commented by tobelune at 2022-04-21 08:38
一枚目のうねりの写真、美しいですね!!
臨場感のあるレポート、一緒に船に乗っているような気がしました。夕景にうっとり。
ありがとうございます。
Commented by toshis_photoblog at 2022-04-21 08:54
トラジメーノ湖の夕暮れ、すばらしすぎです。
波のうねり、輝く夕日、最高ですね。
Commented by nonkonogoro at 2022-04-21 09:36
大きな波のうねり~
素晴らしい光景ですね。
北斎が絵にしそうな(笑)
Commented by django32002 at 2022-04-21 15:59
ナイスショットですね!!
素晴らしいです。
Commented by milletti_naoko at 2022-04-22 03:20
ririrouzuさん、日が沈む頃に船で島を離れると、夕景はいつもすばらしいのですが、この日は船が小さかったので、波と湖が目前にあり、迫力もあってさらに美しかったです。

皆が日の光の下穏やかに暮らせる、平和な世界になりますように。
Commented by milletti_naoko at 2022-04-22 03:23
とべるねさん、ありがとうございます。
船が小さいので、大きな波が目前にあり、夕景がいっそうすばらしく感嘆しました。こちらこそ、共感してくださったと知って、うれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2022-04-22 03:31
toshiさん、ありがとうございます。
この日の島行きは、出発前に見た恋するカンムリカイツブリのつがいから、島を発って船から眺める湖と島の夕景の美しさまで、感嘆することが多くて、写真を選びきれず、記事がいくつにもなっただけに、お言葉、とてもうれしいです♪
Commented by milletti_naoko at 2022-04-22 03:34
のんさん、ありがとうございます。船が小さいために、目の前に波があるので、迫力がありました。北斎ならどんな絵になるでしょうね、見てみたいです。
Commented by milletti_naoko at 2022-04-22 03:40
django32002さん、ありがとうございます。
目の前で変わっていく夕景が、どれも美しいので感嘆しました!
by milletti_naoko | 2022-04-20 23:49 | Umbria | Comments(10)