とびきりの夕景につい席を立ち岸辺へと走るトラジメー湖

　５月４日木曜日は今年初めて、トラジメーノ湖（Lago Trasimeno）の岸辺のお気に入りの店の

Giramondo Ristorante Pizzeria, San Feliciano, Magione (PG), Umbria
屋外席で食事をしました。先週もすでに屋外で食べている客はいたのですが、夫が外はまだ寒いと言うので、屋内で食べたのです。

　ポルヴェーセ島からサン・フェリチャーノへと客を運び、１日の仕事を終えた船が、停泊するためにパッシンニャーノへと向かっています。

　屋外席と屋内席を仕切るガラス窓も、この日は開いていて、そのさらに奥にあるガラス窓に、わたしたちも湖の夕景も映っています。

　この日はわたしは、湖でとれた魚が味わえるトラジメーノ湖の前菜（antipasto del Trasimeno）を、

夫はトマトソースとモッツァレッラ、ゆで卵とアンチョビが載ったピザを食べました。

　湖が雲の層の中に入っていきます。

　雲の間からのぞく夕日が輝き、湖面にも映っています。

　屋外のテラス席でなら、大勢の人の頭越しではなく、湖に沈む夕日の眺めをじっくりと楽しみながら食事ができるのがありがたいです。

　そうなのですが、まさに夕日の美しい瞬間と思われるときに、食事中に席を立って、カメラを片手に何度か岸辺の方へと走っていきました。左には木が、右には木の枝があって、思うように撮影するのが難しかったからです。
　行儀が悪いのですが、美しい夕景との出会いは一期一会で、この店にはそうやって、夕日がきれいというときに席を立ってテラスや岸辺の方へと歩いていく客が他にもたくさんいます。

　沈む直前には、オレンジ色の夕日が雲の層の下に、きれいに見えたのですが、写真には白く写っています。

　雲と湖を茜色に染めながら沈んでいく夕日を、岸辺近くまで走っていって写してから、再び走って席に戻り、夫といっしょにテラス席から見送りました。

　沈んだ夕日に照れされて、上空の雲が桜色になり、湖も桜色をしています。
　この雲のピンク色が残っているうちに、湖の近くに行きたいと思ったのですが、会計のときになじみの店の人との話がはずみ、

外に出たときには、空はたそがれの色をしていました。

　店の主人や客が食べ物をやるようで、最近はこの芝生の上で、マガモ（germano reale）を見かけるようになりました。

　湖を後にして駐車場へと向かうと、店の屋根と木々の上に、まるい月がきれいに見えました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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