イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリア人と既製ジェラート:調査結果と地獄・天国・煉獄ジェラート、ミケランジェロジェラート 〜 World Voice 連載

 去年の8月、ウンブリア州アメーリア(Amelia)の町を取り囲む城壁に沿って、トレッキングコースを歩いたときは、

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Amelia (TR), Umbria 27/8/2021

暑くもあり、歩き終わったあとに、中心街に入り、

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長い登り坂の途中で見つかった最初の店で、真っ赤なバラの花を思わせる、こちらの美しいセミフレッドを食べました。

 これはセミフレッドでしたが、初めての町でジェラートを食べようというときは、看板に「うちの店で作っています」、「職人の作ったジェラートです」と書かれている店の中から、ここがおいしそうだと思われる店を訪ねるようにしています。けれども時には、「職人が作った」と書かれていても、どうも工場で作られたような味がするジェラートだったり、よそってもらう量がひどく少なかったりして、残念だということがあります。

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https://www.ilgusto.it/

 そういう残念な経験をした人が、イタリアには他にも多いからでしょう。Doxaによって行われた今年の調査では、イタリア人の大半が、既製のジェラートを好み、しばしば買って食べていることが、明らかになりました。既製のジェラートを選ぶ際の理由としては、まず一番に、「量がいつも同じであること」(33%)、次いで、「いつも同じ味であること」(28%)、「品質管理がきちんと行われていて、衛生的で安全であること」(15%)、「食品表示ラベルに書かれた情報を読むことができること」(11%)が挙げられているとのことです。

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5/7/2022

 この今年5月に発表されたDoxaによるイタリア人と既製品のジェラートについての調査結果について、ニューズウィーク日本版の姉妹サイト、World Voiceに、「イタリア人と既製ジェラート:調査結果と地獄・天国・煉獄ジェラート、ミケランジェロジェラート」という題で、記事を書いています。よろしかったら、ぜひお読みください。

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https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2022/06/post-43.php

 寄稿記事中では、イタリア人が好む既製のジェラートの風味や、製造業者などについても、ご紹介しています。そして、このブログの記事ではすでに何度かご紹介したアルジダ社の神曲シリーズのジェラートやミケランジェロジェラートにも、言及しています。

 3枚目の写真に写るサンモンターナ社のジェラートは、夫が先日スーパーで買って帰ったキャラメル風味の棒アイスです。箱に入った四つのジェラートのうち、二つは夫が買って帰ってすぐに、二人で一つずつ食べたのですが、その後は、わたしは、悪玉コレステロールや体脂肪率を気にして、食べずにいました。そうなのですが、昨日、あまりの暑さに、手を伸ばし、ああおいしいと食べてしまいました。その前に撮ったのが、上の写真です。

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Isola di Capraia (LI), Toscana 6/6/2019

 イタリアで人気がある既製品のジェラートの製造業者には、大手としては、アルジダの他にも、モッタやサンモンターナがあり、Nuiiなど、ネスレの商品もありますし、チョコレートで知られるフェレロも、昨年既製品ジェラートの製造・販売を始めています。個人的には、アブルッツォ州の業者、Raffaele Magriniのジェラートが、おいしくて、おもしろい風味もあり、品質もよさそうで好きなのですが、売っているバールを見かけることが少ないので、残念です。

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Gelati del Raffaele Magrini, Santo Stefano di Sessanio (AQ), Abruzzo 5/8/2018

 モッタやマグリーニ、そして、ネスレグループのNuiiなど、アルジダやサンモンターナ以外のジェラートも何度も食べたことがあるので、写真を探したのですが、残念ながらなかなか見つかりません。すぐ溶けてしまうからと、そして、既製品である場合は、特に写真を撮る必要はないと感じて、撮影していないのかもしれませんが、また後から写真を見つけたら、記事に追加する予定でいます。

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Santo Stefano di Sessanio (AQ), Abruzzo

*追記(イタリア時間7月5日 18:27):アブルッツォ州グラン・サッソの村、サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ(Sanso Stefano di Sessanio)で食べたマグリーニのジェラートと、カプレーセ島でトレッキングをした後に食べたNuiiのジェラートの写真が見つかったので、追加しました。マグリーニのジェラートは、バールで、一人用のコーンアイスや棒アイスを食べたこともあるのですが、上の写真の店では、大きな容器に入った様々な風味のジェラートの中から、好きな風味を選んで、カップによそってもらって食べました。ジェラート冷蔵庫の下方に、青地で書かれたRaffaele Magriniという社名の冒頭部分が写っています。

 Nuiiのジェラートをわたしたちが初めて食べたのは、2019年6月に、カプライア島(Isola di Capraia)でトレッキングをし、昼食時に、あでやかな蝶がなかなかわたしのパニーノからなかなか離れなかった、そのトレッキングのすぐ後のことです。その記憶とカプライア島のブログ記事のおかげで、ジェラートの写真を見つけ出すことができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:5月9日はアイスクリームの日
Commented by cut-grass93 at 2022-07-06 08:51
素晴らしいです。
私の好きなイタリアの光景!!
最後の方の階段のある写真を絵に描きたいのですが
構わないでしょうか?
お願いします。
Commented by koito_hari616 at 2022-07-06 18:46
こんばんは

ジェラードでこれだけの記事が書けるなんて本当に凄いです!

イタリアの方々はパッケージ(既成と言う事でしょうか?)
好まれるのでしょうか??
イタリアと言えばパスタ!って、思っていましたが
今はnaokoさんのブログにてジェラード!!と、思えます
日本でも有ったらいいけど。。
ヘーゼルナッツは大好きですよ~♪
Commented by milletti_naoko at 2022-07-06 19:19
草刈り真っ青さん、ありがとうございます。
2016年のイタリア中部地震の爪痕が、このときもまだ大きく残っていた村です。描いて、もし公表される場合の話ですが、地域復興のためにも、地名とこの記事へのリンクを掲載してくださるのであれば、ぜひに。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-06 19:27
結うさん、こんにちは。職人さんが作ったおいしいジェラートもやはり人気で、町に行くと、今のように暑い時期は、ジェラート屋さんの前に列ができていたりします。いろいろ調べたのですが、職人さんのジェラートと既製品のジェラートのそれぞれの消費の割合や、既製品のジェラートを製造する業者のそれぞれの市場占有率が分からずじまいとなりました。

先日ご紹介したサンセポルクロのジェラート屋さんを始め、日本に作り方を教えに出かけているイタリアの職人さんがいる一方、日本からイタリアにジェラート作りを学びに来られる方もいるので、きっと今はおいしいジェラートが食べられる店、日本にも増えてきているのではないかと思います。ヘーゼルナッツ、おいしいですよね。ラッツィオ州のヴィテルボ県にはヘーゼルナッツ収穫のためのセイヨウハシバミの畑があちこちにあるのですが、最近はウンブリア州のトラジメーノ湖でも、フェレロの要請を受けて、セイヨウハシバミの栽培がかなりの規模で始まっていると、ニュースで聞いています。
Commented by ciao66 at 2022-07-06 19:54
バラの花を思わせる美しいジェラートですね!
セミフレッドというのは何だろう?と思ったのですが、
半分凍った状態なのですね!
そういうのはあまり食べた記憶がないのですが、
一度試してみたいと思いました。
やはりイタリアといえばジェラートですね!
とはいえ、美味しすぎて、
つい食べすぎにも注意でも有りますが・・・
Commented by cut-grass93 at 2022-07-06 20:02
再訪
絵を描くことをご快諾くださりありがとうございます。

2016年の地震のことは、別の村の内容で最近にテレビ放映があり、地震の爪痕として紹介されていました、
私はいつも絵画の風景の内容を描かせていただいております。
そのためには、ジェラートのことよりも大地震のこと、街の歴史などを、私がウイキで調べてもいいのですが、なおこさんから、かいつまんで教えていただけると嬉しいです。

いくつかの私の絵をご覧いただければお分かりになると思うのですが、ただ美しいからだけで絵を描くことは少ないのです。この写真に何か物語を感じる人物を描き加えたりいろいろ考えますので、それが私の能力で思いつかなければ、描けませんので、その際はごめんなさい。
描く高層化せ決まれば、この町についてお尋ねしますので、その時にお教えくださればうれしいです。

この写真の街角は地震の直接の被害はなかったのでしょうね。石組みがきれいに残っていますから。それとも修復後なのでしょうか。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-06 20:05
ciao66さん、凍った状態でガラス張りの冷凍庫に入っていたのを、出してもらってしばらくしたら、鮮やかな赤いバラのような表面がきれいに見えてきました。セミフレッドは、レストランなどのデザートとして食べることが多いのですが、ジェラートの違いはあまり考えたことがありませんでした。調べてくださったんですね! 

本当に、暑いとつい冷たくて甘いものに走りますので、要注意です。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-06 20:19
草刈り真っ青さん、2016年のイタリア中部地震は被害が4州にわたり、規模が大きく、間に感染拡大によるロックダウンも入ってしまったために、まだ復興が始まったばかり、あるいはこれからというところも少なくありません。地震についての記事は多数あり、ブログ表紙の下方にあるタグ一覧から「イタリア中部地震」をクリックしていただければ、かなりの記事があり、単に被災地を訪問した際の記事も少なくないものの、中には要点や状況をまとめて書いた記事もいくつかあり、それは題名から判断できるかと思います。

基本的には、旅行ガイドや地理の説明ではないので、わたしが見て、訪ねて感じたことを中心に、そのために必要とあれば若干の説明も加えて書いているブログです。実はこの村は、この時点ではまだあちこちに大きな被害が残っていましたが、ここにはその被害が見えない写真を載せています。訪ねたのが4年前で情報としても古く、今の段階では他に書こうと思っている記事がたくさんあるのに、書くのが追いつかない状況ではあるのですが、また機会があれば、この村についても記事を書いてみたいと考えています。
Commented by meife-no-shiawase at 2022-07-06 22:28
面白い調査結果ですね。
私の意識の中ではなにか反対でした。

でも確かに、いつも同じである・・・衛生的・・・
そのあたりは、なるほどって。
でも一番回答の多い「量がいつも同じであること」にはちょっとびっくりです。
お店で食べると量が少ないこともあるのでしょうか。
それは、損しんた気分になりますね。

Voiceの記事も拝見しました。
人気はチョコレート♪私も必ず選ぶ時にはチョコレートを選びます。
イタリアで本場のジェラート。食べてみたいです~。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-07 01:09
メイフェさん、わたしも、イタリアにはおいしい新鮮なジェラートもたくさんあるのにと、意外に思いました。ただ、感染下で消費が大いに増えたというのはやはり、わたしが見た範囲では書かれている記事は見つかりませんでしたが、個別にしっかり包装されていることもあり安全で、また、ジェラートはピザや寿司と違ってテイクアウェイや配達が難しいため、感染下で規制が厳しい間は、職人が作るジェラート屋自体が閉店であったことも大きいように思いました。バールで、本来はマスクをしなければいけない店員がマスクをせずにおしゃべりしながらコーヒーを入れているのを見たこともあり、ピザ職人が暑いからという理由もあってマスクせずにピザを焼くのは、夫が言うように窯の熱でウイルスが死滅するかもしれないのですが、ジェラートではそういうわけにもいかないでしょうし…… 

そうなんです。店によっては、びっくりするほど量が少ないことがありますし、わたしにはたくさんよそってくれたのに、夫のジェラートはひどく量が少なかったりということも、あったりするんです。

リンク先の記事も読んでくださったんですね。ありがとうございます。 そうなんですね! わたしは、チョコレートチップが入っていたり、チョコレートのコーティングに包まれていたりするのは好きなんですが、風味そのものがチョコレートというのは、なんとなく苦手意識を持っていて頼んだことがありません。バニラや生クリーム風味となら合うかもしれませんね。そう言えば、夫や友人たちが、店でいろんな風味を箱に詰めてもらうときは、チョコレート風味のアイスが入っていることもありますっけ。
Commented by katananke05 at 2022-07-07 21:15
なるほど お店で盛ってもらうジェラードには 量の違いもあるのですね〜
日本だときっと正確な 同じような量をよそう、、と 店員も訓練するかも、、 イタリアーノだと
いろいろあるというのも
想像できます〜(偏見かしら、、)
でも 本場モン 食べて見たい〜
わたしは チョコが多いのは
あまり好まないで せいぜいチョコチップいりか
ナッツ入りがすきですが
ラズベリーや ベリー入りもおいしそう〜
Commented by milletti_naoko at 2022-07-08 00:00
katananke05さん、店によっては驚くほど少ないことがたまにあるのですが、それは、イタリアのレストランだと、パスタや肉の量も店によってかなり違うので、そういうことかなあという気もします。同じ店で同じ人が盛るのに量に差があることは、意外とあるので、困るのですけれども。

いつかイタリアで、お好みの風味のおいしいジェラートを食べられる日が、早く来ますように。
by milletti_naoko | 2022-07-05 23:48 | Gastronomia | Comments(12)