イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

自然の力満ちる夏至の日の夜に集いて

 6月19日日曜の夕方、夫とトラジメーノ湖(Lago Trasimeno)の南の岸にあるサンタルカンジェロ(Sant'Arcangelo)に夕日を見送りに行くと、

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Lago Trasimeno al tramonto, Magione (PG), Umbria 19/6/2022 20:44

沈む間際まで、太陽がまぶしく輝いていました。

 夕日の左手に見えるのは、西岸の丘に建つカスティッリョーネ・デル・ラーゴ(Castiglione del Lago)の町です。このサンタルカンジェロから見送る夕日は、今はこんなふうにカスティッリョーネの右手に沈んでいますが、夏至であった昨日から冬至までは、今後、沈む位置が少しずつ左へ、南の方へと移動していきます。

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Perugia, Umbria 21/6/2022

 昼が最も長く、自然の活力、生命力が頂点に達する夏至(solstizio d'estate)の日を皆で祝おうと、昨晩は夫が、いつも参加している会から招待されていて、夕食時、つまり直前になってから、わたしにもいっしょに行こうと言われて、とまどったのですが、せっかくだからと参加しました。

 ペルージャの町中を離れ、畑が広がる地域にある夫の友人の敷地で、大勢で輪になって並び、いっしょに踊り、やがて、その中央に、かがり火が焚かれました。

 水と同じで火にも浄化する力があるのです、あなたが燃やしてみたいものは何ですか、燃やして捨て去ってしまいましょうと、主催者である友人が言い、皆がそれぞれに心の中で、または木の枝を火に投げ込みながら、何かを断っていきました。

 それぞれが飲み物を片手に乾杯し、夏至を祝い、こうして集えること、命宿してここにあることに感謝し、そのあとは、決意を胸に火を飛び越える人がいたり、一風変わったさまざまな楽器を手に、音楽を奏でたり歌ったり、そうして夜が更けていきました。写真は撮らないようにと言う人が中にいたので、他の参加者の顔が写っていないこちらの写真だけを掲載しておきます。

自然の力満ちる夏至の日の夜に集いて_f0234936_21140380.jpg

 昨日は昼食後、夫がミジャーナに行くと言い出したので、どうしたのだろうと思っていたら、実っていた杏(albicocca)の実をたくさん収穫して戻り、この夜の集いに、皆で食べられるようにと、そのまま持っていきました。

 かつて苦労して植えた若木から、初めて収穫できた杏の実は、甘くておいしく、参加者の皆も喜んでくれました。

 うちに戻るのが真夜中と遅くなりましたが、また一ついい思い出ができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by harupita at 2022-06-22 22:22
こんばんは。

昼が最も長く、自然の活力、生命力が頂点に達する夏至(solstizio d'estate)の日を皆で祝う
↑イタリアではこういう風習があるのでしょうか?
火にも浄化作用あるのですね。
心のわだかまりを火で燃やせたら何か心身浄化される
気がしますね。
そう言う感覚忘れていますから、新鮮に感じます。
杏も綺麗で美味しそうですね。
皆さん喜んで下さって心に残る夏至の夜になりましたね。

イタリアのことはわからないのですが
ペルージャは、かなり前ですが中田英寿さんの
サッカーチーㇺとして記憶しています。
サッカーが好きなので当時はヒデファンだったんだと
思います。今もサッカーは好きですが以前のようではありません。少し脱線しました(*- -)(*_ _)ペコリ葉流
Commented by koito_hari616 at 2022-06-23 13:47
こんにちは

幻想的なお写真ばかりですね~♪
特に1枚目の夕日はオレンジ色と言いますか
乳白色のグラデーションが美しいです

火の中に私も入れたいものあり!!(笑)
画像を見ながら心で叫びましたよ。。

杏も自然の恵みは色が優しいですね♪
Commented by milletti_naoko at 2022-06-23 17:48
葉流さん、こんにちは。
自然の活力が頂点に達する日を祝う風習は、イタリア各地では洗礼者聖ジョヴァンニ(聖ヨハネ)を記念する日である6月24日の前夜に行われることが多く、かつての異教徒の祝いがそういう形でキリスト教になってからも受け継がれることになったのだと思います。日本のどんど焼きにも、穢れを清める、つまり浄化という意図があるように思います。

そうなんです。ペルージャというと中田選手ということで、2000年頃は日本人留学生が多かったと、ペルージャ中心街にある私立語学学校で話を聞いたことがあります。

中田選手はローマでも活躍したようで、日本語の授業中、「中」を覚えるのに苦労する生徒に「中田の中も漢字で同じように書くんですよ」と説明したら、ローマファンの彼が目を輝かせて、ホワイトボードに絵を描いてくれたりもしました。

・中は中田、墓ではなくて箱の中、イタリアで学ぶ日本語
 https://cuoreverde.exblog.jp/27759814/
Commented by meife-no-shiawase at 2022-06-23 17:58
夏至をお祝いするというのは今までに経験がありません。
水と同様に日にも浄化する力が・・・
なんとなくわかりますね。
子供の頃のキャンプファイヤーとか・・・篝火とか・・・
火も何かしら心に入ってくるものがあります。

燃やして捨て去る・・・
そういう考え方っていいですね。
嫌な気持ちとかそういうものは溜め込んでおかないほうがいいですもんね。
どんどん燃やしてすっきりとしていたいです♡
Commented by milletti_naoko at 2022-06-23 19:11
結うさん、こんにちは。ありがとうございます。このオレンジがかった乳白色は、雲とサハラ砂漠からの砂と夕日が、湖と奏でる協奏曲ではないかと思います。まぶしいばかりの太陽が柔らかに空と湖を染めながら沈む様子が、とてもきれいでした♪

わたしも、立って枝を取りには行かなかったのですが、心の中で炎の中に放り込みました。

実際に火をおこす必要はないのですが、目の前に燃える火があると、断とうという意識、断てるという気持ちを具現化しやすいように思います。

偶然か必然か、夕焼けと炎と杏の色がそろいました。店頭で見かける杏は、オレンジ色をしているので、きれいな赤に色づく杏が多いので驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2022-06-23 19:20
メイフェさん、イタリアではわたしも、かがり火というと、イタリアでは父の日でもある3月19日、キリストの養父である聖ヨセフ(聖ジュゼッペ)の記念日の前夜に焚くのをよく見たので、そちらの方が思い浮かびますが、考えてみると、3月19日もちょうど春分の頃ですよね。

イタリアでは各地でむしろ祝われるのは今夜、洗礼者聖ヨハネ(聖ジュゼッペ)の記念日である6月24日の前夜で、たとえばウンブリアでは花を浸した水を夜の間月の光に当てておいて、翌朝その水で顔を洗う慣習があり、ロマーニャの友人は、この夜に野の花や草を濡らす梅雨に体を濡らす風習があると言っていました。今朝ざっと調べていたら、スペインではかがり火を焚いて祝うところもあるそうです。

火で浄化と言えば、どんど祭りはもちろんですが、そう言えば、お寺で線香を立てたり、教会でロウソクに火をともしたりするのも、もともとはそういう意義があってだろうかと、ふと思いました。

断ち去りたいと思っていても、なかなか吹っ切れない思いや習慣など、火と共に燃やしてしまえると思うと、よりすっぱりと断ち切りやすいようにも思います。ゆらゆらと燃えて小さくなってゆく様子を想像すれば、なおさらのこと。
by milletti_naoko | 2022-06-22 21:18 | Umbria | Trackback | Comments(6)