イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ラクイラどきどき地下道歩き

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 わたしたちが、ラクイラ(L'Aquila)の中心街を訪ねるときは、たいていの場合、サンタ・マリーア・ディ・コッレマッジョ大聖堂(Basilica di Santa Maria di Collemaggio)近くの駐車場、

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Basilica di Santa Maria di Collemaggio, L'Aquila, Abruzzo 8/8/2022

あるいは、日曜の朝に訪ねたマンモス展の会場となったスペイン要塞(Forte Spagnolo)の近くの路上に車を駐車して、

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7/8/2022

中心街へと歩いていきます。

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https://www.quilaquila.it/wp-content/uploads/2019/12/WM-mappa-centro.jpg

 今回はラクイラ滞在中に、宿でもらった町の地図を見て、コッレマッジョ大聖堂近くのバスターミナルから、町の中心広場に行く地下道があることを発見しました。しかも今よく地図を見ると、このバスターミナル前の駐車場は無料(gratuito)とのことです。青地に白でPと書かれた駐車場マークの下にはさらに、このバスターミナル前の駐車場からは、20分ごとに中心街行きの無料のシャトルバスが出発するとも書かれています。ちなみに、シャトルバスが利用できるのは、午前8時から午後1時20分まで、そして、午後3時から午後8時20分までとのことです。わたしが宿でもらった地図は、裏側に、シャトルバスの時刻表を知るためのQRコードも印刷されているのですが、そのことに気づいたのは、今、記事を書くために調べていてのことです。

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8/8/2022

 今回の旅では、ラクイラの中心街を、わたしたちはすでに土日、8月6日の夕方と7日の晩に歩いて訪ねていたのですが、ペルージャへのうちへと出発した8月8日の朝にも、おみやげを購入するために、中心広場近くの店に行く必要がありました。買おうと考えていたお菓子は、猛暑で溶ける恐れがあり、また、どこで買うのがいいかを宿の主人に聞いて確認しようと思っていたため、それまでは買わずにいたのです。

 8日月曜日の朝は、コッレマッジョ大聖堂近くの駐車場に車を置いて、まずは大聖堂を訪ねました。それから、中心街へと歩いていたら、遠くにグラン・サッソ(Gran Sasso)の青い山並みが見えました。そうして、ちょうどこのとき下方に、中心街への地下道の入り口と無料シャトルバスの出発地であるバスターミナルと駐車場も、見えていました。

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 それから、緑の木が影を落とす公園を通り、店が立ち並ぶ目抜き通りを通って、中心広場のすぐ近くにある店に行き、おみやげを購入しました。

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 店を出ると夫が、せっかくだから、地下道を通って大聖堂まで戻ろうと言います。夫がそう考えたのは、その方が一直線に行けるので近道に思えたからなのですが、すでにかなり暑かったので、地下道は涼しいだろうと思い、わたしも賛成しました。

 町の人に入り口を聞いて、階段を降りていったものの、「今は機能していないかもしれませんよ。」と聞いたので、少し不安になりました。けれども、通行止めという案内表示は、どこにも見当たりません。

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 最初のうちはかなり長い間、歩くのがわたしたち二人だけでした。しかも、入り口近くには、ゴミがあちこちに落ちていたので、治安の面でも心配になり、出口が閉まっていたらどうしようと思いました。

 いくつもあるエスカレーターは、すべて止まっていたのですが、ゆるやかな長い下り道だったので、そのままどんどん歩いていきます。途中からはゴミもなく、時々両側の壁に、アブルッツォやグラン・サッソの風景や行事の紹介があって、興味深いです。

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 かなり歩いたところで、ようやく向こうから来る人に出会い、結局この日、地下道でわたしたちが出会ったのはこの人だけだったのですが、尋ねてみて、出口が開いていることが分かり、ほっとしました。

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 夫が言うように、地下道では、緑の公園や花は見られないのですが、地上の道は少し前に歩いたばかりですし、エスカレーターが機能していなくても、地下道は涼しく、歩きやすかったです。

 わたしたちが旅の2日目に泊まった山の村、カステル・デル・モンテの写真も、壁に飾られていました。

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 ようやく出口が見えてきました。出口の向こうには、バスターミナルの建物があり、夫はもう、その建物に入っていこうとしていました。写真の撮影時刻を見ると、上の入り口の写真からこのすぐ上の写真の撮影までに、8分が経過しています。

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 ここで後ろをふり返ると、バスターミナルから中心街へと向かっていく際には、地下道の入り口となるエスカレーターが見えました。

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 地下トンネルには、この絵も掲示されています。日中は中心街にも車で入れるようになっているため、中心街を走る車をできるだけ減らそうと、環境のことも考えて、この地下道が作られたようです。

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 バスターミナルから駐車場へと出ると、教皇チェレスティーノ5世、聖ケレティヌス5世の巡礼路の道しるべがあります。

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さらに進むと、コッレマッジョ大聖堂へと登っていく道があり、こうして無事、大聖堂のそばを通り、駐車場に戻ることができました。

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 地下トンネルに人がひどく少なかったのは、エスカレーターが機能していない上に、大勢が旅行に出かけてしまう時期の、月曜の朝11時過ぎという中途半端な時間帯だったためかもしれません。もっと人が多ければ、治安面では安心して歩けそうですが、夫も途中で行きあった人もマスクをしておらず、アブルッツォ州は、イタリアの中でもとりわけ感染者が多く、感染増加率も高いことも思うと、地下道ががらんとしていたことは、わたしたちのためにはよかったかもしれません。

 もっと人が戻り、夜も照明がともって、エスカレーターが機能し、左右の壁のアブルッツォの観光案内も増えれば、あるいは風景を描いた壁画などで彩られれば、また皆が安心して通り、楽しめるようになるのではないかと思うのですが、とりあえず、気になっていた地下トンネルを、冒険気分で歩くことができて、よかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:6月1日は写真の日
Commented by katananke05 at 2022-08-13 11:16 x
トンネルで人通りが少ないと
治安の面で心配になりますね〜
わたしも ときどきあるいて20分足らずの スーパーにいくのに
ほんの短い電車の下の ガードを
くぐるのですが 両側が工場で まず人が通らないところなので
夕方など
中で物取りにおそわれたら、、と
ちょっと不安になる時があります〜昨今は日本でも
物騒な事件が多々おこりますので、、
こういう長いトンネルでは 入口と出口に しっかり 昨日中とか運行中とか 表示欲しいですよね〜
Commented by cut-grass93 at 2022-08-13 11:20
立派な地下道が整備されて
さすが観光地という感じがします。
ヨーロッパってどこからそんなお金が出るのでしょうね。
いつも不思議に思います。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-13 16:23
katananke05さん、残念ながら日本でも、今ではそんなふうに危険を感じられることがあるのですね。長いトンネルですから、防止カメラなどもところどころにひょっとしたら設置されて管理されているのかもしれないのですが、やはり入り口に、エスカレーターが機能していないけれど通れますなど、一言ほしいように思います。そうすれば、もっと通る人も増えるような。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-13 16:28
草刈真っ青さん、イタリアでは、古い町並みに車が通るのが難しい小道も多く、また安全や環境のために、町の中へは住民や特別な事情がある場合以外は車への乗り入れが禁止になっていたり、駐車場がとても高かったりする場合が多く、それでも観光客や地域の人が訪ねやすいようにと、こうして地下道やエスカレーターなどを設置するのだと思います。シエナやペルージャ、スポレートなど、古い町にはそういうところが多いのですが、昨日、記事を書くにあたって、エスカレーターがどうして機能していないのかを調べていたら、その理由は見つからなかったのですが、どうやらこの通路、なんとグラン・サッソのあの天文台の近くまで登れるロープウェイが出ている山の中腹の町まで通す計画だと知って驚きました!
Commented by ciao66 at 2022-08-13 18:58
暑い夏には地上の眺めは無くとも、地下通路を歩く方が涼しくていいですね!エスカレーターは止まっていても、下りなら楽ちんですし。賢明な選択ではないでしょうか。

 私も雨が降ったり、暑かったりした時は、歩くのに少し遠回りでも、仙台駅周辺に有る地下通路や駅の構内を通って歩くことが良くあります。地上との上り下りが有りますがそこは運動だと思って!

 ごみが有ったり、誰も歩いていないと心配にはなるでしょうが、ちょっとした冒険スポットのようなところを、何事もなく無事に通過できて良かったですね!
Commented at 2022-08-13 19:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-14 04:45
ciao66さん、今回は町をすでに何度か歩いていましたし、帰りを急いでいましたので、地下通路を歩くには、ちょうどいい機会でした。中心街から駐車場への地下通路は、実はスポレートにもあるんですよ。仙台駅周辺には、二つの地下鉄間を結ぶ地下通路があるんですね! 確かに特に雨や猛暑のときは、地下の方が歩きやすいですよね。興味深いです。

ありがとうございます。無事に通り抜けることができたときには、ほっとしました。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-14 04:46
鍵コメントの方、どうもありがとうございます!
by milletti_naoko | 2022-08-12 23:59 | Abruzzo | Comments(8)