イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

和紙人形 着物姿の生誕場面も アッシジ世界のプレゼーペ展

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 12月4日、バールでの朝食のあと、アッシジ郊外のサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会(Basilica di Santa Maria degli Angeli)を訪ねると、

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Basilica di Santa Maria degli Angeli, Assisi (PG), Umbria 4/12/2022

修道院の境内には、幼子イエスの生誕場面を再現するプレゼーペ(Presepe)が、早くも設置されていました。

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 歴史上、世界で初めてプレゼーペを考案したのはアッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)で、1223年に聖フランチェスコがラッツィオ州のグレッチョで、実際の人物や動物を配して生誕場面を再現したのが、最初のプレゼーペだと言われています。


 上の写真のプレぜーぺでは、場面の中央、幼子イエスと聖母マリア、聖ヨセフの前に、聖フランチェスコの姿が見えます。また、生前の聖フランチェスコが仲間と共に祈って暮らし、最も心にかけた小さな教会、ポルツィウンコラ(Porziuncola)を包むように建てられた教会であるためでしょう、世界各国から数多くのプレゼーペが寄せられていて、毎年その中から選ばれたさまざまなプレゼーペが、イタリアで伝統的にクリスマスを祝う期間である12月8日から1月6日までの間、境内に展示されます。

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 イタリア各地の伝統的なプレゼーペはもちろん、


世界各地のプレゼーぺも、それぞれの土地独特の材料を使い、衣装や建物や人物の風貌にも、様々な文化が反映されていて興味深く、毎年見るのが楽しみです。

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 この日は急いでいたため、足早に通り過ぎた廊下で見かけた先の二つのプレゼーペと、こちらの日本のプレゼーペだけ、足を止めて見て、撮影しました。和紙でていねいに作られた人形や衣装のプレゼーペは、かわいらしくて趣があり、着物や贈り物の包み紙の色やデザインもきれいです。

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 背景に描かれているのが、桜ではなく梅のように見えるのは、きっと寒い冬であることを考慮してのことでしょう。


 教会のサイトを見ると、プレゼーペ展は12月8日からとあるので、修道院の回廊などに本格的に世界のプレゼーペを展示したのは、昨日からかもしれません。かつては上のリンク先にあるように、プロヴァンスの風景や地域独特の産業を再現した、とても大きなプレゼーペが設置されていたこともあり、


一方では、卵の殻や、トラジメーノ湖で採れた貝の中に生誕場面を再現したそれは小さなプレゼーペや、アッシジにある聖フランチェスコゆかりの教会を舞台としたプレゼーペも、展示されていたことがあります。

 いったい今年はどんなプレゼーペを見ることができるのか、今から楽しみです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:クリスマス2022
Commented by manyouka at 2022-12-09 20:18
本来は生誕祭、教会で見かけたような気がします。
宗教心の欠片も無い日本のクリスマス。
Commented by cut-grass93 at 2022-12-09 21:00
どなたかイタリアに在住の日本人が作られたのでしょうか。
ひな人形の要素も入って見事ですね。
Commented by harupita at 2022-12-09 21:10
なお子さん(^^♪こんばんは。
幼子イエスの生誕場面を再現するプレゼーペ・・この生誕シーンはあまりにも有名ですね。
世界で初めてプレゼーペを考案したのはアッシジの聖フランチェスコなのですね

世界各国からの様々なプレゼーペ集まるのですね・

やはり和紙のプレゼーペ
には、私も目が釘付け。
良く出来ていますね。

背景の梅の絵も、細かい細工も日本らしいです。
和紙のプレゼーペのを見せて頂きなんだか嬉しくなりました。

色々なプレゼーペを見る楽しみがあるんですね。これからも楽しみですね。葉流


Commented by tawrajyennu at 2022-12-10 13:32
こんにちは♪
今年もプレゼーベの季節ですね。
ドイツに行った時に、色々なのを見ました。
あちらでは、クリッペと言ったかな・・・・
世界中から、集まってくるなんてすごいです。
和紙で作られたものは、初めて見ましたが、可愛いらしいですね。
卵の殻や貝殻に再現された小さな世界も素晴らしいのでしょうね。
Commented by koito_hari616 at 2022-12-10 13:43
こんにちは

プレゼーベの最初はアッシジのフランチェスコだったのですね!
感動ですね。。長男の洗礼名がそうなのです
私と二人で「一度訪ねてみたいね」と、言っておりましたアッシジ。。。美しい村と聞いております
何時か行けるのかなぁ。。。と?

日本の梅の木も美しいですね、和紙で温かみが有ります
良いものを見させて頂きました
世界の平和を祈りたいです♰

Commented by katananke05 at 2022-12-10 20:42 x
日本からのこんな 和紙のプレゼーペもあるのですね〜
前にも書いたと思いますが
プエルトリコでみた 褐色の肌の
女子供が 頭にトロピカルフルーツをのせて 集まっている
プレゼーペも 届いてないかな?
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:22
万葉さん、キリスト教のクリスマスがかつての異教徒の冬至が来て日が長くなっていくことを祝う慣習を受け継いだものだとすると、クリスマスツリーと門松などの常緑樹の飾りにしても、子供への贈り物にしても、日本の元旦に通じるものが実は多いのではないかと、最近はそう感じるようになってきました。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:31
草刈真っ青さん、確かに聖家族の後ろに3人いますね! 生誕場面で近くにいるのは、たいてい羊飼いや天使なのですけれど、杖を持たせた羊飼いに、三人官女の風情を持たせているのでしょうか。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:34
葉流さん、こんばんは。

世界のプレゼーペ展では、石や真珠貝、木など、世界のそれぞれの土地の特産物などを使ってできたプレゼーペも飾られているのですが、そんな中、和紙を使って衣装でも日本の文化が伝えられるすてきなプレゼーペだなあと思います♪
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:40
こんにちは♪

タワラジェンヌさんは、ドイツでプレゼーペをご覧になったんですね! 

世界のプレゼーペ、あれこれ工夫が凝らしてあって、地域らしさが感じられるものが多く、毎年見るのが楽しみです。とっても小さなプレゼーペも、細部まできちんと再現してありました。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:46
結うさん、こんばんは。

まあ、なんと息子さんの洗礼名がフランチェスコなんですね! いつかきっとお二人でアッシジにお越しになれる日が、早く来ますように。

本当に皆の平和の願いが早くかないますように。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-11 02:53
katananke05さん、アフリカや南米の国々のプレゼーペは、石や木、トウモロコシの葉など、使い素材も、そうして人物の体格や肌の色なども、それぞれの土地柄が反映されていて、興味深いなあと思いながら、毎年見ています。プエルトリコのものもあったかもしれません。何せ数が多いので、毎年すべてを展示することはできず、一部だけを飾っているのだと思います。
Commented at 2022-12-14 05:37
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-14 06:22
鍵コメントの方、梅の花の近くを飛ぶのはウグイスでしょうか、ガラスのケースに映る梅の木と花もきれいですよね。

確かにこの帽子、かつての中国の帽子、始皇帝など皇帝や王の冠を思わせるところがありますね! なるほど。気づかなかったのですが、東方の三博士がはるばると遠い国から贈り物を届けたことから、かつての日本にとっての遠い異国ということで、昔の中国の王様の冠なども意識していたのかもしれませんね。

いろんな業者が、それぞれの国について、それぞれの文化に特有の商品をつくって販売するということもあるのでしょうね。
by milletti_naoko | 2022-12-09 19:57 | Umbria | Comments(14)