イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

フランス語で読了『ルパン対ホームズ』とパリのモンソー公園

 昨晩、アルセーヌ・ルパンシリーズ2作目、『アルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズ』を読み終えました。

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 他の作家の著名な作品の主人公を、まさか自分の作品に登場させるわけにはいかないので、原書フランス語では、アルセーヌ・ルパンと対峙する私立探偵の名前は、シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)ではなく、エルロック・ショルメス(Herlock Sholmès)となっていますし、ワトソンの名前もウィルソンとなっています。アルファベットであれば、名前であるSherlockの初めのSが、姓であるHolmesの前に移動し、名字の最後の母音にアクセントが置かれているだけなので、目で見てすぐに、ホームズを意識して書かれていることが分かるのですが、コナン・ドイルが生み出した名探偵の名前を下敷きにしていることが、日本語でエルロック・ショルメス(ショルメ)としてしまうと、分からなくなってしまうことから、日本語訳では題名も、ルパン対ホームズとされることが多いのでしょう。

 フランス語の勉強をさぼり始めてから数年になるのですが、かつて数冊のフランス語の小説を読んだおかげ、そうして、英語やイタリア語の本をたくさん読んだおかげで、分からない言葉や表現があっても、見当をつけながら、楽しんで読み終えることができました。

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Paris, France 12/6/2016

 前作、『怪盗紳士ルパン』同様、著者の想像力のたくましさに感嘆しつつ、2度訪ねたことがあるパリの町が舞台になっていることも興味深く、ほぼ毎晩、寝る前に読書を楽しみました。

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Parc Monceau, Paris

 最初の作品、「金髪の美女」では、暮らしが豊かではない学校の先生が娘に贈ろうとお金をはたいて買った机を盗むなんて、ルパンもひどいことをするなあと思いながら読んでいたので、結果的にはその娘さんもルパンのおかげで幸せになれそうだと分かって、ほっとしました。



 ルパンのためにと別の若い女性が殺人を犯したと書かれているように思ったのですが、わたしの読み違いである可能性も高いので、今のところFolioシリーズから発行されているルパンシリーズの最後の作品、3作目『奇巌城』を読み終えたら、辞書を片手に、それまでに読んだ3冊を、精読していこうかと考えています。

 第1作を読み始めたのは7月で、10月後半は、昨晩読み終えた第2作を寝る前に読む一方、空き時間を見つけては、アルセーヌ・ルパンの孫であるという設定のルパン三世の第4シリーズを見ていたわけですし(記事はこちら)、最近では台所で食事のしたくをするときに、




読んでいた本の朗読音声を聞くことも、時々ありました。フランス語は表記と音声の乖離が甚だしいので、聞いて理解するのが難しいのですが、本を読んでいたおかげで、料理をしながらでも、聞いていて言っていることが分かるところが時々ありました。上の映像は、語られている部分が文字として目で追えるのもありがたいです。

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 3作目を読み終えたら、入門書を再勉強するなど、本格的にフランス語の勉強も再開しようと考え中なのですが、こうして本を読んでいくだけでも、忘れていたフランス語の語彙や表現のおさらいになります。

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 今回読み終えた『ルパン対ホームズ』に登場するパリのモンソー公園(Parc Monceau)は、6年前に訪ねたことがあります。

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 というわけで、この記事には、そのモンソー公園の写真を、同じ日に撮ったオペラ座の夕景の写真と共に、添えてみました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by cut-grass93 at 2022-11-19 09:20
ホームズの性と名の頭文字を入れ替えるってスゴイ発想ですね。

それにしても英語、イタリア語、フランス語
とマルチリンガルで素晴らしい。驚きです。
Commented by koito_hari616 at 2022-11-19 15:36
こんにちは

昔々。。(小学生の高学年の頃)
ルパン vs ホームズ で喧々諤々と(笑)
小学生の時の友人たちとやりあっていました。。
とても懐かしいです~私はホームズ派ですけど。。
勿論、勝ち負けは付かなかったように記憶していますが
「ショルメス」と言うのは聞き取れましたよ💦
楽しいお話をありがとうございます
Commented by nonkonogoro at 2022-11-19 16:08
子供の頃は ルパンの大ファンだったので
少年少女全集かなんかの ルパンシリーズは
ほとんど読んだと思います。

奇岩城だけは
割と最近再読しました。
全然 わくわくできませんでした~( 一一)

あの頃は
ホームズには興味がなかったのですが
今では BBCテレビドラマのホームズのファンです。
今は ポアロの放送になっていますが
ホントにポアロもヘイスティングも
とても役になりきっていて 楽しいです。

ルパンの実写版は 
フランスでは あるのかしら?
Commented by meife-no-shiawase at 2022-11-19 22:04
なおこさんのルパン愛を感じられるとなんだか嬉しくなっちゃいます。
すごいですねーほんとに。
フランス語で読書とは・・・。尊敬♡

でも外国のものが子供たちにもこんなにも日本に浸透していたのはすごいです。
それだけストーリーにも魅力があるのでしょうね。

パリでのお写真も美しい。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-19 23:36
草刈真っ青さん、おっしゃるとおり、Sの位置だけを変えるとは、なかなかな発想ですよね。

フランス語は初級のまま勉強を中断してしまったのですが、イタリア語や英語との共通点が多いので、それでもなんと本が読めてしまうので、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-21 03:30
結うさん、こんばんは。
なんと結うさんは、小学校の高学年で、ルパン対ホームズ論争を繰り広げられていたんですね! わたしもホームズを読み始めたのは小学校の高学年だったように覚えていますが、実は中学生になってから、友人たちとルパン対ホームズで張り合っていて、わたしもホームズ派でした! ホームズは中学生の間に全作読み終えたのに、ルパンはルパン三世は好きでも、アルセーヌ・ルパンシリーズは一冊も読まずじまいだったのですけれども。

こちらこそコメントをありがとうございます。お仲間がいらしたと知って、うれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-21 03:48
のんさんはお子さんの頃からルパンの大ファンでいらしたんですね! わたしは社会人になって、フランス語の勉強を始めたおかげで、今になってようやく読み始めたところです。ホームズ派だったわたしは、中学生の頃にはホームズ作品はすべて読んだのですが、ルパンシリーズもかなり作品数が多いようですね!

推理小説はドラマ化したものもいいですよね。ルパンの実写版、フランスにはあるようです。
Commented by milletti_naoko at 2022-11-21 03:53
メイフェさん、アルセーヌ・ルパンシリーズを読み始めたのは、つい数か月前からなのですが、先月はアニメのルパン三世にはまっていたので、おっしゃるようにすっかりルパンづいています。フランス語の再勉強も、こうして読書を通すと、楽しみながらできるのがありがたいです。

ありがとうございます。ホテルの近くにあったおかげで、美しい公園を訪ねることができました♪
by milletti_naoko | 2022-11-18 23:49 | Film, Libri & Musica | Comments(8)