おいしくてお得でもちょっと残念なレストラン、パレストリーナ

　わたしたちが、ローマの東南東に位置するパレストリーナ（Palestrina）で、紀元前２世紀末に築かれた原初の女神フォルトゥーナの神殿跡を訪ねたのは、

１２月６日だったのですが、パレストリーナには、古代ローマ時代のフォーロの遺跡もあり、長い間閉鎖されていたそのフォーロ跡を、今月から無料で訪ねることができると、プラエネステ考古学博物館の方が教えてくれました。

Santuario della Fortuna Primigenia, Palestrina (RM), Lazio 6/12/2022
　そのフォーロの遺跡の入り口は、上の写真で鐘楼が見える教会がある広場にあるため、この日は長いながい階段と坂道を下って、壮大な神殿跡を訪ねたあとで、いったん博物館の建つ道路まで坂道と階段を登っていき（詳しくはこちらの記事）、それから別の坂道と階段を通って、はるか下方にある教会の方へと下っていきました。

　ようやくフォーロと同じ高さまで下った頃には、午後１時半を過ぎていたため、どこかで昼食を食べようと考えて、通りかかった地元の人に夫が尋ねると、「この道をまっすぐ進んでいくと、二つ目の広場にスケート場があって、その広場に面した店なら、何でもおいしいはずですよ」と教えてくれました。

　スケート場がある広場まで行ってみると、広場に面する店は二つあります。一つのレストランは、前にいる人に尋ねると、休業日とのことだったのですが、隣の店もおいしいですよと教えてくれたので、上の写真で奥にある店に行ってみることにしました。

　原初の女神フォルトゥーナの神殿や、当時はプラエネステ（Praeneste）と呼ばれていたパレスティーナの町が、古代ローマ時代にはどうであったかが分かる絵が、店内の壁に飾られていて、興味深いです。

　店には幸い空席があり、テーブルを選んで座ると、「本日のメニュー」（menù del giorno）を書いた紙を持ってきてくれました。

　わたしは炭火焼きポークステーキとキャベツの花芽（braciola con broccoletti）、

夫はスパゲッティ・アッラ・グリーチャ（spaghetti alla gricia）を注文して食べました。
ローマの近くにいるのだから、その郷土料理のグリーチャ（詳しくはこちら）のパスタを食べたいと言っていた夫は、メニューにはなかったこのパスタも作れるかどうか店の人に聞いて、作れますということだったので、注文しました。
　おいしかったそうなのですが、一人分だからと言って、皿に盛ることなしに、フライパンのまま運んできて、客の前のテーブルにどんと置くのはどうなのでしょう。夫もひどく食べにくそうでした。
　わたしのポークステーキは、骨の近くが赤くて生焼けだったのが残念だったのですが、おいしかったです。生焼けの豚肉を食べるのは非常に危険だということを、今になって知って反省し、少し心配しています。

　お通しと言ったらよいのでしょうか。注文してから料理が運ばれてくるまでの間に、こちらのピザの小片をお皿に載せて、持ってきてくれました。ピザの大好きな夫はとてもうれしそうでした。

　食後のコーヒーを頼んだときにも、いっしょにアニス風味のビスケットも運んでくれて、そういうサービスはとてもいいのです。ハウスワインの白ワインもとてもおいしかったです。

　こんなふうに食事の前にも後にも、さりげなくおいしい一品を添えてくれて、料理もおいしいのですが、レシートを見て、あらあらと思いました。最初に見たメニュー表では、わたしは写真を撮っておいたので目で確認できたのですが、１０ユーロであるはずのキャベツの花芽炒めを添えた炭火焼きポークステーキの値段が、レシートでは１２ユーロになっています。もともと１０ユーロが安すぎるほどの値段ではあり、結果的にはそれではじき出した合計金額から２ユーロ引いて３０ユーロとなっているので、請求されすぎているわけではないのですが、どこか腑に落ちないものがあります。
　ちょっと残念だったり、どうかなあという点もありはしましたが、知らない町で、おいしくてお手頃価格で食べられる店を見つけて、食事を楽しむことができてよかったです。

　このあとは、フォーロの遺跡を訪ねたのですが、店を出てすぐに前を通った石の壁から、冬だというのに元気に緑が育ち、健気で可憐な花が咲いていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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