イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

アルゼンチン勝利を喜ぶイタリアの家族

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 昨夕のワールドカップの決勝戦は、イタリア時間では午後4時からでした。わたしは、日曜日恒例の大家族での昼食のあと、片づけを終えてからウォーキングに出かけて、帰宅後、夫と義父、義弟夫婦、姪たちといっしょに、フランス対アルゼンチン戦を観戦しました。

 特に後半、フランスがあっという間にゴールを二つ入れてから、義父以外の皆が、時に立ち上がって大きな声をあげ始めたので、義父以外は、皆が明らかにアルゼンチンを応援しているのが分かりました。つい最近パリに4日間旅行したばかりの姪も、夫のすぐ下の義弟夫婦も、フランス旅行はよかったと言いつつ、フランス人は親切ではないと言います。わたしも夫も、フランスの人は親切だという印象を持っているので、それを皆に伝えはしたのですけれども。



 わたし自身は、パリで地図を見ていただけで、道を教えようとしてくれる親切な人に、何人も出会いましたし、夫の提案で急に行くことになった南仏では、まだスマートフォンを持たず、フランス語も知らないで旅行していたとき、宿が見つからずに困って、美しい中世の庭園の書店の人に尋ねたら、その人が受付の人に頼んでくれて、近くにあるいい宿を見つけてさえくれました。

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 けれども、決勝戦のときに、フランスを応援していたのは、義父とわたしだけだったようです。アルゼンチンの勝利が決まったときには、義弟も姪たちも夫も、立ち上がって喜んでいました。

 夫は若い頃、アルゼンチンには何度か旅行をしていて、かなり長期の滞在をしたこともあり、「友人もいるから、アルゼンチンを応援するのだ」と言うのですが、姪たちはどうも、フランスがあまり好きではないらしいのです。

 最初の70分の戦いぶりがあまりにもひどくて、眠っているようだったからとも、姪の一人は言うのですが、互いに近くにありすぎる国ゆえの競争心というものがどうやらあるようで、昨日は試合中に皆がアルゼンチンを応援するのを見て、驚きました。



 写真は、2016年6月にパリのロダン美術館の庭園で撮影した『考える人』のブロンズ像です。像のモデルとなったダンテには及びませんが、試合中の義家族の様子を見て、わたしも少々考えさせられたものですから。皆の言葉を聞くと、なんとなく妹が才色兼備で人気のあるお姉さんを、大切に思いながらもねたんで、ライバル意識を持っているような、そんな印象を受けたのです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by koito_hari616 at 2022-12-20 11:54
こんにちは

私も フランス推し でした
旅行したことも無いし知り合いもいないけれども
お洒落なフランスに勝ってほしかったですねぇ
マクロンさんも応援に参じておられたみたいだし(笑)
エムバベ選手ですか(舌を噛みそうな名前)
足が速いし凄いです!まだまだ、これからです
4年後も素晴らしい選手になっている事と思います
Commented by ciao66 at 2022-12-20 12:56
ワールドカップを見て「考える人」の像を思いつくとは!
フランスとアルゼンチンの試合は、ワールドカップ優勝戦らしい試合で、とても面白かったですね。
私も考えました。フランス人は親切だ、というご意見に私も賛成です。

旅行中にフランス人の親切に触れて嬉しくなった出来事が有り、その印象は今も残っています。https://ciao66.exblog.jp/14255369/

何処の国にも、親切でない人も親切な人もいると思うのですが、とても親切な方に出会ったか、とても不親切な方に出会ってしまったか・・・その印象に左右されるのでは。
Commented by kazu at 2022-12-20 17:14 x
こんにちは。ご無沙汰しています。色々おありになっても、なおこさんがお変わりなくいらっしゃることはブログで見させていただいて安心しています。このお話、日本では野球観戦のあるあるですね。遠い昔、父親が、神戸生まれの神戸育ちなのに巨人が勝てば、機嫌がよくなるのには、子供心に不思議でした。多分ジャイアンツファンだったのでしょうね。今はもう確かめるすべもありませんが。

さて、今イタリアに来ています。以前なおこさんも観光されていたブリーリアを巡っています。。三年ぶりにやっと来ることができました。なおこさんとお会いしたのはついこの間のことのように思いますが、もう八年も前のこと?時間が経つのは早いですね。これからもお元気でお過ごしくださいね。メルマガも楽しみにしています。
Commented by katananke05 at 2022-12-20 17:46 x
はいはい、、わたしは 神戸の教会のフランス人神父さんのほかは
フランス人には いい印象はありません〜
ボルネオの 島のキャビンで
一緒になったフランス人も
奥さんがとくに アジア人の我らを
蔑視だったし
パリで スリにあった時の 警察の扱いも ひどかったし、、
モンサンミッシェルの近くのホテルの 受付嬢も 翌日の天候を聞いた時に
ホテルなのに 英語をはなせな〜いと 冷たい顔でいうし〜
パリでは テレビでしてたけど
道をおしえてくれる、、けど
まるで反対を わざとおしえた、、というのを やってたし〜
まあ 田舎ではフランスでも
親切かもですが、、
大都会のパリはとくにひどいのかもですが、、
Commented by Solar18 at 2022-12-20 18:31
私、日本もドイツも応援しなかったけれど、アルゼンチンには勝って欲しいと心中願っていました(試合はハラハラするので見ないで、結果だけ待ちました)。
アルゼンチンには5回以上旅行したので親しみがあった上、市民がインフレその他で苦労をなさっているから、せめてサッカーで元気を出していただけたらと。
フランスは上手でいつも勝つから、一回ぐらい負けてもいいんではないかと思いましたよ。
Commented at 2022-12-20 20:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by meife-no-shiawase at 2022-12-20 21:34
私も夜中に頑張って応援しましたー。
実は台湾でスポーツくじを買っていて(笑)引き分けを買っていたので両チームを応援しました!!!

国への印象って友人関係とか、あと行ったことがあるないなどでまた変わりますね。
私もフランスへ行った時、すごく親切にしてもらった経験があって
すごくフランスの方への印象は良くなりました。
逆にいうと、ちょっと嫌な思いをした国は、国全体の印象が悪くなったりしますもんね・・・。

地獄の門。
上野で観ましたー。なにか上野に一体あるというのも不思議な感じがします。

サッカー観戦でご家族の色々な人間模様がちょっと見えたりしたのも面白い経験でしたね。笑。
Commented by harupita at 2022-12-20 21:37
なお子さん(^^♪

こんばんは。
過去ログ色々読んできたら
少し頭が混乱してきてコメントがまとまらなくなりました。

ロダンの「考える人」
京都国立博物館のお庭の
像には何回も会っていますが
いわれは、良く知りませんでした。

サッカーの決勝戦から派生して面白いですね。
フランス人もアルゼンチン人も私は会った事も無いので
特に好きでも嫌いでもないけれど、、フランス人のイメージは京都人のイメージと重なります。
自分たちの文化や言葉、伝統を愛しているから、そうでない人にはあまり優しくないのかな?そうでない人もたくさんいますが、漠然とそう思っていました。

フランスはまだ若いこれからの選手
アルゼンチンはもう次は無いかもっていうベテランの選手

やはりアルゼンチン応援しましたが、試合自体面白くて
私は連日寝不足です。

ご家族の皆様と楽しく観戦されて素敵なご一家ですね。
なお子さんもイタリアの地で
元気に暮らしていらして
嬉しくなります。💗葉流
Commented by milletti_naoko at 2022-12-21 17:37
結うさん、エムバベ選手の活躍、すばらしかったですね。マクロン大統領の応援ぶりも!

姪がアルゼンチンを応援していた理由の一つには、フランスはすでに世界一になったばかりだからということがあるようです。これからもきっとみごとな活躍を見せてくれることでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 06:36
ciao66さん、試合そのものについても書きたいことはいろいろあったのですが、実はこの日は本来は正午に終わるはずの通訳の仕事が終わったのが午後2時半すぎで、それから食事をして慌てて記事を書いたので、一番印象に残ったこと、つまり試合そのものより、皆がわたしには意外なことにアルゼンチンを応援していたことについて、焦点を絞って書きました。

ciao66さんも、フランスで親切な方に会われたんですね!

おっしゃるように、たまたま出会った人の印象に大いに左右されてしまうということが、どうしてもあるのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 06:50
kazuさん、こんばんは。お久しぶりです! ようやくまたかずさんが、この時期にイタリアを旅することができるようになったのだなあと、コメントと記事を拝読して、改めてそう感じました。ありがとうございます。わたしもかずさんが相変わらず入念に調べて旅を満喫されている様子、楽しく、また安心もしながら拝見しました。

神戸生まれでもジャイアンツファンである、そういう方ももちろんいらっしゃるのですよね。ペルージャにも、他のサッカーチームのファンである人は少なくないようですし。

プーリア旅行の記事、拝見しました。自分たちも訪ねたところも多いので、公共の交通機関を使い、かつ冬に旅をするとどんな様子なのかも分かって、興味深いです。お会いしたの、なんともう8年も前のことなのですか! 時が経つのは本当に早いですね。かずさんも、どうかお元気に旅をお続けくださいね。メルマガ、年末までにはまた頑張って発行するつもりでいます。ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 07:04
katananke05さん、わたしは……一度ホームステイ先の家族の娘さんが、わたしではなく別の留学生について悪く言っていたのを聞いたことがあるくらいで(それも、彼女が友達とのパーティー用に用意した料理を、その留学生が少し知らずに食べてしまったらしいという事情があるのですが)、あとは皆やさしくていい人だなあという印象があり、そのことに改めて感謝しています。

都会はどうしても人がそっけなくなりがちだなあというのは、わたしもカナダのトロントで感じました。

どうか今度出会うフランスの方は親切でありますように。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 07:13
Solar18さんは、なんと5回以上もアルゼンチンを旅されたことがおありなんですね! それだけ心魅かれるものがあって、もう長い間訪ねられていない今も、心にかけていらっしゃる国なのですね。

そうそう、フランスはもう優勝経験があるんだから今回は負けたっていいんじゃないかとは、うちの姪も言っていました。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 07:38
鍵コメントの方へ

そう言えば、姪の一人も、アルゼンチンチームは皆背が低いのに、フランス人のアフリカ出身の選手は背が高いので、ハンデがあって大変だと言っていました。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 07:56
メイフェさんたちは本当に大変な時間帯に起きていて応援をされたのですね。台湾でまでスポーツくじが売られているなんて!

皆が互いに親切にして、敬い合うような世界であればいいのだけれどと、今夜車の中、ラジオで流れたImmagineの歌を聴きながら、改めてそう思いました。地獄の門、上野にもあるんですね!

意外なときに、普段は殊更には口にしない思いが現れるということがあるものなのですよね。
Commented by milletti_naoko at 2022-12-22 08:07
葉流さん、こんばんは♪

過去記事まであれこれ読んでくださって、ありがとうございます。ロダンの考える人はイタリアでも有名な作品なのですが、ダンテにゆかりがあるということは、番組中の皆の反応からして、イタリアの人でさえ知らない人が多いのだと思います。

確かにフランスの人は言葉についてもとても大切にしているがゆえに、外来語は極力抑えようとしているのだということですよね。ただ、平等や異なる文化の尊重や人権ということも大切にしようという姿勢が、すべての人ではないまでも、フランスやイタリアには根本にはあるように思います。

これまで精一杯努力を積み重ねてきた皆が戦う、アルゼンチンを葉流さんは応援されたていたんですね!

日本では応援が難しい時間帯に試合が行われていましたものね。どうかゆっくりと、休めるときにお休みくださいね。

温かいお言葉をありがとうございます♪
by milletti_naoko | 2022-12-19 23:59 | Altro | Comments(16)