イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23355632.jpg
 土曜日、かつて美しい藤を見た場所を訪ねようと、オルヴィエート(Orvieto)の中心街を歩いていたら、

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23261550.jpg
Orvieto (TR), Umbria 15/4/2023

まだきれいに咲く椿の花があり、

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23324242.jpg

大きな桜の木に白い花が咲きほこっていました。

 少し歩いた先に、今は正教会(Chiesa ortodossa)の教会として使われている古い教会があり、その扉が開いているのを見て、夫が入っていくので、わたしも後について入りました。

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23355632.jpg
Chiesa di San Lorenzo De'Arari

 中に入ると、ちょうど翌日が正教会の復活祭だったので、信者の方が復活祭を祝うための祭壇の準備を終えようとするところでした。この教会の内部を見られることはまれなので、写真を撮ってもいいですかと尋ねると、「ぜひどうぞ」と温かい返事をいただき、

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23395249.jpg

もっと近づいて撮影してもいいですよと言ってくださったので、近くからも写真を撮りました。

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23494410.jpg

 壁には、聖ロレンツォ(San Lorenzo)の生涯を描くフレスコ画があります。

 イタリアではカトリック教徒が最も多く、2021年の調査によると、イタリア人(itaiani)の82%がキリスト教徒で、うち79.7%がカトリック教徒(cristiani cattolici)であるとのことです。

椿・桜咲くオルヴィエート 正教会の復活祭とイタリアの正教徒_f0234936_23520999.png
https://italiaindati.com/le-religioni-in-italia/

 一方、イタリア在住の外国人(stranieri)は、51.8%がキリスト教徒で、うち28.8%が正教徒(cristiani ortodossi)、17.7%がカトリック教徒、次いでイスラム教徒(musulmani)が33.3パーセントとなっています。そして、上のグラフを見ると、イタリア人の中にも正教徒がいることが分かります。

 この日、オルヴィエートの教会で復活祭の準備をしていたのはモルダビア出身の女性で、異国に暮らしていてもこうして自らの宗教の祝いごとが自由にできてうれしいと語ってくれました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

ブログテーマ:春を感じる1枚
Commented by blackfacesheep2 at 2023-04-19 15:29
イタリアと言えばバチカン、カトリックの層元締めですよね。
なのに、ビザンチンな正教会もあるんですか、知らなかったです。
やはり東方教会の雰囲気は独特ですね。
愛知県の豊橋にも、豊橋ハリストス正教会があります。
内部を見せてもらったことがありますが、やはり金色が卓越してましたね。
十字架の形も八端十字架で、エキゾチックでした。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-19 17:02
黒顔羊さん、なんと豊橋にも正教会があるんですね! かつてのビザンチンの影響の色濃い教会では、カトリック教会でも金色が目立つのですが、正教会は尚更ですね。

先日黒顔羊さんにいただいたコメントをきっかけに、イタリアの正教会についていつか記事にしようと考えていた矢先に、たまたま開いている正教会の、しかも復活祭のために花を飾るなど準備が整った内部を見ることができたので、記事にしてみました。いいきっかけをくださって、ありがとうございます。イタリアの宗教については、寄稿記事にしてもおもしろそうです。……と、アイデアだけはすでにいろいろあるのに記事にできていないのですけれども。
Commented by ciao66 at 2023-04-19 18:35
イタリアの正教会というのは珍しいですね!イタリアでは私は遭遇したことが無い気がします。気付かなかっただけかもしれませんが。
ギリシャやイスタンブールでも見ましたが、正教会らしい祭壇は様式は同じでも、少しイタリア風に明るい感じがしました。
仙台にも正教会は有りますよ。でも中に入ったことは有りません。興味本位では入れない雰囲気が有るかも・・・。
Commented by koito_hari616 at 2023-04-19 18:50
こんにちは

正教会はフレスコ画ですね。。。
以前は余り好まなかったのですが最近は良いなぁと、思います

荘厳なお御堂ですね
自然にこうべを垂れます
Commented by milletti_naoko at 2023-04-19 23:11
ciao66さん、イタリア人の中にも正教徒がいる上に、東欧から移民としてくる人もイタリアには多いので、イタリア各地に正教会の教会があって、ペルージャの中心街にもあるんですよ。夫が興味津々で、正教会という案内を見かけると、教会の前に立ち止まってのぞこうとしています。確かにカトリックの教会を訪ねるのも、教徒の人だけではありませんよね。

なるほど同じ正教会でも、国や地域によってまた違いがあるのでしょうね。ここは、もともとはカトリック教の教会であったことでもありますし。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-19 23:13
結うさん、説明が少なくて分かりにくくてすみません。

このフレスコ画は、まだこの教会がカトリックの教会として使われていた昔に描かれたもので、イタリアの古いカトリック教会にはこういうフレスコ画が多いんです。

おっしゃるように荘厳で、翌日の復活祭に向けての祝いの心が、清らかな白い花からも感じられました。
Commented by harupita at 2023-04-19 23:18
なおこさん

こんばんは。

椿の花、とても美しいですね。
さくらの白い花も満開ですね。

あまり見ることが出来ない
正教会の内部、しかも復活祭の準備の整った祭壇の
写真撮影が許されるなんて
良いタイミングでしたね。

教会内部などはあまり撮影出来なのかと思いました。

すみません。
宗教の事があまりわからないのでコメントがきちんと出来ませんが
イタリアではイタリア人(itaiani)の82%がキリスト教徒で、うち79.7%がカトリック教徒(cristiani cattolici)
なのですね。

イタリアでは宗教が暮らしの中にしっかりと浸透していますね。
Commented by katananke05 at 2023-04-20 10:53 x
なんと美しい教会でしょう〜
お花の飾りも とてもゴージャスだけど 白いカラーが
また 清らかで、、
正教会だけど以前のカトリック教会のままの 装飾なのですか、、
簡素な我が教会と大違いですが
訪れて見たいです〜
Commented at 2023-04-21 12:04
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-21 15:07
葉流さん、この教会の近くに、鉢植えの大きな椿が並ぶ家があるのですが、まだきれいに咲く花があって、うれしかったです♪

教会の方が親切で、撮ってくださったらこちらこそうれしいですと言ってくださったので、よかったです。

世俗化とさまざまな宗教を持つ移民が年々増えていくことによって、イタリアの宗教にも少しずつ変化が起こっています。
Commented by milletti_naoko at 2023-04-21 15:23
katananke05さん、清楚で高貴な白いカラーの花が、金色に輝く正教会の内装によく合っていますよね。

教会は歴史のある建造物でもあり、本来の壁などはそのまま残して、間にこうした正教会ならではの大きな聖障や祭壇を置く形で利用しているのだと思います。

いつかご自身で訪ねることができる日が来ますように♪
Commented by milletti_naoko at 2023-04-21 15:24
鍵コメントの方、こんにちは。

日本にも各地に正教会があるんですね。イタリアは信者としてだけではなく観光地としてカトリック教会を訪ねる人も多いので、訪問や撮影に寛容である場合が多いのかもしれませんね。

本来の装飾を保ちながら、正教会として利用できるようにという知恵と配慮がいいなあと思いました。
by milletti_naoko | 2023-04-18 23:51 | Umbria | Comments(12)