３年ぶりの村祭り 魚料理おいしく にぎやかに トラジメーノ湖畔の村で

　例年、特に夏には、イタリア中で、地方の特産物などを中心に、村人が協力して料理をし、客にふるまい、お手頃価格でおいしい料理を楽しめる村祭りが、あちこちで開催されます。一昨年・去年と、感染下にあったために中止となった多くの祭りや催しが、この夏はウンブリアでも再び開催され、わたしたちがいつも楽しみにしていたトラジメーノ湖畔の村、サン・サヴィーノ（San Savino）の村祭り、Sagra del Gambero e del Pesce del Lago Trasimeno「トラジメーノ湖のザリガニと魚の祭り」も、先週金曜日から、３年ぶりに催されています。

San Savino, Magione (PG), Umbria 20/8/2022
　そこで、土曜の夕方に、さっそくいつものペルージャの友人たちと、おいしい魚料理と湖の夕焼けを楽しみに行きました。祭りの名に「ザリガニ」とあることだしと、夫はザリガニ料理にも興味があったのですが、殻から取り出して食べなければいけないようだと、食べにくいし服も汚れてしまうと迷い、結局は、わたしたち残りの３人と同様に、魚の串焼きを頼んでいました。
　飲み物は、４人で水と白ワインを一瓶ずつ頼み、わたしたち二人は、青菜とパスタ、デザートワイン、ヴィンサント（vinsanto）１杯つきのビスケットも、一つずつ注文して、二人で分けました。楽しみにしていた湖の魚の焼き串が、特においしかったです。

　友人たちもほぼ同じ金額の料理を注文していて、４人で払った合計金額が７３ユーロでした。
　トラジメーノ湖畔に数あるレストランでもよくメニューに見かける、スズキ科の淡水魚、ヨーロピアンパーチの串焼き（spiedino di persico）は、この村祭りでは、一皿に２本入って9ユーロです。夫たちは、村祭りの料理にしては高いと言っていましたが、最近は物価高で、レストランでも値上がりしているように思います。

　例年この村祭りでは、湖に沈む夕日と夕焼けを見るのも楽しみなのですが、今年は、午後7時に村に着けるようにと出発したものの、眺めのいい上階に登ったときには、すでにいい席はなくなっていて、立ち上がれば、こんなふうにわずかながら湖が見える席で食事をしました。
　2019年には、料理の注文がオンラインでも可能となり、会場に着いたとき、オンラインで注文済みであれば、すぐに食事会場に通してもらえたものの、注文がまだの人は、まずは小屋の前の列に並び、そうして注文を終えて初めて、食事会場に行けるようになっていました。そのおかげで、オンラインで注文していたわたしたちは、すぐに上階に上がり、いい席につくことができたのです。ところが今回は、オンラインで注文していようと、注文がまだだろうと、同じように皆を会場に通していた上に、オンラインで注文していようと、入り口前に全員がそろうまでは会場に行けませんと言われてしまい、結果として、食事会場に着いたときには、湖から遠い席だけが残っていました。

　でも、夕日が沈み始めたときには、夫や友人と共に席を立って、眺めのいいところまで行き、夕焼けの写真を撮ることができました。

　上の写真で奥に見える塔の前の広場で、午後9時半からコンサートが予定されていました。そこで、夕食後は塔の方へと歩き、村を散歩したり、たそがれの湖の眺めを楽しんだりしました。

　わたしたちが食事を終えて、階段を降りていった8時25分頃にも、入り口前に並んで、テーブルや席が空くのを待つ人が大勢いました。
　午後7時に到着したので、すぐに見つかるだろうと思っていた駐車場が村の近くには見つからず、夫と友人は中心街から少し離れた路上に駐車することとなりました。一方、わたしは、夫が「一足先に行って、席を取っておいて」と言うので、村の中心街で車から降りて、すぐに食事会場の入り口に向かいました。けれども係の人から、「オンラインで注文していても、この入り口前に、いっしょに注文した人が全員そろうまでは会場に入れません」と言われてしまいました。午後7時という早い時間帯でさえ、駐車場が見つからず、すでに人が多かったのは、３年ぶりに開催された村祭りであり、しかも土曜の夜だったからではないかと思います。

　コンサートが始まるまでには1時間以上あったので、皆で、たそがれつつあるトラジメーノ湖を眺めながら、散歩をしました。

　日の入りの３０分後には、おととしのように雲が燃えるようなピンク色になるのではないかと期待していたのですが、雲は再び燃え上がることなく、灰色になっていきます。

　地平線近くの空の赤が深くなっていきます。

　扉が開いているからと、奥に見える教会に入ってみたのですが、写真の手前にあるコンサートのステージで、にぎやかな音楽が流され、その音楽が教会の中にも満ちていて、どこか違和感がありました。

　夕食を終えた人たちが、少しずつ集まってきて、通りを歩いたり、湖を眺めたりしています。

　城壁の前には市場の露店が並んでいました。9時半からのコンサート会場は、この門を通ったところにある広場でした。

　テーブルについて、夫たちはアマーロを飲み、わたしはジェラートを食べながら、コンサートを聞きました。ガラスのコップ入りのジェラートが、思いがけずおいしかったです。近くのテーブルの人が声高におしゃべりをしていたので、歌を「聴く」のが難しかったです。このコンサート会場では、思いがけず、夫の親戚にも会いました。

　その後は、数枚前の写真にも写っている、教会前のコンサート会場に行き、今度は立ったまま、いくつか歌を聞きました。歌はよかったのですが、あまりにも大勢が集まってきて、そして、わたし以外は誰もマスクをしていないようで、困惑しました。
　久しぶりに夏の村祭りの雰囲気とおいしい魚料理を楽しみ、友人たちと共に過ごすことができて、よかったです。
関連記事へのリンク- 湖の幸と夕景、音楽も楽しめる、村祭り　サン・サヴィーノ (2017/8/17)
- 湖の魚おいしい村祭り、トラジメーノ湖 サン・サヴィーノ (2018/8/17)- 夕焼けに湖燃える村祭り、サン・サヴィーノ (2019/8/17)- 湖の魚料理の村祭り、トラジメーノ湖 サンタルカンジェロ (2018/7/6)↑ 最後のリンクは、今年も開催されないらしい湖畔の別の村のお祭りの記事です。魚がとりわけおいしいと、夫が楽しみにしていた村祭りでした。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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