アマゾンイタリアのプライム・ビデオでは、視聴できるのがイタリア時間の今日、10月21日金曜日の真夜中までとなったルパン三世の第4シリーズを、なんとか全話見終えることができました。
Torricella sul Trasimeno, Magione (PG), Umbria 13/9/2020
先日の記事でも書いたように、ルパンの結婚という第1話の題に釣り込まれ、舞台がイタリアであることと、イタリアの町や建造物がていねいに描かれていること、イタリアの描かれ方に興味を持って見るうち、物語そのもののおもしろさや、懐かしさから引き込まれていったのですが、ふとしたきっかけから、見る機会を得ることができて、本当によかったです。

イタリア版ではどうしてこんなという歌になってしまっている残念なオープニング(リンクはこちら)も、プライム・ビデオに載っているおそらくは日本版では、懐かしいいあの調べが流れ、映像も美しく決まっていて、曲も懐かしく映像もすばらしいので、結局毎回すべて見て聴きました。
そうして、このオープニングで次元の背景にあるススキが揺れる夕景にしてもそうなのですが、シリーズ全体を通して、夕日やその光、移り変わっていく空の様子、夕日に風景がオレンジ色に染まるさまや教会に差し込む夕日の光など、微妙な夕景の変化やその美しさがうまくとらえて描かれている上に、
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第20話、「もう一度、君の歌声」(Per sentirti cantare ancora)では、湖や海の向こうに沈んでいく夕日と、その夕景をいっしょに見た大切な思い出が、物語の軸となっていて、
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第21話「日本より愛をこめて」(Dal Giappone con amore)は、夕日が富士山と湖をあかあかと染める風景で締めくくられています。この第21話では、次元が銃を撃つ舟が浮かぶ川の面に、周囲の緑が映っていて、近年における日本のアニメ全体の質の向上なのかもしれないのですが、背景や夕日の描かれ方の細やかさや美しさに、感心しました。そうして、きっと夕日や自然の美しさを知る人が、制作に携わっていたのだろうなあと思いました。

5、60年前には日本でも、イタリアのサンレモ音楽祭や歌謡曲がテレビで放映されていたことを、わたしはブログのお友達のコメントやその記事を通して知ったのですが、第20話はその当時に人気があったという架空の女性歌手が主人公の一人となっていて、
彼女が歌ったことになっているフィアット500トポリーノの宣伝となった歌には、活用はしていますが、volare「飛ぶ」という言葉が使われ、そのサビの部分が何度も歌われていて、かつてイタリアの歌が世界を魅了した頃のそのカンツォーネへの讃歌とも思われました。

第21話同様、第20話もどんでん返しがあり、物語の展開にあっと驚くのですが、悲しくも美しい愛を描いていて、感動しました。

第21話も、予想のつかない展開がおもしろい上に、「どうせ不二子は自分の利益しか考えていない。女だからたいしたこともできまい。」という日本の明智ホームズの偏見を覆す、みごとな策略と活躍でルパンの窮地を救っていて、見ていて楽しく、女性への差別や偏見の過ちを男性諸氏に呼びかけているところもあるようで、いいなあと思いました。
第20話で、主人公たちがローマから車で出かけて訪ねる夕日の美しい海岸は、ラッツィオ州の南にあるサバウディアのあたりではないかしら、その近くで撮った写真がないかしらと、かつて撮った写真を見ていたら、
おととしトラジメーノ湖畔のトッリチェッラで撮影した夕日が目に入り、空と水面を真紅に染めて沈む夕日の様子が、第20話、第21話で描かれる夕日とよく似ていたので、この日の夕日の写真を記事に添えることにしました。
この日の夕景については、一作年の9月にもすでに記事にしているのですが、以前の記事では別の方角の風景なども紹介し、たそがれの後の写真も載せているため、今回の記事と共通する写真は1枚だけです。
イタリア在住の方でプライム・ビデオが無料で視聴できる方は、今夜までですので、よろしかったらぜひ第20話と第21話をご覧ください。ひょっとしたら、この2話については、女性の方が楽しんで見られる要素が多いのではないかとさえ感じています。Articolo scritto da Naoko Ishii
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