イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

羊おいしいグラン・サッソの村の店 Il Ristoro degli Elfi

 古くから羊の飼育が産業の基盤であったアブルッツォ州のグラン・サッソやモリーゼ州の山の村では、レストランでも屋台でも、羊や子羊の肉料理がメニューに並ぶことが多く、おいしいなと思う肉を食べたことが、これまでにも何度かあったのですが、

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Il Ristoro degli Elfi, Santo Stefano di Sessanio (AQ), Abruzzo 6/8/2022

今回のアブルッツォ旅行中に、グラン・サッソの山の村、サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ(Santo Stefano di Sessanio)の店で食べたラム肉の炭火焼き(agnello alla brace)が、こんなにおいしい子羊の肉を食べたのは初めてではないかと思うくらいおいしかったので、感動しました。

 十分に焼けているのに、肉がとても柔らかく、味もしっかり効いているのです。炒めた青菜の料理も頼んでいたのですが、こんなふうにたくさんのレタスの上に肉が置いてありましたし、肉の量も多かったので、そうと知っていれば、この一皿だけで十分でした。

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 一方、夫は、アブルッツォ州名物の羊肉の串焼き、アッロスティチーニ(arrosticini)を頼みました。羊肉とレバーを半分ずつと注文していたのですが、食べてみた感触では、どれも羊肉だったようで、でもとてもおいしかったそうです。

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 店はこちら、Il Ristoro degli Elfi, で、村の西の端にある無料駐車場に面しています。店頭に花や森の精のような女性像が飾ってあり、

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店内にも、ひどく時代を感じさせる電話や、たくさんのフクロウが飾ってあって、いい雰囲気を醸し出しています。積んである本は、「自由に読んでいいですよ。」と書かれているのですが、一冊取ったら、なだれが落ちてしまう危険がありそうです。

 こんなふうに二人とも肉料理とつけ合わせの野菜を食べ、水一瓶と白ワイン4分の1リットル、コーヒーを頼んで、会計が40ユーロでした。屋外席はいっぱいだったので、少々暑い屋内の席で食べることにはなりましたが、とびきりおいしい肉料理を食べることができて、うれしかったです。


 この店の場所が分かる地図も添えている、上のリンク先にある昨日の記事に書いてあるように、旅の初日には、この店の前を素通りしました。店頭にメニューと料金を表示してなかった上に、4年前に泊まった宿が、このレストランのすぐ近くにあったのに、宿の人が勧めてくれた店が、かなり歩いていかなければいけない別の店だったからでもあります。レストラン検索サイトでの口コミは今ひとつで、外国人旅行客に冷たいとあるのですが、「空席があるのに、予約されているからと自分たちは座れなかったのに、自分たちの後ろにいた客は通した」というコメントは、ひょっとしたらその後ろにいた客が予約をしていたということを、イタリア語が分からないために、理解しかねたという可能性もあります。

 少しサービスは遅かったものの、食事がおいしくて、わたしたちは大満足なのですが、困ったのは、メニュー表が渡されず、料金が分からぬままに頼まなければならなかったことです。また、店の人が、「うちでは、ごく限られたものしか出しません」と言いながら、前菜・プリモ・セコンド・つけ合わせの野菜について、それぞれ何があるかを口頭で述べてくれたのですが、イタリア語が分からないと、注文するにも不安で難しいのではないかと思います。すでに旅行の3日目だったので、他のレストランでの料金から、会計はこのくらいになるのではと頭で考えていたのとほぼ同じ金額だったので、料金は妥当なのですが、


注文する段階で値段が分からないのは、客の側としては不安ですし、ぼったくりに遭う可能性もあります。実際、上のリンク先の記事にあるように、イタリアでは法律上は、「店は各料理の値段のみならず、夜間やテーブル使用のための上乗せ料金も明示しなければならず、店主にはメニューに記された値段を適用する義務がある。その義務が遂行されなかった場合は市町村警察に介入を要請することができるし、領収書があれば差額の返還を要求できる」ことになっているのです。

 残念ながらけれども、こんなふうにメニュー表を提示しない店もあり、またつい最近リミニで、友人が催促して初めてメニュー表を運んできたということもあります。この日は、村の他の店はどこも満席で、宿を取っているラクイラは暑いだろうから、涼しい山の村で昼食を食べておこうと考えていました。さらに、店の人がメニューを告げに来るまでに、すでに長い間席に着いて待っていたこともあり、メニュー表については、わたしたちの方から言わなかったのですが、これは客の側からすると、不透明で困ります。ちなみに、過去の口コミを読んでいたら、2年前の口コミに、イタリア語と英語で書かれたメニュー表があると書いてありました。

Il Ristoro degli Elfi
Via Delle Aie, 18 - 67020 Santo Stefano di Sessanio (AQ), Abruzzo
Tel. : +39 340 481 9763
Email : ilristorodeglielfi@gmail.com

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ciao66 at 2022-08-15 17:04
とびきり美味しいけれどメニューがないお店、なんとも悩ましい存在ですね。メニューもなくて美味しくもないお店は最悪ですが、美味しくてお値段も妥当なら許せますね。今回はアタリのお店で良かったですね!2度目には安心して行けることでしょう。

イタリアではメニューの提示が法律になっているとは知りませんでした!いい決まりが有るのに、それが守られているかどうかは、まったく別問題ということですね!

日本でも品書きのないお寿司屋さんなども有りますが、法律はどうなっているのか調べてみると・・・「不当景品類及び不当表示防止法」で「書く中身」については規制が有るものの、「表示そのもの」はどうも義務では無さそうです。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-15 21:07
ciao66さん、確かに店によっては、その日に入る食材によってメニューが変わったり、特別メニューがあったりする場合があり、店にメニュー表がなかったり、メニュー表にない料理があるので値段が分からないことはあるんです。

この日は他には村に座って食べられる店がなかったでしょうから、おいしくてしかも値段も妥当で、本当によかったです。
Commented by katananke05 at 2022-08-16 09:55 x
日本では お寿司屋さんがめにゅーどころか 値段も 店頭表示はないというところがほとんどで
一見さんは 不安で
入れないですよね〜
京都でも外観がこのましいけど
料金がわからないから
入れないという店 多かったです〜
店に入ると 店のなかの壁には
表示があってもその時点で
はいるのをやめるのも
やりにくいしね〜
明朗会計で 表示もやってほしいです〜
Commented by sunandshadows2020 at 2022-08-16 14:32
メニューがないとは困りものですね。
お値段が分からないと注文し難いですから、オーダー取る時にお値段も教えてくれるのでしょうか?
こちらでもしメニューのないレストランがあったら多分お客様はないと思われます。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 01:10
katananke05さん、そうなんですね!
それは入るのにかなり度胸が入りますし、よっぽどおいしいとか、だいたいの値段の見当がつかないと、入れませんよね。

なるほど日本にもそういうお店があるんですね。提示をしなくても、常連の人が来てくれるから問題ないということなのでしょうか。旅行客や新たに試してみたい人には困りますよね。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 01:16
お転婆シニアさん、たいていの場合、イタリアでは、店頭にメニューや料金を書いた表があったり、そういう表がインターネットに見つかったりするので、初めての土地や初めてのレストランで食べようかというときには、店の様子や客の入り、その店頭表示をインターネットでの評価と共に判断材料にしています。値段が店頭に表示されていないと、入りにくいですし、テーブルについてもメニュー表がなくては、注文しても落ち着かないですよね。

注文時に値段も尋ねたら、おそらく教えてくれると思うのですが、やはり尋ねにくいので、これまで尋ねたことが夫もわたしもないように思います。
by milletti_naoko | 2022-08-14 23:51 | Abruzzo | Comments(6)