イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ゴッホの絵と人生を語る演劇をアッシジで

 先週木曜日、2月16日は、アッシジの劇場で夫と『Van Gogh Café』を鑑賞しました。

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Teatro Lyric, Santa Maria degli Angeli, Assisi (PG), Umbria 16/2/2023

 カフェで繰り広げられる女主人や給仕、若い女性の踊り子たちが、ゴッホが生涯に取り交わした様々な書簡を収めた本を手にする古物商の訪れと語りをきっかけに、ゴッホの生涯や絵画に魅せられるという形でゴッホが語られ、かつその希望や苦難が舞台の登場人物たち自身の夢や葛藤にも重ねられていました。

 美しく力強いゴッホの様々な作品が、まるで登場人物がその最中にいるかのように舞台に映し出され、目を輝かせて古物商の話に耳を傾ける登場人物たちと共に、わたしたちもゴッホの世界に、そして、登場人物たちが生きるパリのカフェに入り込んだような錯覚さえ感じられました。俳優や女優たちが、わたしたち観客が座る席の通路に突然現れ、歩いてセリフを口にしたことさえありました。





 歌と踊りはあるのですが、踊り子たちが歌う歌は新たに書き起こされたものではなく、エディット・ピアフなどの名高い歌がほとんどだったので、ミュージカルと呼ぶのはどうかという気がします。わたしが知っている歌も多かったのですが、歌がすべてフランス語だったので、イタリア語の字幕があればありがたいなあと思うと同時に、もっとフランス語を勉強しておけばよかったと反省しました。

 歌や物語、踊りがすばらしく、また、ゴッホの絵を舞台にうまく生かし、観客にもその心やすばらしさを伝えているのがいいなあと思いました。

ゴッホの絵と人生を語る演劇をアッシジで_f0234936_03552722.jpg

 劇場は満席で、真夜中前に駐車場に向かうと、夜明かりに照らされたアッシジの町並みがきれいに見えました。

 この演劇は当日の朝にポスターを見かけた夫が、職場からわたしに見に行こうよと電話をかけて誘ってくれたのですが、口にはしなかったものの、バレンタインの贈り物という意図もあったのではないかと思います。思い出に残るすてきな夜を過ごすことができて、うれしかったです。

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Van Gogh Café. Commedia Musicale"
Tuffo nei dipinti dell'artista e nel suo mondo,
bella anche Assisi di notte dopo il teatro
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:今日いち「ハピネス」だった事
Commented by cut-grass93 at 2023-02-23 07:58
動画を見ました。
これは素晴らしいよ。
全く驚きました。
多分薄い生地のスクリーンの裏から投影しているのだろうけれど
雲や糸杉が動いていて、CGも駆使しているのでしょうが
全く不思議な舞台です。
踊りも素晴らしいし、映画があればぜひ見たいです。
Commented by cut-grass93 at 2023-02-23 08:08
追記
ブログと無関係ですが
思い出しました。

先日のトルコ地震
初日の2回は満月
次の2回は2週間後の新月
やはり大潮は怖いです。
Commented by koito_hari616 at 2023-02-23 11:42
こんにちは

お洒落ですね~♪

ご主人さまの粋な計らいも素敵です
フランス語、ボチボチでいきましょう♪

それから、アッシジの夜景も素敵です♪
Commented by ciao66 at 2023-02-23 16:25
なかなか素敵なポスターです。これを見たら行きたくなるでしょう。当日の朝にそれを見かけたとは!いいものとも出会いは一瞬・・・逃さずにお二人で見られて良かったですね。
ゴッホの美しく迫力のある絵が劇と一体化しているというのが素晴らしいと思いました。
フランス語ばかりというのはちょっとハードルが有りますが、絵と踊りと音楽が有るなら、なんとかなるでしょうか?

Commented by miimimi at 2023-02-23 17:24
ゴッホの絵を舞台に惹きこまれること間違いなし✨
素晴らしいですね!
YouTube映像を見ているだけでもワクワク♬
詳しくありませんが、何故かゴッホには惹かれます。
昨年みた角川のデジタルアートの「ファン・ゴッホ僕には世界がこう見える」を思い出しました。
舞台はもう何年も観る機会がなくご無沙汰ですが、いいものですね。
何よりも、なおこさんご夫妻が素敵です♡
思い出に残る素敵な夜が過ごせてよかったですね!
Commented by milletti_naoko at 2023-02-23 18:39
草刈真っ青さん、動画も見てくださったんですね!
おっしゃるようにかなり薄い生地の幕が、時に俳優たちの前、時に俳優たちの背景にあって、大きく映し出されるゴッホの作品の映像が美しく、音楽や踊り、物語の進行にみごとな視覚的効果を添えていました。電車に登場人物たちが乗り込んで、背景のゴッホが描いた作品を取り込み描いた風景が動いていくなど、発想もその結果も秀逸だなあと思いました。

地震も大潮、津波も恐ろしいですよね。報道を見るにつけ、地震にせよ雪崩にせよ洪水や土砂崩れにせよ、万一の災害に耐えうる家や町づくり、自然災害に次いで二次、三次の災害が起こらないように不法で土壌や命を危うくするような建造・開発を許さない姿勢が大切だと感じています。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-23 18:42
結うさん、こんにちは。
久しぶりに劇場での鑑賞を楽しみ、歌や踊りと共にゴッホの絵画も楽しむことができました♪

ありがとうございます。聖フランチェスコ大聖堂や丘の上の大城塞も照明に浮かび上がって見えて、夜景がきれいでした♪
Commented by milletti_naoko at 2023-02-23 18:57
ciao66さん、ゴッホの作品が物語にも舞台でも大きな役割を果たして、その美しさが生かされているということを、端的に伝えるポスターですよね。歌や踊りだけではなくゴッホの作品も楽しむことができました。ありがとうございます♪

イタリアの劇団だったので、セリフはほぼすべてイタリア語で、わたしも知っているちょっとしたあいさつのような言葉はたまにフランス語だったので、話は追うことができたのですが、歌も舞台の筋や内容に関わっているでしょうから、まったく知らない歌であったときは、歌詞が気になりました。イタリアでは今でこそフランス語は、たとえば姪たちが通っていた学校でも英語に次いで第二外国語としてスペイン語とどちらかを選択して学ぶという形になりましたが、夫やその前の世代には、学校では英語ではなくフランス語を外国語として学んでいたそうなので、それで字幕がなかったのか、それとも特に歌の意味を知る必要はないと劇団が考えたのか……
Commented by milletti_naoko at 2023-02-23 19:04
mimiさん、映像も見てくださったんですね!
そうなんです。以前にmimiさんの記事を拝見して、大きく映し出されるゴッホの色彩や映像の世界がすばらしいなあと思っていたのですが、まさかこんな形で、演劇を鑑賞しながら、主人公たちの人生にゴッホの夢や挫折の思いが重なる中、こんなふうにゴッホの作品を楽しむことができるとは思いもしませんでした。

ありがとうございます♪ ゴッホにはわたしも魅かれます。夫も、送った人生とは裏腹に、作品には強さと明るさ、美しさがあるので好きだと言っています。
Commented by harupita at 2023-02-23 21:52
こんばんは

今動画を拝見しました。
素晴らしい舞台だと凄く
伝わります。
ゴッホの絵と人生を語る演劇なのですね

こういう演劇に誘って下さる
なんて嬉しいですね。
夜明かりに照らされたアッシジの町並みも演劇の終りに見るとより美しいですね。

私も今日はゴッホのブログ書いていますよ。
偶然ですがここにきてビックリしました(#^^#)
Commented by meife-no-shiawase at 2023-02-24 00:41
ゴッホ♪
日本にいた時にゴッホ展に行けたり、美術館でもゴッホの作品を観たり・・・
身近に作品を観ると勝手にですが親しみが湧いて・・・
なおこさんの貼ってくださったのを拝見して・・・
私も是非観てみたい!って思いました。

字幕でイタリア語なら・・・というところで、改めて
なおこさん、すごいわ~って思っちゃいました♡
時々、Youtubeのなおこさんのイタリア語を聞いて喜んでいます。笑。また是非アップしてください♪
Commented by milletti_naoko at 2023-02-24 19:56
葉流さん、こんにちは。
動画も見てくださってんですね。ありがとうございます。
久しぶりの劇場、歌や踊りだけではなくゴッホの美しい絵画の数々の使い方が秀逸で、すてきな夜を過ごすことができました。駐車場に着いたときには目に入らなかった聖フランチェスコ大聖堂を、帰りは町の方向を見ながら長い間歩いたこともあって見ることができて、うれしかったです。

葉流さんの記事を拝見して、わたしも驚きました! 今年はゴッホの生誕150周年であるおかげで、例年にも増して世界中で縁の展覧会や演劇などが開催されているのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-24 20:08
メイフェさんも日本でゴッホ展などで、ゴッホの作品に触れられたんですね。いつか世界にこの演劇が羽ばたく日が来ますように。今年はゴッホ生誕150年ということで、いつにも増して世界中で様々な関連の催しが行われているようですね。

YouTubeのわたしのイタリア語というと、夫とカンムリカイツブリの恋の踊りを見ながら話していた言葉でしょうか。ありがとうございます。でもなんだか恥ずかしいです。

メイフェさんの記事を拝読してのコメントです。仰向けで寝ること、わたしも仰向きでは寝つくことができないので、肩や姿勢のためにはよくないだろうなあと思いつつ、うつ伏せで眠っていました。なんとシミもできやすくなってしまうとは! 太陽だけが原因ではなかったんですね。わたしもできるだけ仰向け寝に挑戦してみます。寝入ることができるのかしらと不安に思いつつも。いい情報をありがとうございます♪
Commented by katananke05 at 2023-02-24 21:53 x
本当に素晴らしい舞台ですね〜
不思議な空間を うまく つくりだしていますね〜
このような舞台は 日本で企画されたというのは まだ 知りませんが、、
ご主人様 おやさしいですね〜
Commented by milletti_naoko at 2023-02-24 22:08
katananke05さん、歌や踊りと共に、ゴッホの作品と映像美も楽しめる舞台でした♪
ありがとうございます。
Commented at 2023-02-26 09:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-26 18:23
鍵コメントの方、美しい言の葉をありがとうございます。そう言えばうちの夫、出会ってしばらくは、俳句をイタリア語で読んだりしたこともありました。

わたしもどの会話のことかなあと思ったのですが、記憶にあるのは、以前にコメントをくださったカンムリカイツブリの求愛の踊りの映像くらいなんです。撮るときも見るときも映像に気を取られて、自分たちの会話が入っていることに気づいていないこともあるかもしれないのですけれども。

ツイッターは以前に比べるとつぶやきは少ないのですが、できるだけブログの記事を多くの方に見ていただければと、記事を写真を多く添えて共有するようにしています♪ この場を借りて、おめでとうございます! 長年世界を愛して修練を積まれてのことだと思います。すばらしいですね。
by milletti_naoko | 2023-02-23 03:58 | Film, Libri & Musica | Comments(17)