イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

8月も雪積もるモンブランで雪合戦 幻のシャクヤクが植物園に

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 ヴァッレ・ダオスタ州を友人たちと旅して、もっぱら登山を楽しんでいた2016年8月、ロープウェイでモンブラン(Monte Bianco、4810m)を、標高3446mの高みまで登りました。

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Nella vicinanza del Rifugio Torino (3,335m) 16/8/2016

 アルプスの山あいの町や歩いて登った山さえ暑い夏の日でしたが、標高3335mの山小屋から外に出ると、一面の雪が積もり、たくさん着込んでいてさえ寒いほどで、夫は友人と雪合戦を楽しんでいました。

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 ひどく暑い日が続くので、涼しい写真をと、このときの夏の雪景色をご紹介しようと、写真を見ていたら、

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Giardino Botanico Alpino Saussurea, Pavillon du Mont Fréty (2173m)

このとき訪ねた高山植物園で撮影した写真の中に、南ヨーロッパの山に自生するシャクヤク、ペオニア・オフィシナリス(学名 Paeonia officinalis、イタリア語名 peonia selvatica)の写真があったので、驚きました。

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 今年6月にシビッリーニ山脈では、すでに花の季節が過ぎていたので、残念に思ったその花が、標高2173mの高みでは、8月半ばにも咲いていたのです。そうして、その花をわたしも見たことがあったのです。

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 この高山植物園は、ロープウェイの乗り換え中継地点にあったので、ロープウェイが通っていくのを見ることもできました。

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 この日、わたしたちが乗ったロープウェイは、このSkyway Monte Biancoです。

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 ロープウェイ、スカイウェイ・モンテ・ビアンコの乗り場は、クールマイユール(Courmayeur、1300m)にあり、途中、パヴィヨン(Pavillon、2173m)で乗り換えて、エルブロンネル展望台(Punta Helbronner、3446m)まで登っていきます。

 わたしたちが乗った6年前は、切符売り場で購入したら、大人料金が往復48ユーロだったのですが、現在は、オンラインで購入すれば55ユーロ、切符売り場で買えば59ユーロと値上がりしています。(詳細はこちら

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 このクールマイユール駅(stazione di Courmayeur、1300m)で、長い列に並んで切符を購入し、ロープウェイに乗りました。駐車場前には順番を待つ車の長い列、駅の切符売り場の前にもやはり長い列があったので、男性陣は車に乗って駐車場への列に並び、わたしたち女性陣は、切符売り場に並んで切符を購入したように覚えています。

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 登りは、中継地点では乗り換えただけで、そのままさらに高みへと登っていきました。ロープウェイが360度回転しながら登っていくので、これまで登ってきた方向も、そして、前方に切り立つ岩壁や雪を頂く高峰も見ることができて、眺めがすばらしいです。

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 エルブロンネル展望台(Punta Helbronner、3446m)がある駅に到着すると、駅の下方に、トリノ小屋(Rifugio Torino、3335m)が見えます。わたしたちも、駅からエレベータで下り、長いトンネルを通って、このトリノ小屋に行って、食事をしました。

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 けれども、駅に着いてすぐに、まず直行したのは、エルブロンネル展望台です。四方の見晴らしがすばらしく、モンブラン(Monte Bianco、4810m)の頂上の前で、皆で記念撮影をしました。

 山頂はしばしば雲に隠れたのですが、このときは少しだけ白い山頂が見えていました。夫のフリースジャケットの胸にあるピンクの三角形の上の方に、雪に覆われたモンブランの山頂が写っています。

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Vetta del Monte Bianco (4810m)

 ちょうどこの前日に、山を登って、モンブランの山頂が間近に見えるはずの場所まで歩いたのに、山頂が雲に隠れて見えなかったので、この日こうして見ることができて、うれしかったです。

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 エルボンネル展望台からはまた、ロープウェイの駅とその左手にあるトリノ小屋はもちろん、前方の渓谷や雪を頂くアルプスの山並みも、見ることができました。

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 昼食には、ポレンタを添えた肉料理を食べました。

 冒頭2枚の写真は、トリノ小屋での昼食のあと、雪の山をしばらく歩いたときに撮影した写真です。上から2枚目の写真で、前方に見える建物はトリノ小屋で、このときわたしたちは、短い散歩と雪合戦を終えて、まずは小屋へ、それから駅へと戻っているところでした。

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 そうして、駅で順番を待って、ロープウェイに乗り込み、360度の風景を楽しみながら中継地点、パヴィヨン(Pavillon)に戻り、帰り道には駅の周囲を歩き、近くにあった高山植物園で、シャクナゲやエーデルワイスなど、アルプスに咲く花を見ながら、散歩しました。それから、ロープウェイでクールマイユールまで戻り、モンブランでの冒険が終わりました。アルプスの緑の山で、花や風景を楽しみながら歩きたいと考えたわたしは、ロープウェイでのモンブラン行きには反対だったのですが、提案してくれた友人のおかげで、いい思い出がまた一つできました。

 旅行が数日にわたると、旅行中も帰ってからも慌ただしいので、まとまった旅行の記録を書く余裕がなく、このモンブラン訪問も、時々言及はしていたものの、きちんとご紹介できずにいました。今回の記事も、忘れかけていることも少なくない中、旅行中に撮った写真を見て、こちらの記事やロープウェイ、Skyway Monte Biancoのサイトを参照にしながら、思い出して、ようやく書くことができました。このときは、たとえば植物園などでも、他にもたくさん写真を撮っているので、また機会をとらえて、ご紹介できればと考えています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:6月1日は写真の日
Commented by cut-grass93 at 2022-07-24 08:47
素晴らしい眺望でうらやましい。
空気もおいしかったことでしょう。
ゴンドラが360度回転しながら登っていくというのは、いい仕掛けですね。
Commented by katananke05 at 2022-07-24 09:56 x
この酷暑の日本で今 雪の風景
すずしく 一陣の風をかんじましたよ〜
マッターホルンは見に行ったことありますが モンブランも
見に行きたい〜
ゴンドラが 回転すると言うのが
おもしろいし 良いアイディアですね〜
Commented by milletti_naoko at 2022-07-24 15:51
草刈真っ青さん、雲はありましたが、眺めのすばらしさに感嘆しました!

回転するおかげで、下方の町も、眼前に迫る山肌や雪も見ることができて、よかったです。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-24 15:59
katananke05さん、お盆前後のさすがにアルプスの山でさえ暑いというとき、ここはさすがに涼しかったです。天気予報で6度とか7度という予報だったので、ありたけ着込んで向かいました。

皆さんのコメントで、ロープウェイの吊り下げられた部分をゴンドラというのだと知って驚きました。イタリア語のgondolaには、伊伊辞典を見てもそういう用法がないので、調べたら、英語でそういう使い方をするのが、日本にも外来語として入ったようですね。

360度景観を楽しみながら登ることができて、よかったです♪
Commented by harupita at 2022-07-24 19:52
こんばんは。

ひとつ前の記事になりますがアシックスのウォーキングシューズ・・ピンクで可愛らしいですね。

アシックスのウォーキングシューズは私も愛用しています。

私はすごく気に入ったので色違いで同じものを二足
揃えています。

普通にカメラ散歩に使うので
履き心地、お値段、自分の足の幅にピッタリで
アシックスのウォーキングシューズお気に入りです。

8月も雪積もるモンブランで雪合戦 ・・この暑い夏に
素敵な画像ありがとうございます。


南ヨーロッパの山に自生するシャクヤク、ペオニア・オフィシナリス
山々を背景に美しいですね。

6年前からロープウェイのチケット値上がりですね。
なんでも今は値上がりしますね。
360回転、日本ではそこまでのサービスは無い気がします。雄大な景色360度見られますね。

旅行の記憶

やはり写真と文章で残したら
より鮮明になりますね。

Commented by yuta at 2022-07-24 21:21 x
こちらは毎日猛書で、外に出るとめまいがしそうです。
雪の写真は涼しげで、雪合戦見たらなにか子供の頃を思い出しました。
Commented by katananke05 at 2022-07-24 22:03 x
わたしも なおこさんの抱かれた疑問で  この乗り物はロープウェイか ゴンドラかと改めて調べて見ました、、ついたところで
くる離島回って2本のロープで動いているようなので これは
ロープウェイと言うべきかなと、、
ゴンドラは1本のロープのようなので、、
私の前からあった疑問も
溶けたような、、
Commented by PochiPochi-2-s at 2022-07-24 22:19
モンブランをスイス側から眺めたことはありますが
イタリアからはありませんでした。最近はBSで時々見ること
がありますが。
ゴンドラやロープウェイで2500m近くまで一気に登るのは本当に
気持ちがいいものですね。ツェルマットで連日登山電車、
ロープウェイ、ゴンドラなどで結構高いところまで登り、麓まで
歩いておりたのを思い出していました。
どうぞ → https://lmhar.exblog.jp/24615195/
naokoさんは飯山仲間がいていいですね。
ちょっと羨ましいです。

暑い日本で涼しい雪景色を見ることができありがとうございました。
Commented by sunandshadows2020 at 2022-07-24 23:57
えっ、雪、そこは何処?
が最初の画像の反応でした。
成る程、熱波中なので涼を誘う写真が効きます。
暑くないこちらですので、寒く感じます^ ^

素晴らしい景色ですね!
その近くまで行ったのに、そこまで美しい景色は見られませんでした。
Commented by ciao66 at 2022-07-25 13:15
暑い時には涼しい夏山の写真がいいですね!
雪がいっぱいで、そこから涼しい風が吹いてきたようでした。
ロープウェイが360度回転しながら登っていく、というのは見たことのない仕組みです。
どの席を選んでも同じようにちゃんと見える、(お天気さえよければですが)というのがいいですね。

珍しい高山植物にも出会えて良かったですね。
山に行きたくなってきました!
Commented by milletti_naoko at 2022-07-26 05:09
なんと葉流さんも、アシックスの靴を愛用されているんですね。

記事を書いてみるものですね。うれしいです♪ 足に合って懐にも優しい靴って、うれしいですよね。わたしも、気に入るといくつも買って夫にあきれられることもあるのですが、これはそろそろ買わないとというときになるまで買わずにいるので、そういうことになるんです。

ありがとうございます。あまりにも暑いので、せめて視覚と心の中だけでも、涼を感じられたらと思って、しかも夏でもありましたので、書いてみました。

植物園ではありますが、アルプスの高みに咲く花、いいですよね。

今日もスーパーで食料品を買ったのですが、値上がりに慣れつつあるほどです。

360度見どころがある、アルプスの最高峰とその周囲の風景だからこそかという気もします。登っていくとはるか遠くにもやはりアルプスの山並みが見えて感動しました。

旅行が長くなるとどうしても、旅先から少し書いて、帰ってから少し、時々思い出して少し言及することになるのですが、やはり書いておくと、自分の中でもきちんと記憶の整理ができるなあと感じました。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-28 19:04
yutaさん、日本でもまだ猛暑が続いているんですね。こちらもで、せめては雪山の写真を引っ張り出してみました。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-28 19:12
katananke05さん、コメントのお返事ができる時間がないときは、特に、古い記事に返事をくださる方もいらっしゃる場合は、コメントのお返事をする直前に承認するようにしています。でないと、コメントのお返事をしそびれてしまうことがあるものですから。お返事が遅くなり、反映されていないのではないかという心配までされることになって、すみません。

わたしも写真を見ながら、せめて視覚と思い出の中で涼を楽しみました。

わたしも調べてみたのですが、どうやら、乗り物、交通機関としての名称はロープウェイなのですが、そこに吊り下げられている客室を、ゴンドラと呼ぶようです。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-28 19:19
イタリアとフランスの国境近くには、標高が2千メートルを超えるアルプスを走る道路があり、夏も涼しく、花が咲いて、風景が美しいでのですが、ロープウェイで3446mの高さまで一気に登り、眺められた景色、すばらしかったです。

こちらこそ、コメントをありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-28 19:24
お転婆シニアさん、イタリアアルプスの山中でさえ、さすがに暑い8月半ばに、あっという間に涼しい、というより、寒いほどの雪景色が前に広がり、眺めも楽しめて、いい体験になりました。
Commented by milletti_naoko at 2022-07-28 19:30
ciao66さん、せめては視覚からだけでも涼を自分でも取り、皆さんも感じてくださったらと思いまして。夏の盛りに雪というのが、またおもしろいなあと思います。

そうなんです。回転しないと、どこに陣取るかによって、見える風景に差が出てきますが、こんなふうに下方もそして前方も、周囲の渓谷や山々もと、360度の眺めが楽しめるのは、すばらしいなあと思いました。

機会があればぜひ、今は日本でも高い山は花が美しい季節だと思います。
by milletti_naoko | 2022-07-23 23:59 | Valle d'Aosta | Comments(16)