イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20544534.jpg
 土曜日、久しぶりにオルヴィエート(Orvieto)の町を訪ねて、

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20300566.jpg
Orvieto (TR), Umbria 9/7/2022

崖の西面の上を通る眺めのいい道を歩くと、収穫を終えた畑の描き出す幾何学模様が、何とも言えずきれいで、味があります。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20382273.jpg

 凝灰石の断崖の上を南東へと進む道の右手では、菩提樹(tiglio)に緑の葉が茂っています。黄色く見えるのは花か、花が終わって育っている実でしょう。

 しばらく見ない間に、緑の衣をまとった菩提樹にも驚いたのですが、

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20405495.jpg

道の脇の石壁の上に、大きなネムノキがあり、

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20413613.jpg

青空の下、日の光を浴びて一斉に咲く花がきれいなので、感嘆しました。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20544534.jpg

 2月にはミモザの花が美しいこの場所に、ネムノキもあるとは思わなかったので、驚きました。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20475374.jpg
Nihori Ristorante giapponese, Orvieto (TR), Umbria

 この日は、1か月ぶりに、オルヴィエート郊外にあるいつもの日本料理店、Nihoriで、昼食を楽しみました。

 最近は猛暑の日が続いていたために、低地で暑いオルヴィエートは避けて、ラヴェルナなど、山に出かけていたのですが、雨が降って若干は気温が下がったこともあり、「久しぶりに寿司を食べにオルヴィエートに行く」と言ったら、「ぼくも行きたい」と夫が言ったのです。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20520625.jpg

 ピザもいいけれど、やはり寿司と刺身、特にこの新鮮でおいしい鮭の刺身のおいしさがもたらしてくれる幸せは、とびきりだなあと、食事を楽しみました。久しぶりだからと、てんぷらも頼みました。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20540378.jpg

 この日も、いつものように崖下周遊トレッキングコースを歩くつもりだったのですが、出発して歩き始めてから、うっかり日焼け止めを家に忘れてきたことに気づき、崖下へと下る前に、中心街の薬局で日焼け止めを買おうと、引き返しました。

 すると、車道の脇、歩道の端に猫がいて、様子を見ていると、車が来ているかどうか確認するために、右を見たり、左を見たりし始めました。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_20583432.jpg

 そうして、車が通り過ぎて、まだ他の車が来ないすきに、さっと車道を渡っていきました。

 町の猫は賢いなあと感心しました。運転する人も、どうかもっと道ゆく猫や動物に気をつけて、運転してほしいものだと思いながら、わたしは歩道を進んでいきました。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_21442876.jpg

 さて、上の猫が道路を渡る写真を撮影した時刻が、午後2時20分でした。イタリアの商店街では、昼休みがある店が多いとは言っても、薬局であれば、一つくらいは営業している店があるのではないかと、中心街の薬局いくつかの前まで行ってみたのですが、どれも皆閉まっていて、午後の営業は午後4時、あるいは4時過ぎとなっています。

 そこで、この土曜の日中は、北西からの激しい風が吹き、紫外線が強いという予報が出ていたため、崖下周遊トレッキングコースを歩くのはあきらめて、歴史的中心街の散歩を続けることに決めました。そうすれば、高い建物が日光からも北風からも守ってくれます。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_21492717.jpg

 日陰の多そうな道を選んで歩いていくと、藤の二度咲きの小さな花が咲いています。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_21511417.jpg

 テラスには、まだきれいに咲く紫陽花の花もあります。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_21515009.jpg

 日の光を浴びた鉢植えの花もきれいです。


 この日も最高気温は35度近くまで上がるという予報が出ていたように思うので、結果的には、崖下ではなく中心街を歩いてよかったと思います。

花盛りネムノキ 左右見て道渡る猫 オルヴィエート_f0234936_21580768.jpg

 ただ、登り下りのない道を歩き、しかも写真を撮ろう、薬局の営業時間を見ようとしばしば立ち止まったため、上のリンク先の記事のトレッキングでは合計53分だった有酸素運動が、この土曜の散歩ではなんとわずか10分となっています。ちなみに、上の地図中、黒い点線になっている部分は、本当は歩いたのに、夫と電話で連絡を取ったり、休んだりするために、スマートウォッチで、屋外ウォーキングを一時停止としたあと、再開するという指示を与えるのを忘れたまま、歩いてしまった部分ですから、実際に歩いた距離と時間は、上の記録よりも少し長いはずです。

 あまり歩いてもいないのに、ジェラートだけはしっかり食べたので、翌日、体脂肪率がしっかり上がり、骨格筋率は下がっていて、2日後の今もその前の状態まで戻せていないのですが、1か月ぶりのオルヴィエートで、おいし日本料理とジェラートを楽しめたのですから、それはそれでよかったということにしておきましょう。

*翌日の追記:今朝思い出したのですが、そう言えばこの日は、駐車場(人の絵を囲む緑の丸がある地点)に戻って車に乗り込んだときには、ウォーキング終了の指示を忘れていて、車でしばらく走り出してから、それに気づいてスマートウォッチを操作して終了とした(オレンジの旗マークがある地点)のでありました。この二つの地点間の距離と黒い点線で記された距離に大差がないので、やはりこの日歩いた距離は4km余りであったようです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

ブログテーマ:6月1日は写真の日
Commented by cut-grass93 at 2022-07-12 21:20
畑も古い建物もイタリアの景色ですね。美しい。

ただしミモザ、あれは花粉アレルギー症の敵なので
嫌ですね。
Commented by sunandshadows2020 at 2022-07-12 21:32
シンクロしました。
昨日ハイキングに出かける時、シニア村にも大木数本ネムの花が満開だったのを見て
5月ごろにも他の木は花をつけていたので、今頃咲くのかと意外に思ったのでした。
オルビエート郊外のお寿司屋さん、ハズレがなさそうな美味しさに見えます。
猫さんものんびり、しかし左右を見てから道路を渡ることなど賢い、こちらでは人間でさえそれをしない人がいるというのに。
Commented by harupita at 2022-07-13 08:36
おはようございます。

収穫を終えた畑の描き出す幾何学模様が美しいですね。
意図的に模様を描いているようで
一枚目のフォト素晴らしいです。
凝灰石の断崖・・怖いような断崖ですね。

合歓木。大好きで今シーズン、山里に大きな
合歓木があるので会いに行きましたが
タイミング合わず全く咲いていませんでした。

こんなに大きい合歓木初めてです。
青空に映えていますね。

お寿司、サーモン、美味しいそうですね。
そちらでも新鮮なお寿司が食べられて
天ぷらも。。ピザも良いけれど和食もいいですね。

歴史的街並み・・どこを切りとっても
絵になりますね。
屋外美術館のようです。

いつも運動をしっかりされて
自己管理もきちんとされていますね。
私は食べ物は気を付けていますが
運動が足りていない思います。

薬局もずっと開いているわけではないのですね。
Commented by ciao66 at 2022-07-13 10:50
左右見て道渡る猫!なんとも賢いですね~。感心しました。
これは横断歩道の渡り方のお手本のようです。
いいところを撮られましたね!
イタリアのネコは賢いのか!と思ったのですが、
調べたら、同じような猫が世界各地にいるようです。
私はまだ見たことが有りませんが・・・

お店の昼休みが長いのは、不便なようでは有りますが、お客さんはお店が開いているときに行けばいい訳で、働く方の休みも十分取れますので、考えてみれば合理的なのかもしれません。
人口が減りだす日本でもいずれこのようになるかも?
ちょっと長すぎるような気もしますが、そこはやはりイタリアだからでしょう。



Commented by nonkonogoro at 2022-07-13 13:21
ネムノキの花
青空に映えて 可愛く咲いてますね~(#^^#)

近ごろのネコは
信号がわかるとか 聞いたこともあります。
エライですね。
Commented by meife-no-shiawase at 2022-07-13 16:08
計算されたかのように美しい模様がついていますね。

それにしても断崖がすごすぎます。
ものすごく高い塀などで仕切っているわけではないので
ギリギリのところにいたらすごく怖いですね。
想像したら足が震えます。笑。
実際、直子さんがいらっしゃる所も、すごく高いですもんね・・・。

日本食はやっぱりホッとするところがありますね。
サーモンのお寿司は台湾でも人気がありますから
手軽に手に入ります。
お刺身とか食べられない国だったら、ちょっと辛いかもしれないですね。

大丈夫です。また運動して取り戻せば♪
Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:02
草刈真っ青さん、青空の下だとやはりなおさら、建造物や風景の美しさが映えるように思います。ありがとうございます。

ミモザにせよ、ポプラの綿毛にせよ、それが、花や綿毛自体はアレルギーを引き起こさないのですが、形状のために他の花粉などがたまりやすいので、近づくと花粉症の症状が起こってしまうそうなんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:07
お転婆シニアさん、そちらでも花盛りの大木が今あるのですね! イタリアとアメリカでほぼ同じ時期に咲くというのがおもしろいですね。南北や標高、日当たり具合もあって、実際には同じ国でも、街でさえ場所にはよるのでしょうけれども。

頼むものによっては何ちゃって料理なのですが、お寿司と刺身ははずれなくおいしいです。あ、夫が頼んだレインボー寿司は、今回は、中に巻き込んであるエビの天ぷらが冷たいと言っていたのですけれども。日によっては、ミニ巻き寿司の中身も、こんなふうにアボカドだったりカニカマだったりするのですが、これだけ鮭が食べられれば満足です。

猫が車にはねられてというのは残念ながらたまに見かけるのですが、猫よりむしろ車の責任であることが多いように思いますし、うちの猫は、車が来てもぼんやりしているので心配になることがあります。この猫、えらいなあ、賢いなあと感心しました。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:25
葉流さん、こんにちは。一目みたとたん、なんてきれいなんだろうと感嘆しました。長くなりすぎるので、記事の題名では言及しなかったのですが、共感してくださったと知って、うれしいです♪ 隣の畑との境界にある道がくねくね道で、その道と並行に作物を植えたので(小麦だったのではないかと思うのですが)、収穫したら、こういう跡が残ったのではないかと思うのですが、本当に意図的に描き出したようにきれいで、凝灰石の断崖や町並み、周囲の緑と妙に調和していて、いいなあと思いました。他の民族や敵からの攻撃を恐れて、山や丘の上に築いた町というのが、ウンブリア州にもイタリアにも多いのですが、この断崖は特にこの位置から見ると、本当に切り立っていますよね。

ネムノキ、ちょうどその季節に行かないと花の時期を逃してしまうのが残念ですよね。花がきれいに咲いているところを初めて見て、なんてみごとな木だろうと驚きました。

経営者は中国の方で、焼きそばはなんちゃってなのですが夫の好物で、お寿司と刺身がとにかくおいしく、しかも昼食メニューは安くてお得で、ありがたいです。ピザもおいしいのですが、やっぱり和食がいいなあと、しみじみ思いながら食べました。

撮影した中から、花と特に美しいなあと思える写真を選んで載せたのですが、凝灰石の石を積み上げて築かれた中世の町並み、いつ歩いても風情があっていいなあと思います。

ありがとうございます。最近は暑さのために、歩いてもだらだら歩くので、それが数値にも出てきているなと、今朝は気合を入れて、時々走りながら歩きました。

そうなんです。イタリアでは昼休みのある店が多いのですが、働く人に優しい営業時間で、それも大切だと思います。



Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:39
ciao66さん、そうなんです。道路を見やっているので、心配しながら見ていたら、左右をじっくり見て、車が来ないのを、通り過ぎたのを確認してから、さっと渡っていました。うちの猫などは、駐車場で車が動いていてものんびりしているので、見習って、安全に行動してほしいものです。

わたしも、昼休みがあること、店の人がしっかり休めることは大切だと、つくづく思います。たとえば電話連絡したりしても、水道業者など、急を要するのにつながらないことがあると困るのですが、休みは互いに尊重すること、欠かせないように思います。日中電話してもさっぱり返事がなく、かけ直しても来ないような業者は、さすがに義父も別の業者に乗りかえたのですけれども。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:46
のんさん、逆光になるので、一番きれいに撮れそうな場所には行かなかったのですが、花盛りのネムノキ、とてもきれいでした♪

猫も生き延びるために、学習していくんですね。なんと信号が分かる猫もいるとは!
Commented by milletti_naoko at 2022-07-13 20:53
メイフェさん、隣の畑との境界、道と並行になるように作物を植えて収穫をしたためだと思うのですが、一目見てきれいだなあと感動しました!

そうなんです。場所によってはかなり切り立っています。でも、高所恐怖症のわたしが、ほとんど恐ろしさを感じずに歩けるような道ではあるんですよ。崖の面がまっすぐではなく、うちに入ったり飛び出していたりするところがあるので、その少し外に出たところから撮影しています。

以前はローマまで出かけないと、おいしい刺身や寿司は食べられなかったので、車で1時間余りで行けて、しかも夫もおいしく食べられる料理があるこの日本料理店の存在が本当にありがたいです♪

ありがとうございます。取り戻せるよう、頑張って運動を続けます!
Commented by koito_hari616 at 2022-07-14 15:55
こんにちは

やはりシエスタ(イタリア語では何と呼ぶのでしょうか?)
あるのですね♪
身体の為にはお昼寝タイムは必要なのかも
都会の猫ちゃんは刺激が多くて脳が大きいのかも( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

ネムノキも大きくてイタリアらしく大らかですね
Commented by milletti_naoko at 2022-07-15 00:56
結うさん、こんにちは。

シエスタはイタリア語にも、スペイン語からの外来語としてそのままsiestaという形で入ってきているようです。

この昼休みの時間は、昼寝をするためというよりは、働く人が家に帰ったり、店で調達したりして、食事を取って休んだり、午後からの店の準備をしたりするための時間ではないかなと思います。

この高い塀の上には、2月にはミモザも大きな枝いっぱいに咲いて美しいので、ひょっとしたら、塀の近くは日が当たらないために、塀の上まで木が高く枝を伸ばして、そのために木が大きく育っているのだろうかと、ふと思いました。ダーウィンの進化論で、高いところにある葉を食べようとして、キリンが首を伸ばすうちに、その首が長くなったように……
by milletti_naoko | 2022-07-12 20:59 | Umbria | Comments(14)