イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

3年ぶりの家の祝福 ふだんの春が戻りつつあるイタリア、World Voice 連載

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 日曜の友人たちとの散歩では、山の家からミジャーナの村へと歩きました。

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Migiana di Monte Tezio, Perugia, Umbria 26/3/2023

 そのとき、上の写真の鐘楼が見える、かつての教会と

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その教会に併設されていた大きな家のそばを歩くと、

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 このかつての教会の周囲にも、野の花や木々の花がたくさん咲いていました。

 この元教会は、夫の今は亡き伯父が神父として勤めていた教会であり、教会に併設されていた大きな家は、その伯父の教会の活動を支えるために、義母が結婚前から母(夫の祖母)と共に暮らし、義父との結婚後はさらに、義父や生まれてきた息子たちとも暮らした家であり、そして、夫が生まれ、19歳まで育った家でもあります。

 山の中腹にある小さな村では過疎化が進み、四十数年前に夫が両親たちと共にミジャーナを後にしてペルージャ郊外へと引っ越したときには、後には一家族しか残っていなかったのだそうです。そのときには、ミジャーナは独立した教区ではなくなり、夫の伯父はすでにペルージャ郊外のテッツィオ山のふもとにある教区教会の神父となっていました。

 こんなふうに地域で過疎化が進んだり、あるいは最近では神父となる人が少なくなったりしているために、ペルージャでは年々、かつては独立していた教区教会が、他の教区教会と併合されていきつつあります。

 こうしたイタリアにおける地方の教区教会の統合や、この春3年ぶりに行われた神父による我が家の祝福、最近のイタリア全国における新型コロナウイルスの感染状況などについて、昨晩、ニューズウィーク日本版の姉妹サイト、World Voiceに、記事、「3年ぶりの家の祝福 ふだんの春が戻りつつあるイタリア」を書いて寄稿しました。

3年ぶりの家の祝福 ふだんの春が戻りつつあるイタリア、World Voice 連載_f0234936_22591252.png
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2023/03/post-52.php

 よろしかったらお読みいただけると、うれしいです。

 ちなみに、この夫が生まれ育った大きな家には、21もの部屋があったそうです。ところが、夫がペルージャの町中の学校に通っていたとき、家について作文を書く課題があってそう書いたら、誰も信じなかったんだと、夫は言います。その頃の夫の心境はいったいどんなものだったのだろうと、今この記事を書いていて、ふと思いました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:春を感じる1枚
Commented by yuta at 2023-04-02 07:56 x
イタリアでも過疎化が進んでるのですね。
こちらでは過疎化に伴う空き家が問題になってます。
勝手に誰かが住む、火災になるなど危険が伴います。
Commented by cut-grass93 at 2023-04-02 09:45
宗教の衰退は世界的現象ですね。
情報の少なかった昔は宗教と生活が一体化していましたが
インターネット時代では宗教の比重が激減したようですね。
教会や教区の衰退、合併は日本でも深刻です。

ご主人さんスゴイ家のお生まれなんですね。
それは面倒なことや不都合や大変なことが多いのでしょう。
Commented by nonkonogoro at 2023-04-02 10:37
21もの部屋がある建物は
もう残ってないのですね~
平屋だったのかな~

ミジャーナのお家は木造なのでしょうか?

Commented by koito_hari616 at 2023-04-02 14:22
こんにちは

何方の国でも同じですね
司祭不足、修道者不足ですね。。。
信者も隠れ信者(私のような💦)
復活祭はクリスマスよりも大切ですが。。
Commented by ciao66 at 2023-04-02 14:35
「ふだんの春が戻りつつある」という嬉しい状況は同じなんだと思いました。
イタリアでは美しい村も人が少なくなり、大きな教会も使われなくなって、残念なことですね。
日本でも過疎化であちこちで、鉄道だけではなくバス路線まで廃止されています。
残念な中でも、「ふだんの春が戻りつつある」というのは、やはりいい機会なのでしょう。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-02 23:30
yutaさん、やはり過疎化は日本でも問題になっているのですね! 火災や犯罪にまでなってしまうと、それは困りますよね。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-02 23:35
草刈真っ青さん、同じような現象が日本でも起こっているんですね。

夫の伯父が事故に遭ってやむなく退職するまでは、家族ぐるみで教会活動を支える必要があり、何かと忙しかったそうです。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-02 23:38
のんさん、その建物は、2枚目の写真で左手に写っている建物です。今は闘病生活を送られる方のための施設となっているために、残念ながら部外者が訪ねることはできなくなってしまっています。

昔ながらの石造りの家です。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-02 23:47
結うさん、こんにちは。
やはり日本でも同じように問題となっているのですね。

復活祭が近づいて、スーパーには大きなチョコレート卵がたくさん並び始めています。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-02 23:53
ciao66さん、教区や教会が併合されてしまうと、併合された教区の中の教会で、ミサの日程を土日に割り振るため、特に高齢者の方がずっと通い慣れていた教会で、ミサが日曜ではなく土曜にしか行われなくなってしまい、それがきっかけで通わなくなってしまう方もいるそうです。

過疎化による便の減少はこちらでもありますが、なんと鉄道もバスも路線が廃止されてしまうとは! 村に残る方の暮らしが不便になりすぎることのありませんように。
Commented by goodlifegirl at 2023-04-03 13:33
過疎化が進んで教会も合併されているんですね。
私の出身中学校は、少子化過疎化で近くの中学校と合併されなくなりました。

ご主人様の伯父さまは神父さんなんですね。21もの部屋があったとは!家族皆様で教会活動を支えてこられたんですね。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-03 15:41
goodlifegirlさん、なるほど日本では学校も少子化や過疎化で合併されているのですね。母校がなくなってしまうのは寂しいですよね。そう言えば、わたしが通った高校は、今では中等教育学校になっているようです。

例えば夫は教会の大きなプレゼーペの設置などを担当していたようで、皆、かなり大変だったようですが、今では当時のことを話すときは、懐かしそうです、
Commented by meife-no-shiawase at 2023-04-07 00:05
過疎化・・・
なにかちょっと意外な感じがしました。
それは若い方のお仕事をする場所が少ないから・・・とか、
そもそも子供の数が減ってきているから高齢化してきているとかもあるのかな・・・
悪循環ですよね・・・交通の便などが悪くなったりして
ますます過疎化が進んでしまったり。

ご主人さまのお家はそんなにもお部屋があったのですか!
どれだけ大きなお家だったのでしょう。
迷路みたいに迷っちゃうようなお家だったのかな。笑
Commented by milletti_naoko at 2023-04-08 04:53
メイフェさん、夫たち3兄弟は朝とても早く起きて2、3時間かかって、ペルージャの学校まで通わなければいけなかったそうです。農家に生まれて、けれど役場や工場などで職を得ようとすると山の小さな村からは遠いこともあり、おっしゃるように仕事ができる場所がないこと、交通の便が悪いこともあって、過疎化が進んでしまったようです。

大きい家なので、普段は使われていない部屋も多く、冬はかなり寒かったようです。迷ってしまったという話は聞いたことがないのですけれども、夫たちが幼い頃、あるいはお客さんが来たときは、そういうこともあったことでしょうね。
by milletti_naoko | 2023-04-01 23:02 | Umbria | Comments(14)