霧と雲の間から差す日の光映すトラジメーノ湖

　今朝は久しぶりに、トラジメーノ湖（Lago Trasimeno）の北の湖畔にあるパッシンニャーノ（Passignano）を訪ね、岸辺に沿って歩きました。

Passignano sul Trasimeno (PG), Umbria 17/12/2022
　歩き始めたときには、湖は深い霧に包まれ、空も雲に覆われて灰色だったのに、帰り道には霧が晴れ、太陽の光が雲間からのぞいて、日の光に空が明らみ、

その空が湖に映って、とてもきれいでした。　

　上の地図中②の近くに長い桟橋が、その先端にマッジョーレ島行きの船の乗り場と切符売り場があって、湖に向かって長く伸びるその桟橋と切符売り場が、冒頭の写真のほぼ中央に写っています。②の近く、クリーム色で示されている場所は、パッシンニャーノの歴史的中心街で、冒頭の写真では左手奥の塔がいくつか立ち、

石造りの建物が並んでいるところです。そして、そのすぐ向こうには港があるのですが、この中心街や船の発着所、港の近くは人が多いために、駐車場は有料か、無料ではあっても３０分以内という時間制限があります。
　今朝はパッシンニャーノで、夫が駐車場を探しながらそろそろと運転していたので、中心街を離れて鉄道駅のさらに向こう、湖畔を周遊するサイクリングコースへの入り口近くにあるスーパーの駐車場に車を置いて、そこから歩きましょうと提案しました。
　ウォーキングの記録を見ると、先述の桟橋近くに②と記されていることから、その駐車場から桟橋までの距離が、ちょうど２kmほどだったことが分かります。

　歩き始めてから５分後に、ようやく道がトラジメーノ湖の方へと向かい、湖が見えてきました。左手、湖から離れた場所には青空が広がっているのに、湖の上やすぐ近くの岸辺は霧に覆われています。

　岸辺に沿って散歩道を歩いていくと、小舟で漁をする人も、すっかり霧に包まれています。

　金色の葉をまとったポプラの木々とその落ち葉が、白い霧の中に浮かび上がって、きれいです。

　さらに歩くと、奥の方に、夏の村祭りで魚を料理する巨大なフライパンが見えてきました。手前の桟橋の先端まで歩いてみたのですが、霧が深いために、空も湖も霧に霞んで見えます。

　他の湖畔に比べて、にぎやかで人も多いパッシンニャーノを、夫は普段は避けたがっています。にも関わらず、今日はここで歩こうと考えたのは、船乗り場がある桟橋に設置された水位計を見たいと思っていたからでしょう。
　最近は雨の日が続いているので、もうかなり水位が上がったのではないかと、今朝はうれしそうにそう言っていました。基準水位に比べて、まだ118cmも低いのですが、それでも夏に比べて少しずつ水の量が増えてきています。

　パッシンニャーノではしばらく前から、岸辺の遊歩道やその周囲がかなり広い範囲にわたって工事中になっていて、立ち入って歩くことができません。
　船乗り場のある桟橋を訪ねたあとは、さらに少し先、港近くの駐車場まで歩いて、それから元来た道を引き返しました。

　駐車場へと引き返していたわたしの目の前で、１羽のダイサギが湖の上を飛んでいきます。
　歩くにつれて、空には晴れ間が広がり、湖面の霧が少しずつ晴れていって、

日の光がこぼれ晴れ間が見える空と桟橋が、湖にきれいに映っています。
　冒頭の2枚の写真は、先の写真のダイサギを撮ったあと、この桟橋を再び通り過ぎるまでの間に撮影しました。

　空と雲を映す水鏡の美しさに感嘆しながら歩いていると、霧にすっかり隠れていたマッジョーレ島（Isola Maggiore）が姿を現し始めました。

　そうして、見えるようになったマッジョーレ島の前に、普段は重なってしまって見えにくいミノーレ島（Isola Minore）があるのが、今日は霧のおかげでよく分かりました。

　この同じ岸辺は、５５分前、行きに通りかかったときには、すっかり霧に包まれていて、少し先にある岬も、マッジョーレ島もミノーレ島も見えなかったのですが、わたしたちが散歩を終える頃には、その霧が晴れてきたのです。
　風景に見とれて、足を止めては撮影し、ゆっくり歩いたために、平均速度は３.６kmとかなり遅くなってしまいましたが、それでも１５分だけは有酸素運動ができています。
　久しぶりにトラジメーノ湖を訪ねることができて、そうして、雲と霧が晴れていく美しい瞬間を見ることができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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