イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

愛と平和の聖女 聖リータにと赤いバラを手に登る岩山、カッシャ ロッカポレーナ

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 今日、11月1日は、カトリック教では諸聖人の日(Tutti i santi、Ognissanti)、すべての聖人と殉教者を記念して祝う日で、イタリアでは国民の祝日でもあります。平和や愛の必要がことさらに感じられる今日この頃、アッシジの聖フランチェスコをはじめとして、愛や平和のために尽くした聖人は多いのですが、

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Scoglio di Santa Rita, Roccaporena, Cascia (PG), Umbria 8/10/2022

今日は日本では知る人が少ないであろうウンブリア州出身の聖女、カッシャの聖リータ(San Rita di Cascia)と、そのゆかりの場所をご紹介します。

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 聖リータは、生地、ロッカポレーナ(Roccaporena)にあるこの岩山を、何度も登っては祈りを捧げ、その際にひざまずいていた岩に、そのひざの跡が残ったと言われています。

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 そして、今ではその岩を包むように礼拝堂が建てられています。

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 大きな苦しみに何度も遭いながら、決して希望を失わず、人々を助け、愛と平和を祈り、もたらした聖女を慕って、今も多くの人が、聖リータの生地を訪れ、

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かなり急な坂道もある、礼拝堂までの石段を、大勢の人が登って訪ねていました。



 わたしが初めてロッカポレーナを、夫や友人たちと訪ねたのは3月の初めで、そのときは生家や教会、伝染病院などのゆかりの地を数多く訪ねることができたのですが、まだ景色は冬の風情でした。

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 それが今回、巡礼に旅立つ友人たちを送ってノルチャに行った翌日、10月8日に、岩山のふもとで聖リータに捧げる赤いバラを一輪購入し、そのバラを手に石段を登っていくと、

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岩山は美しい緑に包まれていました。大勢の人が登ったり下ったりしていたため、

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他の人の顔が写らないようになるまで待って、写真を撮影しました。

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 険しい坂にも関わらず、石段を休みながら登っていく高齢者の方も、たくさん見かけました。

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 岩山へと登っていく間も、

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下っていくときにも、緑の山の間に、聖リータゆかりの教会や町並みを見晴らすことができて、

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眺めもすばらしかったです。

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 この日いっしょに礼拝堂へと登った友人は、聖リータは不可能を可能とする聖人だと言っていました。

 どうかもうこれ以上、戦争や憎しみが暮らしや命を脅かすことがありませんように。そして、一刻も早く、人々が待ち望む平和が訪れますように。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented at 2022-11-02 07:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by koito_hari616 at 2022-11-02 11:51
こんにちは

聖人リータ、岩に跪いた跡が残るほどに
毎日急坂を上ってお祈りされた聖女は
ご友人が仰るように不可能を可能にされる方だと思います

naokoさんが仰るように地球上に平安が訪れますように

Commented by harupita at 2022-11-02 20:35
こんばんは(^^♪
11月1日は、カトリック教では諸聖人の日で、イタリアの祝日なのですね。ウンブリア州出身の聖女、
カッシャの聖リータは日本ではあまり知られていないけれど、素晴らしい人ですね。

祈りをささげて膝まづいていた岩に膝の跡が残るなんて
驚きですね。
そこが礼拝堂になっているのですね。
76歳で亡くなるまで色々ご苦労がありながら人々に愛と平和をもたらしたのですね。

それにしても眺めが良いだけかなり急な石段坂道ですね。
膝の悪い私には無理だなって
思いますが、イタリアの方は信心深く健脚なのですね。

一輪の赤いバラ
美しいですね。本当に平和を望みます。
このような世界をこれから生きていく子供や孫に残したくないですね。悲しい現実

悪い夢の中にいるようです。


Commented by toshis_photoblog at 2022-11-03 08:08
なおこさん
今日の記事は、とりわけ、イタリアという国の歴史や文化、宗教、愛、
自然などの奥深さと、時間の流れによる洗練を十分感じられ、しかも
楽しく拝見させていただきました。ありがとうございます。
古い建造物と自然が美しく調和していて、とっても素晴らしいですね。
こんなにも素敵な地を散策できる、なおこさんがうらやましい。
toshi

Commented by milletti_naoko at 2022-11-03 21:43
鍵コメントの方、わたしもいつも記事や絵やお写真を楽しみにしています。
記事がお心に届いたと知って、うれしいです。ありがとうございます♪

まあなんと、それは光栄です! こちらこそ、これからもよろしくお願い申し上げます。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-03 21:48
結うさん、こんにちは。ありがとうございます。

不可能だと思われていたのに、可能となったこと、世界にも歴史上にもたくさんありますよね。

こんなにも多くの人が聖女を慕って登ったのだと考えるとまた、イタリアの未来に少し希望が見えるように思います。どうか世界に早く平和が訪れますように♪
Commented by milletti_naoko at 2022-11-03 21:54
葉流さん、こんにちは。

日本だと寺社で長い急な石段があるところが、そう言えばあちこちにありますよね。こちらは、岩山をぐるりと回りながら登っていくのですが、それだけ大変でも、高齢者の方たちも登ろうとするほど、聖リータへの敬愛や信仰の心が深いのだなあと思いました。

本当にどうかこの悪い夢が終わり、平和に心穏やかに暮らすことができる日々が早く戻ってきますように。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-03 21:56
toshiさん、こんにちは。

温かくうれしいコメントをありがとうございます。ノルチャやカッシャ、アッシジは、日本で言うと高野山にも似て、大勢の信者が訪れる聖地であり、美しい自然にも恵まれ、聖人たちや人々の祈りや心が風景にも反映しているように思います。こうした歴史ある美しい多くの場所を訪ねることができて、ありがたいです。
by milletti_naoko | 2022-11-01 23:22 | Umbria | Comments(8)