花咲く道歩き昼食楽しんで雨の中さらばポルヴェーセ島

　さて、昨朝、10時半の船で訪ねて、散歩をしたポルヴェーセ島で、

Isola Polvese sul Lago Trasimeno, Castiglione del Lago (PG), Umbra 24/9/2022
夫と二人いっしょに、島の南東にある港から、岸辺の小道を時計回りに歩いて到着した島の北端には、今も花が咲くキョウチクトウ（oleandro）の向こう,

石の浜辺に、こちらの黄色い花がたくさん咲いていました。

　この北端の岸辺には大きな石がいくつもあり、いつものようにその大きな石に腰を下ろして、二人でしばらく湖を眺めました。ピンクのかわいらしい花も、石の間に咲いています。
　これまでであれば、この大きな石に腰を下ろして、足を伸ばせば湖の水に浸すことができたのですが、湖の水位がすっかり低くなったため、今朝は、大きな石が重なる向こうに小さめの、本来ならば湖の底にあるはずの石がすっかり乾いた地面の上に並んでいるのが見えました。

　この見晴らしのいい展望台も、岸辺の小道を通って行かないと、湖の水に囲まれているために行けないはずが、今日は、水の底から現れた石の上を歩いて行くことができました。
　わたしたちが休んでいた北端の石のすぐそばに、テントを張り、放し飼いの犬を傍らに釣りをする男性がいたのですが、その犬がしばしば吠え立てていたので、わたし一人では、その犬のそばを通って小道に戻る気になれなかったため、しばらく石の浜に残りたい夫を後にしたわたしは、散歩道に戻らずに、湖の底にあるはずだった石の並ぶ浜を歩いていって、展望台に登ってから、その石段を降りて、岸辺の小道に戻りました。

　展望台から、南東へと伸びる岸辺の小道を歩いて行くと、楽しみにしていたとおり、秋咲きの自生のシクラメン（ciclamino selvatico）が一面に咲いているところが、あちこちにありました。
　左手にあるはずの湖は、木々や葦の茂みに隠れて見えないことが多いのですが、

島の南東の端が近づいてくると、トラジメーノ湖（Lago Trasimeno）が、そして、その向こうに、最近わたしと夫がよくウォーキングにと出かけるモンテ・デル・ラーゴ（Monte del Lago）がある岬とその町並みが見えるようになります。

　湖の方を眺めていたら、わたしの目の前を１羽のサギが飛んでいきます。

　茂る葦の向こう、奥の方に見えている島の南東の端まで、今日は久しぶりに歩いてみました。この写真の展望台に着いてから、まだ北端の石の浜にいた夫と電話で話して、島の高みにあるアグリトゥリズモで、午後1時に昼食を食べることに決めました。それまでに３、40分あったので、まだ時間があるからと、約１０年ぶりではないかと思うのですが、南東の端まで歩いてみることにしたのです。

　かつては、トラジメーノ湖での漁について説明する看板があちこちに立っていたのを覚えていたその南東の端には、看板は見当たらず、黒く大きく長いパイプが端の方にいくつか積み重なり、あちこちに草が茂っています。
　そのために南東の端までは歩かなかったのですが、この島の南東部は、島行きの船が出るサン・フェリチャーノ（San Feliciano）から最も近い位置にあるために、砂浜の近くの底が見え始めた湖の向こうに、その町並みが見えました。

　アグリトゥリズモ、Fattoria Il Poggioに着くと、先に到着していた夫が、湖が見晴らせる席を取っていてくれました。去年の春に食べて、食事がおいしかったのを覚えていた上に、サン・フェリチャーノに戻る船が次に島を出る時刻が13時10分で、その船で着いてから、土曜の昼に予約なしで食事ができる店を探していては、食べるのが遅くなってしまうと考えたからでもあります。
　去年の春には２２ユーロだった前菜・プリモ・セコンドの昼食セットが、今は２５ユーロになっていることを、テーブルに着いてから知ったのですが、来年の春まで訪ねることができない島で、ゆっくり食事ができる機会を楽しもうと、夫もわたしも決めていました。上の写真は、夫が自分の分のクロスティーニを食べてから撮影したのですが、「前菜にしては量が少ないし、上に載っているサルシッチャも小さい」と夫が言います。

　ズッキーニ、ナスにトマトと、夏野菜がたっぷり入り、サルシッチャの味が効いたパスタが、とてもおいしかったです。

　サラダも、いろいろな野菜や種がたくさん入り、チーズもあって、おいしかったです。写真のパスタとサラダは、どちも二人分で、それぞれの皿に自分たちで取り分けました。
　セコンドのローストポークが、おいしかったもののひどく薄く小さかったのと、別料金だった赤ワインがおいしくなかったのは残念で、肉と前菜の量からして、これで２５ユーロは高いなあと思ったのですが、食材やガス代、電気代などがことごとく値上がりしていることを考えると、島では仕入れられない食料品も多いので、仕方がないのでしょうし、いつまでもこのアグリトゥリズモがあり続けてくれることに貢献できればと思いました。コーヒー２杯とワイン１杯を別に頼んで、二人分の食事代が５６.５ユーロとなりました。こんなことまで細々と書くのは、次回食べる際の自らの覚え書きも兼ねているためです。

　わたしたちが食事を終えて、後はコーヒーを待つばかりというときになって、雨が降り出して、しかもその雨足が強くなったため、コーヒーは屋内で飲むことにしました。ちょうどいいときまで、雨が待っていてくれて、ありがたかったです。
　夫もわたしももうしばらく島を散歩したいと考えていたため、午後3時40分の船で島を出ることにしていたのですが、雨がどしゃ降りになったので、午後３時の船で帰ることにしました。このとき、親切な宿の人が、アグリトゥリズモに宿泊していた人とスーツケースと共に、わたしたち二人も車で港まで送ってくれたので、助かりました。実はわたしたちは、確か２００８年６月、初めての結婚記念日に、旅行に出かけようとしたときに夫の車の修理が必要となったため、バスと船でペルージャから島を訪ねて、この宿に宿泊したこともあり、以来時々、島を訪ねるたびに、アイスクリームを買ったり、食事をしたりして、宿の人と顔見知りになっていたのです。そう言えば昨春には、日本語を勉強したいという息子さんのために、いい教科書やサイトの紹介をあれこれしたりもしていました。

　帰りの船に乗り込んだときには、雨は降っていたものの、レインコートを着ていたので、せっかくだから島を最後まで眺めたいと、屋根のない後部座席に座りました。船が出発すると、カモメたちが、船の後ろを飛び始めます。

　けれども、このあとまもなく、風のためにわたしがいた場所まで雨がたたきつけてきたため、雨で眺めも今ひとつだしと、わたしも後部座席から夫がいた屋根の下の座席の隣へと移動しました。その席の近くに立って、ズームで拡大し、雨に煙る島を撮影したのが、上の写真です。
　残念ながら雨となったものの、この週末には島で催しがあるため、天気が悪いにも関わらず、島を訪れる人も、アグリトゥリズモで昼食を食べる人も大勢いたので、驚きました。来年の春に訪ねる頃までには、どうか水位が持ち直してくれていますように。
*********************************************************************************************Bella la passeggiata tra i fiori,buono il pranzo alla Fattoria il Poggiosull'Isola Polvese sul Lago Trasimeno.Poi è iniziato a piovere e siamo partiti dal'Isola con il traghetto sotto la pioggia.Isola Polvese, Castiglione del Lago (PG), Umbria 24/9/2022********************************************************************************************

Articolo scritto da Naoko Ishii

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