イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

天近き岩山迫る峰にエーデルワイス

 旅行2日目、8月5日金曜日は、ブランカステッロ山(Monte Brancastello、2385m)の山頂を目指して、高原、カンポ・インペラトーレ(Campo Imperatore)から山を登りました。

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Campo Imperatore (AQ), Abruzzo 5/8/2022

 目指す山頂は、上の写真で前方に見える山並みの一番高い部分です。奥にはもっと高い山もあるのですが、この位置から最も高く見えていたのは、ブランカステッロ山ではないかと思います。

 出発地点の標高が、1806mと低かったのですが、それでも登り始めてしばらくしてから、道端でしばしば、マツムシソウの花を見かけました。

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 わたしは、これまでのように、標高2130mの天文台などのある広場から山を登り、コルノ・グランデが間近に見えて、真夏も花の多い道を歩きたかったのですが、夫は常々、いつもの道には飽きたと言って、近年ではカンポ・インペラトーレまではいっしょに行っても、別の場所を歩くことがよくありました。

 8月はいつもの山道には人が多いことが予想されたこともあり、今回はそこで、夫が提案した道、上の写真の左手にある尾根ががなだらかな山の左端の裾、ふもとからゆるやかな坂道を登っていき、その後、上の写真で右手に見える尾根を登って、ブランカステッロ山へと行く道を歩くことにしました。

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 夫がこの道を歩こうと考えたのは、こうして山を登っていけば、標高2千メートル以上の高みには、エーデルワイス(stella alpina)がたくさん咲いているはずだと考えたからで、実際、登っていくと、エーデルワイスが咲く道や斜面があちこちにありました。

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 冒頭の写真の、高原を右手に歩く坂道を登っていくと、やがて、上から2枚目の写真で、左右の二つの山並みの下り坂が出会うところに行き着いて、道が、ブランカステッロ山方面行きと、コルノ・グランデ方面行きに分かれます。

 その分岐点、ヴァード・ディ・コルノ(Vado di Corno、1924m)から、夫が寄り道して、コルノ・グランデの方へと歩いていき、しばらく待っても戻ってこないので、

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わたしも少し先まで歩いてみると、アッペンニーニ山脈の最高峰、コルノ・グランデ(Corno Grande、2912m)の姿が目前に迫って見えました。

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 そうして、さらに目指すブランカステッロ山へと山道を登り続け、時々ふり返っては、コルノ・グランデの眺めを楽しみました。

 尾根に近い道を歩き続けていると、右手下方にはカンポ・インペラトーレの高原が広がっているのですが、

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左手には、遠いアドリア海の青い海まで見えることさえありました。

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 そうして、この海まで見晴らすことができて、コルノ・グランデの勇姿も見える辺りで、登山道から少し離れたところで、岩に腰を下ろして、昼食のパニーノを食べました。朝、サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオの宿を出て、荷物を車に置きに行ったあと、中心街のメディチ門を入って、すぐのところにあるバールで作ってもらった生ハムとトマトのパニーノが、おいしかったです。サント・ステーファノでは、おそらく時間がゆっくり流れるので、この店でもやはり、注文してからパニーノを手にするまでかなり待ったのですが、4.50€で新鮮な食材で作ったパニーノが食べられるので、天文台近くの広場のバールで買うよりも、値段の割にずっとおいしくいいものが手に入るように思います。

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 出発から3時間10分以上歩いても、ブランカステッロ山の山頂までは、まだ距離がありました。

 そこで、上の写真で歩く夫の前方に見える緑の高みの向こうまで歩いたとき、

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その辺りで登山道を少し離れて、高原が見晴らせる場所まで行き、

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眼下に広がる高原の眺めを楽しんでから、ブランカステッロ山頂までは行かずに、来た道を引き返すことにしました。

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 ただ、もう自分も疲れたし、十分高くまで登ったからと言いながら、夫ったら、このとき先ほど脇を通ったばかりの緑の高みのてっぺんまで登ってから帰ろうと言うのです。

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 それで、仕方ないなあと思いながら、せっかくだからと登ってみると、今回は到達できなかったブランカステッロ山と、その山頂までの道がよく見えました。

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 緑の高原と、このときには雲に覆われていたコルノ・グランデ、そして、わたしたちが歩いてきた尾根道も見晴らすことができて、眺めがすばらしかったです。

 このあと、登山仲間の友人たちにヤギと評されることもある夫は、ひょいひょいと、てっぺんから下っていったのですが、本来の登山道ではないため、下り道が急だったり、すぐ傍らが急傾斜だったりしたので、わたしはひやひやしながら、ゆっくり下りました。

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 目的の山頂には到達することができませんでしたが、コルノ・グランデの威容を間近に見ることができ、また眺望のすばらしい道を、エーデルワイスにたくさん出会いながら歩くことができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:【ギフト券プレゼント】夏の1枚コンテスト 2022
Commented by cut-grass93 at 2022-08-16 09:06
長城に近いところは、日本の山のコマクサが群生する場所の
感じに似ていますが、そちらにはコマクサのようなものは
ないのでしょうかね。
Commented by meife-no-shiawase at 2022-08-16 14:24
イタリアの山は樹が密集しているような山よりも。高原が広がるとても穏やかな山が多い印象です。
ご主人さまが先に歩いていらっしゃるのもなおこさんの位置から見えるのは安心です。

コルノ・グランデの望める風景。素晴らしいです。
本物を観たらどんな気持ちになるのでしょう~。

エーデルワイス。曲は知っていましたが、お花を観たのは初めてでした。
Commented by django32002 at 2022-08-16 16:28
こんにちは。
"エーデルワイス”が歌われた「サウンド・オブ・ミュージック」は私が衝撃をうけた映画の1つです。
こうした高地にしっかり咲いているのですね。
Commented by ciao66 at 2022-08-16 20:16
アッペンニーニ山脈の最高峰、コルノ・グランデを間近に眺められるところまで行かれたのですね。
エーデルワイスが咲き、アドリア海が遠望出来て、お天気も良くて、いうことなしですね!
登りが3時間ということは5~6時間の合計時間でしょうか、とても健脚ですね~。そして、目的のピークで無くとも、手前の小ピークでも十分に良い眺めでしたね!ただ引き返すよりも、近くの小ピークに登った方が四方を見渡せて大正解だった気がします。
私も夏山に行きたくなりました!
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 01:31
草刈真っ青さん、コマクサ、美しい花ですよね。ブログのお友達の写真で見て、初めて知りました。こちらでは見かけたことがありません。標高2千メートル以上では、こちらでも6、7月なら、色とりどりの様々な花が咲くのですけれども。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 01:52
メイフェさん、険しい岩山もあって、実は目的の山頂も、うちに帰ってから興味半分で登頂した人の写真を見ると、かなり切り立っているというか、片側が断崖のように見えるので、おそらく先まで歩いても、頂まで歩く勇気がなかったかもしれません。

イタリアでも木が生い茂る森や山はあるのですが、牛や馬、羊が放牧されていて、木が育つために食べてしまうために、一面が草原という山が多いんです。おっしゃるように、夫がかなり先方にいても、見晴らしがよくて見えるので、安心でした。

ありがとうございます。アッペンニーニ山脈の山の王、そんな気持ちで見えるたびにうれしかったので、共感してくださったと知って、うれしいです♪

エーデルワイスはわたしも歌や映画を通して知っていて、もっと白く美しい花を想像していたので、最初に見たときは驚きましたが、見られる機会がまれなので、高みに咲く花に出会えるのを夏は楽しみにしています♪

メイフェさんが最新の記事に書かれていたような事件や犯罪は、かつて英語を勉強していたときに、インドで多くの女性がというのを耳にしていましたし、欧州でも、かつての共産圏やユーゴスラビアの国で、やはりいい仕事があるとだまされて、実は売春を強制されたりということが絶えないようで、本当に、人生や生活に苦しんで考えた末に決断を下した人の命を、自らの利益のためにだけ好きないように扱う輩や団体、組織の存在が恐ろしいです。台湾からもそんなに大勢の方が…… 世の人の苦境につけ込むとは恐ろしく、許しがたいことですよね。どうか一刻も、そうしてだまされた多くの人たちが無事に祖国に戻ることができますように。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 01:58
Yorozuさん、歌も映画もすばらしいですよね。わたしも大好きで、主人公、マリアがアメリカに渡ってから書いた寺田まで買って読みました。

標高2千メートルの高みに咲く、可憐な花です。
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 02:10
ciao66さん、手持ちのこの登山コースを書いた本には、所要時間は、登りに3時間、下りに2時間半とあったのですが、花や景色を見て写真を撮り、休みながら登ったこともあり、3時間歩いても山頂はまだまだでした。それでも、コルノ・グランデなどのすばらしい眺めとエーデルワイスの花が群れ咲く様子を楽しめたので、大満足です。ありがとうございます。
Commented by katananke05 at 2022-08-17 11:45 x
しっかりと山歩きを楽しんでおられますね、、
子供が生まれるまでは わたしも 山男の夫につれられ
あちこち山に登り、、
最高は 北アルプスの 奥穂高岳
3190メートル です〜
来年は前に見える 槍が岳に登ろうと おもったら 子供ができたから だめでした〜
イタリアの山は 見通しが良いですね〜 人も見かけない〜
夏の季節は 3000メートル級でも 日本の山は人がいっぱいですよ〜
Commented by milletti_naoko at 2022-08-17 15:36
katananke05さんも、だんなさまとお二人で、たくさんの山を登られたんですね!

カンポ・インペラトーは広大で、山も多いのですが、一番人が多く集まるのは、わたしが歩きたかった天文台近くから登っていく、いくつかある登山道なんです。金曜日ではありましたが、かなり人が多そうなこともあり、夫の希望もあって、人が少なそうな別の山へと登りました。でも、出発地点の駐車場には車がずらりと並んでいましたし、集団で登る人たちにも出会ったんですよ。この記事には写真を載せていないのですけれども。
Commented by sunandshadows2020 at 2022-08-18 22:55
見晴らしの良い素晴らしいトレイルですね。
狭いトレイルにも好感が持てます。
松虫草、好きな花でいつでも庭に植えていましたが、それを野原で見られるとは。
エーデルワイスに至っては、高山の花としか思えないのでうえたことはありませんが。
長時間のトレッキングお疲れ様でした。

Commented by milletti_naoko at 2022-08-19 04:57
お転婆シニアさん、夫がグラン・サッソの登山道を記した本の中からこのトレッキングコースを選んだのは、エーデルワイスが見られると書いてあったからだと思うのですが、わたしも「崖をよじ登ったり、足元の危ないところを歩いたりする箇所があり得るEE(Escursionisti Esperti)は避けて、急な登りばかりが続かない登山道なら登ってもいい」と言って、いっしょに歩きました。コルノ・グランデの姿がしばしば大きく見えて、海まで見晴らせて、うれしかったです♪

マツムシソウ、庭に植えられていたんですね! イタリアではペルージャでも野草として道端に生えていることさえあります。

ありがとうございます。大変でしたが、歩くことができて、本当に良かったです。
by milletti_naoko | 2022-08-15 23:42 | Abruzzo | Comments(12)