イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

きらめいて沈む日に赤く染まる空とトラジメーノ湖

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 7月6日の夕方、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)ほとりのレストランで食事を終えてから、沈む夕日を見ようと、岸辺に歩いていったときは、夫と夕景を見守るうちに、

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Lago Trasimeno al tramonto, Magione (PG), Umbria 6/7/2022

地平線にさらに近づいた夕日に、空も湖もオレンジ色を帯びていきました。

 長く水遊びを楽しんでいたサップボードの二人も、やがては岸に上がり、

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夕色に彩られた空と湖だけが残りました。

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 湖の水位があまりにも低くなってしまったために、岸辺近くの湖面を水藻が覆い、いくつもの川が流れる世界地図のようです。

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 かつては桟橋の橋桁のほとんどが、湖の中にあったのに、今では湖がひどく浅くなり、面積も小さくなってしまっています。奥の方に見える、夕日の光にオレンジがかって見えるポロシャツを着ているのが夫なのですが、冒頭の写真を撮り始めた頃からは、夫も桟橋の端近くにいるわたしのそばで、夕景を見つめたり、写真を撮影したりしていました。

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 雲や砂の層に隠れ気味だった夕日が、地平線に近づいていくにつれて、その丸い輪郭が見え始めます。

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 遠くの丘の向こうへと沈んでいく夕日に、空も湖も赤みを帯びていきます。

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 さざ波の夕日に照らされる側は赤くなり、反対側は、たそがれ始めた空の青い色を映しています。

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 燃え尽きようとする炎のように、夕日の上空で、金色の光が左右に揺れています。

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 こうして夕日は、地平線の向こうへと姿を消していきました。

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 その瞬間を待ちあぐねていたかのように、わたしたちのかなり右手の岸辺にいたマガモたちが、こちらへと泳いできて、

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前方をさらに左へと通り過ぎていきました。

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 桟橋の先端から、左を見やると、ポルヴェーセ島を囲む雲も空も湖も、桜色を帯びていて、上空に小さく、白い月が見えます。

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 9時前に、名残を惜しみながら、残照の残るトラジメーノ湖を後にしました。

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 店はまだ大勢の人でにぎわっています。

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 日が沈んでから、2、30分後になって、灰色になりかけていた上空の雲が、すでに沈んだ夕日の光に照らされて、ピンク色になることが、時々あります。

 上空に雲があっても、地平線近くには晴れ間がある、そういうときによくあることなのですが、この日も、白い月の周りに浮かぶ雲が、少しずつ桃色を帯びていっていて、きれいでした。

関連記事へのリンク
- 金色に輝く夕日と湖とピザとサップボード (2022/7/6)
↑ 今日の記事は、この記事の夕景の続きです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:【ギフト券プレゼント】夏の1枚コンテスト 2022
Commented by cut-grass93 at 2022-07-22 07:47
いつもご夫婦お揃いでの暖かいブログに癒されます。
Commented by ciao66 at 2022-07-22 08:44
夕焼けの中にアラジンの魔法のランプのような雲がずっと残っていて、最後にスッと消えるところまで見せてくれるとは面白いです。
干潟の世界地図?も上空から見たミニワールドのようですし、あれこれと想像を膨らませてくれる夕焼けでしたね!
Commented by milletti_naoko at 2022-07-22 17:28
草刈真っ青さん、ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-22 17:31
ciao66さん、雲の形と、夕日に向かってせり出すような様子、その雲が夕日に染まる様子が、いいなあと思いました♪

水藻が浮かぶ湖面の様子についても、共感してくださったと知って、うれしいです。
Commented by meife-no-shiawase at 2022-07-22 19:43
湖の色がだんだんと変わっていく様子。
色が本当に変化が色々で、自然の色はいったい何色あるのだろうって思います。

何色と表現されるのか・・・
なおこさんがいつも、色を書いていらっしゃるのを
写真を合わせて拝見するのも楽しいです。
今日、金色、ピンク、灰色以外に
桜色とあって、なるほど、と思いました。
ピンクとはまた違った、まさに「桜色」ですね。

海で拾った桜貝の色もこんなちょっと優しい光ったような
ピンクだったのを思い出しました。
桜貝って桜色をしているから桜貝なんでしょうか?笑。

私も湖の色に癒やされます♪
Commented by milletti_naoko at 2022-07-22 20:41
メイフェさん、同じ赤やオレンジやピンクでも、本当に何通りも違いがあり、それぞれに美しいなあと、夕景を見るたびに感嘆します。

空の色が時が経つにつれて移り変わると共に、カメラでどの色や場所に焦点を当てて、どこを切り取るかでも、色や明るさが変わってくるのですが、できるだけ目に見えていたと覚えている色に近い写真を選び、そういう色に近づくように手を加えて明るさを修正したりもしています。

ありがとうございます。おそらくは、古文を長い間教えて、そうすると何度も読むほか、目で読むだけではなく音読というか範読をする機会も多かった上に、中学校の頃から親しんで夢中になった小倉百人一首がきっかけで古典の世界に魅かれたのですが、それで社会人になってから競技がるたに親しんだこともあり、ピンクは大好きな色ではあるのですが、カタカナの外来語を使うことや繰り返すこと、文中に不必要にその割合が多いことに、自分で書いていて違和感があって、できるだけ大和言葉、それが無理でも漢語で書こうとすることと、同じ言葉をあまり繰り返さないようにしようという姿勢が(これはイタリア語の書き言葉で顕著なのですけれども)あるために、桜色という和語の響きが心地いいことも加わって、桜色と書いているのだと思います。

わたしは学校に教えに行くときや結婚式などの改まった場面はともかくとして、服装も化粧もかなり大ざっぱなのですが、書くときには、自分で書きながら、ああこれではリズムがよくない、このカタカナ語は使いたくないと、あれこれ気になるのは、ある意味、職業病かなあという気もします。高校で国語を教えると、学校が発行するPTA会報や学校新聞や研究紀要の編集に携わる機会も多く、生徒が書いた文章はもちろん、他の先生が書いたレポートなども読んで手を加えなければいけないことが少なくなかったものですから……

桜貝、本当にきれいな優しい色をしていますよね。ピンクが好きなので、気づいたらスマートフォンのカバーケースも、最近新しく買った靴も、ピンクのものが多いです。

ありがとうございます。共感してくださったと知って、うれしいです♪
Commented by sunandshadows2020 at 2022-07-22 22:57
いつ拝見してもなおこさんのトラジメーノ湖の夕焼けが一番美しいと思います。
季節によって違う表情の夕焼けも良いなと思いますね。
夕焼け、実は我が家の書斎からも見えるのです、狭い空間からですが。
それなりに美しいなと思いながら、それでもトラジメーノ湖には敵わないからと写真も撮りませんが。
いつもご主人と仲睦まじく夕焼けを眺める平和、何時迄も続きますように!
Commented by milletti_naoko at 2022-07-24 15:11
ありがとうございます。季節によって、日によって違う夕焼けが、どれもそれぞれにきれいで風情があって、いいなあとわたしも思います♪

本当に、お互い二人で持てる大切な時間を長く持ち続けることができますように。
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by milletti_naoko | 2022-07-21 23:40 | Umbria | Comments(8)