イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

藤の花求めて友とペルージャめぐり

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 4月29日土曜日は、2019年の女性写真展でわたしが詩と俳句を作品に添えることになって知り合った写真家の友人、アントネッラ・ピゼッリ(Antonella Piselli)と、


ペルージャの町を歩き、花盛りの藤を訪ねて撮影しました。

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 最初に目指したのは、サン・ピエートロ教会(Basilica di San Pietro)です。白い月が鐘楼のすぐ近くに見えていました。



 2014年にみごとな藤の花が元修道院の建物を覆うように咲く姿に感嘆して、以後も何度か足を運んだのですが、休園だったり感染拡大防止のための規制があったりして、入ることができずにいました。

 今年こそ見られるだろうと、アントネッラと訪ねるのを楽しみにしていたのですが、今はペルージャ大学農学部の学舎として使われている元修道院には、大学が休みである土日は入れないとのことで、またも藤に会うことができませんでした。

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 けれども、鐘楼の屋根の上にある円球を、かつてなんと自ら登って掃除していたというサン・ピエートロ教会の神父さんを、アントネッラがよく知っていたおかげで、その神父さんにあいさつするために、

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あいさつのための短い時間なら無料でいいよと、入り口で言ってくれた男性の言葉に甘えて、久しぶりに教会に入ることができました。

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 祭壇の後方、上の写真では中央に写っている扉は、たいていの場合は閉ざされているのですが、この日は幸い開いていて、

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神父さんの後ろについて小さなテラスに出て、緑の風景を楽しむことができました。写真の奥、やや右手に霞んで見えている横長の台形の山は、

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アッシジ歴史的中心街を中腹に抱くスバージオ山です。

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 神父さんにあいさつをし、教会を後にしてからは、かつて見た別の藤の花を見ようと、ペルージャ外国人大学の方を目指して歩きました。門を通って後ろをふり返ると、アーチの向こうに教会の鐘楼が見えています。


 目指して歩いたのは、こちらの藤です。たどり着いてみると、残念ながら、上の写真と同じ角度からは、花にそれほど勢いがないように見えたのですが、アントネッラに言われて、扉が開いているのに気づき、中に入ってみると、

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下方の藤はまだ花盛りで、

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きれいに咲いていました。

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 そうして、傾き始めた夕日にほんのりと染まる藤の上に、白い月も小さく見えました。

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 遅くなってしまったからと帰りを急ぐと、上空をツバメたちが飛び交っていました。

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 一番近道に思えた道を歩いていたら、奥にこんなみごとな藤が咲く家もありました。

 久しぶりに友達に会って、おしゃべりと散歩、撮影を楽しむことができてよかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2023-05-12 08:12
素敵な藤の花をたくさん見ることができて
良かったですね~(#^^#)

ペルージャ周辺の山は
上が平な形のが多いのですね。
なだらかな丘のような 優しい風景ですね。

Commented by ciao66 at 2023-05-12 08:54
祭壇の奥の扉を開けると眺めのいいテラスが有るとは!
大きな教会には隠された、普段は見れない良いスポットが有るんですね。
 このサン・ピエトロ教会は街歩きの最中に立ち寄ったことが有ります。三角の遠くからも判る鐘楼で思い出しました。日曜日のミサの最中でそっと覗いたのですが、美しい歌声が清らかで印象的でした。
 別のスポットで、ドアを開けたら美しい藤の花が残っていて、いい写真が撮れましたね♪フジと月のコラボは、ちょっと珍しくて新鮮だなと思ったのです!
Commented by cut-grass93 at 2023-05-12 09:01
聖ピエトロは聖ペテロですから沢山同名の寺院があるんですね。
あの有名な大聖堂も。
以前私が描いたのはリグーリア州のもの。

ここの教会の内部も鐘楼も素晴らしいです。
神父さんに面会するのは有料なんですね。驚きました。
Commented by koito_hari616 at 2023-05-12 15:39
こんにちは

イタリアの国花は藤の花?って言いたくなるような
見事な藤の花。。。
日本のように藤棚では無くて、自然な感じに仕立てて
見事です
お友達との再会とお喋りは更に良かったですね

アッシジのスパージオ山。。こうやって見ますと
感慨もひとしおです
Commented by milletti_naoko at 2023-05-12 16:23
のんさん、ありがとうございます。
予想していないところにも、すばらしい藤の花があって、花を楽しむことができてうれしかったです♪

このスバージオ山とペルージャのテッツィオ山がどちらも横長の台形(見る位置にもよるのですが)をしているためか、「双子の山だ(兄弟の山だ、だったかも)」とアッシジの聖フランチェスコが言ったという言い伝えが、テッツィオ山の村に昔あったそうです。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-12 16:32
ciao66さん、夫は知っていたようですが、いずれにせよ開いているのに出会うことがめったにない扉だそうで、神父さんが「この先に神の芸術作品がある」とおっしゃっていました。緑や自然の風景ということだと思います。

かつてに比べて今は照明のおかげで内部の様子が分かりやすいのですが、いつの間にか入場が有料になっていて、しかもその値段が6ユーロと高いので驚きました。

ありがとうございます。藤の上に見える小さな白い月がきれいでした♪
Commented by milletti_naoko at 2023-05-12 16:45
草刈真っ青さん、そうなんです。サン・ピエートロはイタリア半島にカトリック教を伝え、教会の礎を築き、最初のローマ教皇となった聖人なので、聖ピエートロに捧げられた教会や寺院はイタリア各地、いえ、世界各地にたくさんあります。

いえいえ、神父さんとの面会は無料なのですが、教会に入るのに入場料が必要なんです。数年前までは無料だったので残念です。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-12 16:49
結うさん、こんにちは。

花が自由に育って伸びて、家や門、壁を包むからか、花の時期にはみごとな藤をあちこちで見かけて、感嘆しています♪

ずいぶん前からいつか会いたいねと言っていたので、こうやって花も愛でながらいっしょに歩くことができてよかったです。

スバージオ山、自然や一人での瞑想を愛した聖フランチェスコが、きっとよく登って、森を歩いたことと思います。聖フランチェスコの足跡をたどる巡礼路もこのスバージオ山を通るんですよ。
Commented by katananke05 at 2023-05-13 09:47 x
なおこさんの 周りには いっぱい藤の花が見事な場所があるのですね〜
どこも自然のままに 植えられていてそれもとても 好ましいです〜
教会が入場料をとりだしたことは
防犯上の理由もあるかとおもいますが 日本では 神社仏閣が入場料を取り出したのは
もう六十年くらい??前からで
それも 税金がかからないということらしく、、 
京都のように 大勢の人が訪れるのに それでも無税というのは
ちょっとですね〜

たまたま読み終えた小説が
「Brother sun Sister moon]
なんだか聞いた言葉とおもったら
セント フランシスの ことでしたね〜
彼の話ではない 恩田陸のしょうせつですが、、
Commented by ririrouzu at 2023-05-13 12:25
素晴らしい写真を拝見できてうれしいです。さすがプロですね!それでわかりました貴方の写真がとても普通の人と違う事がわかりました。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-13 15:39
katananke05さん、どの家かすぐに分かるので、家の写真を載せてはいないのですが、うちのすぐ近所にも門の藤がみごとな家がいくつもあって、前を通るのが楽しみでした。

なるほどそう言えば日本はかなり以前から拝観料をとっていますよね。

なんと聖フランチェスコを主人公にした映画と同じ題名の小説とは!
Commented by milletti_naoko at 2023-05-13 15:40
ririrouzuさん、温かいお言葉をありがとうございます。記事が分かりにくかったでしょうか、すみません。写真展にはわたしは詩と俳句を添える詩人役として参加したんです。
by milletti_naoko | 2023-05-11 23:22 | Umbria | Comments(12)