イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

天使のはしご美しい雪のラヴェルナ修道院

 金曜日に、雪の森を歩いてラヴェルナ修道院に到着し、十字架の立つ広場まで来ると、

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Santuario della Verna, Chiusi della Verna (AR), Toscana 17/2/2022

 雲間から差す日の光がかなり広い範囲にわたって、周囲の山野に降り注ぐのが見えて、とてもきれいでした。

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 ラヴェルナの森に入ってしばらくすると、道も森もすっかり雪に覆われていたため、この日は歩き始めてから昼食休憩も含めて2時間半後になって、

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ようやく修道院の境内に着くことができました。入り口の前に立つ聖フランチェスコと子供の像も、日の光に照らされています。

 平日は週末に比べて森を歩く人が少ないとは言え、ラヴェルナの森で他の人にまったく出会わなかったのは、十数年の間年に何度も歩いてきて、今回が初めてでした。

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 修道院の屋根にも雪が積もっています。

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 境内を通る道にも雪が積もり、岩の上に積もった雪のしずくが時々落ちて、日の光に輝いていました。

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 境内では、修道士やお参りに来たらしい信者の人、登山者あるいは巡礼者と思われる数名のグループに出会いました。

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 ラヴェルナ修道院を訪れるたびに、教会と十字架のある広場に来ると、こうしてその両方が入る写真を撮っています。

 金曜日は、わたしがここに来たときに、十字架のすぐ近くに修道士と観光客らしきカメラを構える人がいて、さらに少し離れたところには、同行者と思われるリュックを背負った男性たちが数人いました。

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 そこで、十字架と教会の写真を撮るのは後回しにして、まずは日の光が降り注ぐ美しい眺めを楽しみ、撮影しました。

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 目にするたびに神秘的で美しいと思う薄明光線、天使のはしごなのですが、太陽に兄弟と呼びかけ、自然を愛したアッシジの聖フランチェスコにゆかりの深いこの修道院の境内の、十字架の立つ広場からこの天使のはしごが見えたことに感嘆しました。

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 わたしが見ていたわずか数分の間に、太陽が雲間から顔を出し、日の光がいっそう強くなり、

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 日の光が投げかける筋の模様やその光の度合いも、刻々と変わっていきました。

 それですっかり風景に見とれて、いつまでも眺めたり撮影したりしていたら、夫がやって来ました。上から2枚目の写真を撮影した頃に夫に電話すると、夫はすでに修道院の小さな教会の中にいたので、わたしは「これから歩いて15分くらいで到着すると思う」と言っていたのです。夫が来たときには、その電話からすでに15分以上経っていました。

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 このあとは、幸いなことに雪がほとんどない石畳の道を下って、駐車場まで戻りました。

 クロッカスやマツユキソウの花、雪の森と天使のはしごを見られただけでもうれしくて、運がいいように感じられるのですが、ぽとすさんの記事のおかげで、天使のはしごはうれしいことの前兆、あるいはお知らせだと知って、さらにうれしく感じられます。

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 話は変わって、ラヴェルナ修道院の教会や十字架、建造物が崖の上に建つ様子は、崖から離れた車道からの方が、距離があるためにかえってよく見えます。こちらは、ラベッチャの駐車場へと向かう車の中から撮影した写真です。

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 一方、ラヴェルナの森に入るために、崖の方へと野を横切って歩くときは、冒頭の写真の大きい木の十字架は、普段は葉に覆われた木々に隠れて見えないのですが、

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金曜日は、木々が葉をすっかり落としているおかげで、その十字架を見ることができました。

 この野原から十字架がこんなにきれいに見えることはまずないので、珍しいこととして書き加えておきます。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:雪景色の1枚
Commented by goodlifegirl at 2023-02-20 14:15
雲間から降り注ぐ日の光、神々しいほどに美しいです。
天使のはしごと言うんですね、初めて知りました。
調べると、いくつかの条件が揃った時に見られるとても気象な現象なのですね。
なお子さん、とてもラッキーですね!
運気と強いエネルギーが味方してくれていますね(*^^*)
こんなに気象で縁起の良い、素敵な写真をたくさん見ることが出来、嬉しいです!
ありがとうございます。
Commented by koito_hari616 at 2023-02-20 14:48
こんにちは

木の十字架を見るだけで、何かを感じてしまいます
アシジのフランシスコはこんな雪深い時にでも
最初は裸足だったのかなぁ。。。と
後には貧そなサンダルになったのでしょうか?

それにしても、真っ青な空に木の十字架は神々しいですね
Commented by pothos9070 at 2023-02-20 15:20
こんにちわ~♪
記事の紹介ありがとうございます^^
素敵な天使の梯子が出ていますね~
十字架と一緒に写っているというのが、
なんとも天からのお告げみたいな感じがして、
さらに敬虔な気分にさせてくれます♪
私の撮った光芒は、多少「盛って」いますが(笑)
naokoさんのお写真は、とても自然で気持ち良いです~(^-^)
Commented by cut-grass93 at 2023-02-20 15:37
この古い木の十字架が以前から
何となく目に残っているんです。
これは何でしょうかね。
何故木でできているのか知りたくなりました。

指を立てたような岩の上にある修道院が厳かです。
Commented by ciao66 at 2023-02-20 20:28
天上から降り注ぐ光!雲間から降りてくる光が聖地にピッタリ、とてもいいものを見ましたね!

天使のはしごという表現は初めて知りましたが、実はフランスの旅の時に見たことが有るのを思い出しました。マルセイユにある地中海の崖の上の教会、ノートルダム・ド・ラ・ガルド、場所が場所だけに感動しました。
https://ciao66.exblog.jp/14305276/ 

きっといいことがあると思います!

Commented by katananke05 at 2023-02-20 22:12 x
修道院はいずれも 厳しい条件の場所に立ってることがおおいですが
ここは アッシジのフランシスコがいた修道院なのですね〜
いかにも厳しい寒さの中での 石の床でも
素足で修行していたという
フランシスコが しのばれるような場所ですね〜

素朴な木の十字架と
天使のはしご、、
敬虔な気持ちに なりますね〜
きっと すばらしい今年を
なおこさんは 送られることでしょう〜
Commented by meife-no-shiawase at 2023-02-20 23:13
天使のはしご。素敵な風景です。
それも良い知らせの予兆でもあるなんて・・・
どんな良いことがあるのでしょうね~♪楽しみですね♪

修道院。
趣があってこちらもまた素敵すぎます。
観光の方がいらっしゃるということは、中などは一般人でも入ることができるんでしょうか。

この石壁が前回も書きましたが特にすごいですね。
このような場所を選ぶのは眺めが良いからとか・・・
そういうのがあるのでしょうか。
日本のお城とはまた違う目的なのでしょうが・・・。
Commented by sunandshadows2020 at 2023-02-21 00:07
天使の梯子とは素敵な呼び方ですね。
神々しく思える光でもあります。
砂漠でも時々見られるので、良いことの前兆だったら嬉しいと思います^ ^
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 18:09
goodlifegirlさん、こちらこそ温かくうれしいコメントをありがとうございます。

これまでにも山や湖などで、日の入りの頃にはとりわけ美しい天使のはしごを何度か見たことはあったのですが、光がこんなに広い範囲にわたって降り注いでいるのは珍しく、また場所がラヴェルナの修道院であったために、より神秘的に感じられました。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 18:34
結うさん、こんにちは。
木の十字架の向こうに、周囲一帯に降り注ぐ日の光が見えて、神々しかったです。雪の日はさすがに足を守るために裸足ではなかったのではないかと思うのですが、どうなのでしょうね。フレスコ画でも聖フランチェコは裸足で描かれていることが確かに多いです。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 18:41
ぽとすさん、こんにちは♪
こちらこそ天使のはしごが幸せの前兆、あるいは天使が見守ってくれているということなのだと教えてくださってありがとうございます。

山や湖などで見かけたことはこれまでに何度かあったのですが、こんなにも広い範囲にわたっていて、そうして修道院の十字架の向こうに見えて、わたしもことさらに神々しくて美しいなあと感嘆しました。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 18:51
草刈真っ青さん、大きな十字架が木でできているのは確かに珍しいですね。他にも例えばやはりトスカーナのモデナとの州境近くの教会でも見かけたことがあるのですが(https://cuoreverde.exblog.jp/14565282/)、ラヴェルナの十字架が木でできているのは、ラヴェルナがアッシジの聖フランチェスコが聖痕、つまり磔にされたイエス・キリストと同じ場所に同じような傷を受けたとされる聖地であるためかもしれません。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 19:02
ciao66さん、ありがとうございます。
かなり広い範囲に日の光が降り注いでいて、場所が聖地でもあり、感嘆しました。

なんとマルセイユの海の崖の上の教会でご覧になったんですね。それはさぞかし美かったことでしょうね。さっそく見にうかがいますね。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 19:18
katananke05さん、本当にそうですね。厳しい岩の上に建ち、美しい緑の自然に囲まれた修道院は、聖フランチェスコが好んで歩き瞑想をし祈ったという森に囲まれていて、聖人が偲ばれる場所です。小さな教会といくつかの庵は聖フランチェスコの存命中に建てられたものである一方、写真に大きな鐘楼が写る教会や修道院は後世に築かれたものなのですが、聖フランチェスコが眠ったという岩の床もあって、訪ねることができます。

ありがとうございます。皆さんにとっても、わたしにとっても、うれしいことの多い年となりますように♪
Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 19:32
メイフェさん、ありがとうございます。ふだんでも敬虔な思いになれる修道院で美しい天使のはしごを見ることができて、感嘆しました♪

修道士の方たちが生活をする棟などは一般人は立ち入ることができないのですが、古来参拝や巡礼に訪れる人も多いので、食事や宿泊ができる施設や関連の本を売る本のコーナーもある土産物屋もあり、博物館もあって、二つある教会も訪ねることができるんですよ。すでに何度も訪ねてご紹介しているために、内部を訪ねたりご紹介したりすることが少なくなってしまっているのですけれども。

ラヴェルナは、聖フランチェスコの伝道を聞いて感動した伯爵が聖フランチェスコに贈った土地で、そのために聖人がしばしば訪ねて静修のときを過ごし、まずは存命中に小さな教会や庵が建てられた場所です。切り立った岩や自然や、人里離れていて静かに祈りや瞑想にふけることができる場所を聖フランチェスコが好んでいたためではないかと思います。

Commented by milletti_naoko at 2023-02-21 19:34
お転婆シニアさんは、砂漠でご覧になることが時々あるのですね。
天から地上まで降りてくるいく筋もの光が地上を照らす様子がはっきりと目に見えるから、そんなふうに呼ぶのでしょうか。いずれにせよとてもきれいで、おっしゃるように、どこか神秘的で神々しいですよね。
いいことが起こる前兆でありますように♪
by milletti_naoko | 2023-02-20 06:17 | Toscana | Comments(16)