イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17243525.jpg
 EU市民であるイタリア人の夫を持つわたしが、イタリアに暮らすために必要とするEU市民家族用滞在証、Carta di soggiorno per familiare di cittadino UEが、法改正によって、2023年8月3日を過ぎると無効となるため、切り替えが必要なことは、1年前から知っていたのですが、昨年はまだ感染が深刻だった上、あれこれ考えるところがあって、わたしは今日になってようやく動き始めました。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_20351053.jpg
Perugia, Umbria 28/10/2019

 上の写真は、その申請や受領のために赴かなければいけないペルージャ警察署の上に、朝日が昇ろうとするときに撮影したものです。ローマの日本大使館にパスポートを更新しに行くために、ローマ行きのバスを待っていたら、霧の中、金色に輝く朝日を見ることができました。



 無期限であるのに紙製で、常に携帯する義務があるために、傷んでしまいやすく、かつ、他のヨーロッパの空港や日本の空港で、正規の滞在証ではないのではないかと疑われて搭乗拒否や入国拒否に遭った方さえかつていた問題の多い証明書であるため、ICカードになれば、旅行中にそういう問題に遭うこともなく、また、携帯もしやすいので助かります。

 とは言え、法改正があっても、なかなかそれが末端に伝わらず、必要な書類を頼んだり手続きをしたりしても、最初のうちは警察の担当者も慣れずにとまどうでしょうし、質問するために電話をかけてもつながらず、またそのためだけにわざわざ長い列に並んで待つのもいかがなものかと、そうして、山の家の固定資産税の関係で、戸籍上は、夫は山の家に暮らしていることになっているためもあって、切り替えのために動き始めるのが遅くなってしまいました。

 まあ、今年の夏までは、公の機関が発行する書類であっても、移民局に関しては、自己証明で代用できず、証明書類を各関係機関から取り寄せて提出しなければいけないということを知ったため、それ以降に動こうと考えていたためでもあります。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_23350202.png
https://www.servizidemografici.com/convertito-in-legge-il-dl-pnrr2.html

 ところが今調べてみたら、今年6月30日以降は、非EU圏国出身の移民も、滞在許可証の発行や更新などの申請のためには、公的機関が発行する証明書の代わりに自己証明書を用いることができるようになるはずだったのに、新たな法令によって、さらに今年いっぱい、つまり12月31日までは、自己証明書は使えないこととなったとあります。

 来年の年明けまで待っても、また延長となる可能性があるので、とりあえず今日、ペルージャ県警ではどう手続きをしたらいいかを調べました。必要な書類を問い合わせるのがめんどうだと思っていたら、けれども、ペルージャ県警(Questura di Perugia)の部署の連絡先・受付時間一覧を記したウェブページ移民局(Ufficio immigrazione)の欄を見ると、注として、二つのページ、受付時間や郵便局・移民局がそれぞれ受け付ける滞在許可証や滞在証の種類と申請情報を示したページ、そして、郵便局を利用して申請する移民が必要とする情報を主に記したページへのリンクが付されています。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17595674.png

https://questure.poliziadistato.it/it/Perugia/

 EU市民家族用の滞在証は、郵便局を介さなくても警察で直接申請できることが分かっていたので、わたしは前者のページに目を通しました。そして、感染下でイタリア全土がロックダウンになったり、感染を防ぐためにオンラインでも情報の伝達を可能にする必要があったりしたためか、チャットアプリ、WhatsAppから申請日時の予約ができると知って、便利になったものだと驚きました。

 ページには、今手元にある滞在証かパスポートの写真を、申請したい滞在許可証や滞在証の種類を明記して送るようにと書かれています。わたしはうっかり、この記載が必要であるということを見落として、まずは滞在証の写真だけ送ってしまったのですが、写真に続いて送ったメッセージでは、滞在証の種類をきちんと明記しています。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_00032497.png
https://questure.poliziadistato.it/

 わたしがペルージャ警察の移民局に、WhatsAppを通じて、写真と問い合わせのメッセージを送ったのは、昨日、10月13日木曜日の正午過ぎです。受付時間内だったはずなのですが、送ってまもなく、「移民局側から応答できるのは受付時間内のみです。取り扱う業務が多いために、返事は可能になり次第、お送りします。」という自動返信が届きました。

 そうして昨日は、この数行前まで書き上げたあと、食事のしたくをして洗濯物を干し、昼食後は午後3時からのオンライン会議の準備をして、警察側から新たに返事があれば、その旨も添えて、できるときに記事を書き上げようと思っていました。ところが、返事が来ないばかりか、わたしが送った写真やメッセージは、まだ目に留まってさえいないようです。そうして、わたし自身も、オンライン会議が終わるのが遅くなり、日が暮れる前にとウォーキングに出かけ、帰宅後は夫と夕食に出かけて、帰ってからはドラマの最終回を見てと、記事を書き上げられぬまま、今朝を迎えました。この間に、返事が来たら、その内容も添えて、記事を投稿しようと思ったのですが、どうやら、返事自体を受け取れるまでには、かなりの日数を要するような気がしてきましたので、まずはここまでの状況を書いて投稿しようと思い直し、こうして記事の続きを書くことにしました。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17083776.jpg
Pian di Massiano, Perugia, Umbria 11/7/2017

 ペルージャ警察署は、ミニメトロの終着駅、ピアン・ディ・マッシアーノ駅の近くにあり、駅の近くには広い無料駐車場があるため、バスはもちろん、ミニメトロや車でも行くことができます。上の写真は、ミニメトロのピアン・ディ・マッシアーノ駅から撮影したもので、左上に見える横長の建物がペルージャ警察(Questura di Perugia)です。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17125834.jpg
https://www.google.com/maps/

 ただし、中心街からミニメトロで行く方は、一つ手前のコルトネーセ駅で降りて歩いていくこともできます。


  今日、10月14日からは、チョコレート祭りが始まる上に、


去年と一昨年は感染下で中止となった中世以来の伝統ある死者の市、Fiera dei Mortiが、今年は2年ぶりに開催されることとなり、その会場は、このピアン・ディ・マッシアーノの駐車場となっています。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17243525.jpg
Perugia, Umbria 13/10/2022

 さらに今年は、やはり2年ぶりに、11月初めの死者の市に先立って10月上旬から同じくピアン・ディ・マッシアーノの駐車場に設置される移動遊園地や露店も戻ってきました。

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17332337.jpg

 わたしたちは平日だった昨日の夜、動いていない遊具や開いていな店もあるときに訪ねたのですが、

EU市民家族用滞在証 ICカード切り替え ペルージャの場合と移動遊園地_f0234936_17344673.jpg

それでもかなりの人がアトラクションや買い物を楽しんでいました。

 チョコレート祭りのために車やミニメトロで訪れる人や、移動遊園地や露店を楽しもうとする人の移動のために、今後、ピアン・ディ・マッシアーノ周辺は、特に週末、かなりの混雑が予想されます。死者の市前後の10月末から11月初めにかけては、平日の昼食の時間帯も、例年、周辺地域は混雑し、渋滞となって、交通整理が行われたりさえしています。

 そういう状況であることを考えると、さらに、今年の末までは自己証明で代えることができず、証明書を取りに行く必要があることを考えると、ペルージャ警察からの申請日時の予約の返事がしばらくの間ないのは、ありがたいことかもしれないと、ふと思ったりするのでもありました。

 まあ、この春からわたしが歩いているペルージャ市民の散歩道は、上に引用した地図の左下にあるサッカー競技場の左手を走っているため、ペルージャ警察署は、少し足を伸ばせば歩いて行けるところにあるので、早く返事が来ても、それはそれでよいのですけれども。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

ブログテーマ:9月6日は黒の日
Commented by koito_hari616 at 2022-10-14 18:56
こんにちは

お国が違えば色々と違う事が有りますね
郷に入れば郷に従え、ですか。。
紙媒体と言うのはかなりレトロですよねぇ
ヨレヨレになりますし。。('◇')ゞ

チョコレート祭りなんて有るのですか??
流石ユーロ圏ですね~私には目の毒気の毒です(笑)
11月は死者の月ですね。。
キリスト教と言うのは合理的だと思います
法事などが無くて。。。家族で悼んで分かち合うという
良いですよね。。
Commented by cut-grass93 at 2022-10-14 20:43
前半は読んだけれど、興味がない上に難しすぎて理解できませんでした、ごめんなさい。
後半は、わかりやすい、
日本の縁日みたいなものですね。
世界中誰でも楽しみ方は同じなんだ、人類みな同じ (^^♪
Commented by meife-no-shiawase at 2022-10-15 00:21
ビザとか居留証とか・・・
手続きが色々と面倒ですもんね。
でも紙というのはたしかに時間が経つとダメージが・・・
私が持っている日本のマイナンバーカードもぴらぴらの紙ですが
お財布に入れっぱなしにしていたらヨレヨレです。

死者の市・・・覚えています~。
Commented by みーは at 2022-10-15 08:38 x
なおこさま こんにちわ
楽しそうな市ですねー
どうせイタリアに行くなら今度はこの様な催しものがあるときに行きましょうっと

先日のことなんですけどNHKの新しい海外ドラマがですね今回はなんとイタリアのものなのですよ
念の為リンク貼っておきますね
https://www.nhk.jp/p/doc-karte/
途中イタリアらしいなーっ(知らんけど笑)ていう表現の仕方もあったりしたのですが
気づいたらイタリア語で見ていたことをすっかり忘れて見入っていました
すでにご存知でしたらすみません
Commented by ciao66 at 2022-10-15 17:20
チャットアプリでお役所の申請の予約ができるのは便利になりましたね。予約ではなく申請そのものまで、ネットで完結すればもっと簡単なのでしょうが、それでも一歩前進でしょう。日本よりははるかに進んでいる気がします。スムーズに手続きが進みますように!

 日常が戻ってきて、光の洪水のような移動遊園地光景がとてもカラフルで美しいですね。ヨーロッパらしい雰囲気です。

 私がフランスのアルルで遭遇した夜店でも同じような夜店に出会いました。そのときに、リンゴ飴に射的に水風船、と出ている内容はほとんど日本と同じで、びっくりしたのです。色彩感覚だけはまるで異なっておりました!https://ciao66.exblog.jp/13776884/
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 06:02
結うさん、こんばんは。
そうなんです。常に携帯する必要があって、折り畳んで持ち運びしているために、折り目のあたりは特に傷みがちです。

家族が亡くなったあとには、9日間夜集まってロザリオの祈りを唱え、亡くなってから、1か月後、そして1年後、その後は毎年その日に、教会のミサの際に、故人を偲んで執り行い、ミサの際に神父さんがその旨口にしてくださるようにお願いしたりするんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 06:09
草刈真っ青さん、わたし自身の覚え書きかつ、この情報を必要とされるイタリアに暮らす人でかつイタリアやヨーロッパ連合国出身者を配偶者とする人に役に立つという情報なので、皆が関心を持つ話ではないですよね。それで、せめてはと、写真がきれいに撮れたし興味を持つ方もおいでかと、移動遊園地と露店の写真などを載せて、文章も書いてみました。

おっしゃるようにこういうお祭りや遊園地は、日本もイタリアもよく似ていますね。
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 06:12
メイフェさん、うわさに聞く日本のマイナンバーカード、もうお持ちなんですね! ブログのお友達の記事を読んで、しばらく日本に滞在しないと取得できないようで、どうしたものかと考えていたところです。

死者の市、覚えていてくださったんですね♪
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 06:16
みーはさん、ペルージャには毎週立つ市があるので、おそらく情報さえ調べておけば、どこの町でもいつの季節でも何らかの市場やお祭りが、近所にあるのではないかしらと思いますよ。

ありがとうございます。このドラマ、他のブログのお友達も話題にされている方が複数いるので、知って驚いていました。わたしは見ていないのですが、夫が好きで見ていました。なんとイタリア語ですでにご覧になっていたのに、忘れられたとは!
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 06:20
ciao66さん、チャットアプリで申請の予約ができるのは便利なのですが、今日になってもメッセージが読まれていないようなので、かなり長丁場になりそうです。

移動遊園地や露店、感染者が増えてきているので心配はありますが、大勢の人が楽しんでいて、そういう光景が戻ってきたのがいいなあと思いました。そうなんです。光の洪水、まさにそんな感じで、夜空の下、光と色がきれいだなあと思いました。
Commented by tawrajyennu at 2022-10-16 14:22
こんにちは♪
常に携帯しないといけないカードが紙製というのは、
困りますね。
日本でも今、マイナンバーカードを普及させようと
躍起になっていますが、プラスティック製のカードで
これに、保険証や免許証を紐づけようとしているようです。
でも、普及率が五割に達してないみたい。

海外では、移動遊園地というのがけっこうありますね。
私も観たことがあります。
日本では、ほとんど見かけません。
でも、こういうのがあると、近くに遊園地のない地域の
子どもさんたちは、嬉しいでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2022-10-16 23:06
タワラジェンヌさん、なんとマイナンバーカードは、いろんな証明書などを関連づけようとさえしているんですね! わたしも最近、皆さんが記事にされているので、持っていないと困るのだろうかと心配し始めていたところです。

滞在証は必ず携帯しなければいけないこともあり、海外で足止めにある恐れもあるため、ICカードになるのはありがたいのですが、わたしが送ったメッセージと写真がまだ読まれていない状況で、まだまだ手続きには日数がかかりそうです。

そうですね。移動遊園地、日本でも遊園地がない地域ではきっと皆さんが喜んで利用されることでしょうね。
by milletti_naoko | 2022-10-14 17:44 | Sistemi & procedure | Comments(12)