イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

母の日にがん研究にも貢献をとツツジの花を

 母の日に花を買って母さんのお墓に供えたいんだと

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いう夫の思いに、7日土曜の朝に、出かけた先で購入したのは、ツツジの花です。

 イタリアのがん研究のためのAIRC財団が、母の日に贈るツツジの花を、寄付を募って街角で販売していた、その花の中から、きれいなピンクの花を選びました。もう何十年も前にがんを患い、胃をすべて摘出した義母は、以後は胃がないながらも元気で過ごしていました。ところが、感染下で病院に行くのがはばかられる状況が長く続いたこともあり、がん再発の症状が出ていたのに、おそらくは、新型コロナウイルス感染を恐れる思いと、また、家族に心配や世話をかけたくないという思いから、何も言わずにいて、約1年前に再発が分かって治療を始めました。化学療法が功を奏したと医師から聞き、一時期はもう大丈夫だろうかと皆が安心したのですが、実はその後、肝臓など、他の部位などに転移してしまっていたことが発覚し、高齢でもあり、もう尽くす手がない状況になり、3月に病状が急変して、亡くなりました。

 わたしの母もまた、胃がんを患い、胃の3分の2を摘出したにも関わらず、転移が発覚し、わたしが大学4年生のとき、48歳で亡くなっていて、夫とはどこか不思議な縁があるように感じています。それはまた、夫の亡き伯父、義母の兄は、カトリック教会の神父で、一方、わたしの亡き母の弟である叔父が、神道の神主であるからでもあります。

 実は、今週火曜には、夫の家族がよく知る、特にかつてはとても親しくしていた家族の、やはり高齢のお母さんが亡くなり、木曜に葬儀があって、わたしも夫たちと共に参加しました。義母が亡くなった翌日、葬儀の前日にも、高齢の夫妻は二人で連れ立って我が家を訪ねてくれて、いっしょにロザリオの祈りも唱えてくれたのですが、そのときだんなさんが、「結婚して25年以上経っても、ぼくは、今もまだ出会ったときと同じように、妻に恋をしているんですよ」と言っていたほど、仲のよいご夫婦でした。あちこち具合が悪いのはだんなさんの方で、元気だと思っていた奥さんはところが、ちょうどだんなさんが出かけていたとき、台所で料理中に、心筋梗塞を起こして亡くなってしまったのです。

 義母が亡くなる1週間ほど前から、痛みが急に激しくなり、特に一晩は、この上なく苦しそうだったので、見かねて救急診療所の当直医にも来てもらいました。そういうこともあって、夫や義弟は、自分が死ぬときは、苦しむことなく、ぽっくり行けたらいいなあなどと、葬儀の後に言っていたのですが、木曜の葬儀では、元気だとばかり思っていたお母さんや奥さんが突然に亡くなって、悲嘆にくれる友人家族を見て、急に訪れて心の準備ができていない、そういうときの遺族の嘆きの深さを思いました。わたし自身、母が亡くなったときは大学4年生だったので、病院でしばしば母に付き添っていたものの、亡くなる1、2週間前になって、余命1、2か月だと父から聞くまで、まさか母ががんを患っているとは思いもせず、母の命が残りわずかと知っても、付属中学校の教育実習中であったため、病院に行くことさえ難しく、そのまま、教育実習の最中に母が亡くなってしまったので、わたしの中ではまったく心の準備ができておらず、突然に亡くしてしまったように思い、ただただ悲しくて、泣いていたのを、今もよく覚えています。

 義母に、そして母に、与えてくれた優しさと命に感謝しながらお礼を言い、少しでも何かささやかなわたしにできることをしていける、母の日は、そんなふうに過ごしていきたいと考えています。そして、母の日が過ぎても、そういう思いを忘れずに、生きていきたいと思います。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by はる at 2022-05-08 08:55 x
そちらも母の日なんですね。Happy Mother's Day!


48歳でおかあさまお亡くなりになったそうで。
私も48歳でがんと宣告されて2度ほど手術を
受けました。その後お仲間の大半はお空へ旅立って
しまいましたが、幸いにも私は元気です。
母の日はお互い亡き母親を忍んで、現在の生活を
感謝しましょ!

私は海外にいる息子家族からはユリの鉢植えを
プレゼントされて、毎年それを大切に
育てています。
Commented by nonkonogoro at 2022-05-09 08:47
ご主人様の親戚に神父さんがいらっしゃるのは
知っていましたが なおこさんの叔父さまが
神主さんだったとは~初めて知りました。
どちらも 人生と真摯に取り組んでいらっしゃる方達だと
思いますが そういう性質は なおこさんご夫妻にも
受け継がれているのでしょうね。

義姉は ガンで69歳で亡くなりましたが
本人も 私達もだいたいのことは わかっていましたので
覚悟はできていましたが
本人の気持ちを想像すると 今でも胸がつぶれそうな想いになります。
義母には 突然 伝えたので
あれもまた 可哀そうだったなあと思います。



Commented by katananke05 at 2022-05-09 11:15 x
母の日、、ついつい自分に子供がいて 自分が彼らの母であることのみ
感じていた わたしを 恥じました〜
わたしにも 母がいたのだから
私の亡くなった母にもしっかり思いを馳せて
感謝の日としなくては 行けなかったですよね〜
ちょっと 若い時は 私と張り合うところのあるような そんな母を 「こどもっぽいな」と
おもったこともあるけど
脳腫瘍手術後に あまり喋れなくなった母の とても純粋な目を
おもいだし わたしの優しさが
足らなかった、、といまさらに
後悔しています〜
なおこさん 思い出させてくれて
ありがとう〜
Commented at 2022-05-09 13:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2022-05-09 17:29
はるさん、そうなんです。イタリアでは父の日は日本と違って3月ですが、母の日は同じです。おめでとうございます。

はるさんはなんと48歳で宣告を受け、手術を乗り越えて、今元気に過ごされているんですね。本当に、今こうして元気でいられることのありがたさを思います。

鉢植えのユリとは、すてきな贈り物ですね。ご覧になるたび、息子さんご家族のお顔やお気持ちも、花の美しさと共に感じられることでしょう。
Commented by milletti_naoko at 2022-05-09 17:43
のんさん、そうなんです。遠く離れたイタリアと日本で、不思議な対称と縁を感じています。夫の亡き伯父が召命を受けたのに対し、わたしの叔父の方は、もちろんそういう宗教的意識や使命を感じていたこととは思うものの、祖父の仕事を受け継いだという面もありはするのですけれども。

国や家族、病院によって、それぞれ告知するかどうか、違ってくるのでしょうね。義母は最初に患って、余命がそれほどないと言われていたときも、自らもそれを知っていたそうで、今回もやはり病気を知っていて、家族と相談しながら、治療法などを自分で選択し、すでに亡くなった兄たちを身近に見て、看取ったこともあり、敬虔なカトリック教の信者であることもあって、穏やかに死と向き合うことができていたのではないかと思います。
Commented by milletti_naoko at 2022-05-09 17:54
katananke05さん、どういたしまして。
ご家族に祝われて、幸せに過ごされているお姿を、お母さまも、きっと何よりも喜ばれていることでしょうね。

わたしも、母が亡くなる前、秋に教育実習が始まるまでは、大学が夏休みで、弟も妹も小さかったこともあり、よく病院で母に付き添っていたのですが、母が治るものとばかり思っていたので、弱音を言っていないで早く元気になってくれなくてはと、厳しい態度も取ったことがあり、もっと母の心に寄り添って、話を聞いてあげらたらよかったのにという後悔が今もあります。
Commented by milletti_naoko at 2022-05-09 18:06
5月9日の鍵コメントの方

ありがとうございます。大切な人が突然いなくなってしまうのは、本当に辛いですよね。義父もまだやはりとても辛そうですし、わたし自身、まだ母のことを思うと涙が出ることも少なくないので、直接言葉では言わないものの、夫もきっと辛いことと思います。

温かいお言葉をありがとうございます♪
命や優しさを与えてくれたことに感謝しながら、今というときを大切に生きることで、少しでも報いることができるかなと、改めてそんなふうに感じています。
by milletti_naoko | 2022-05-08 07:26 | Feste & eventi | Trackback | Comments(8)