イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

一面の口紅水仙カステッルッチョ

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 今日、5月21日日曜日は、カステッルッチョ(Castelluccio di Norcia)の高原一面に咲く自生の水仙、口紅水仙を見るのを楽しみに、朝ペルージャの家を出発しました。

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Pian Grande di Castelluccio di Norcia, Norcia (PG), Umbria. 21/5/2023

 2週間前にフィオンキ山に自生の水仙を見に行ったときから、夫はそろそろカステッルッチョの高原にも水仙が咲いているのではないかと言っていたのですが、わたしが3年前の記事で5月18日に水仙が高原を覆っていたのを確認して、この週末に行こうと話していたのです。

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 道路脇の駐車場に車を置いて、高原の奥の方に見える白い筋、水仙が咲いていると思われる方を目指して歩いていると、レモン色の自生の蘭(orchidea selvatica)の花が咲いています。

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 上から見ると、星の形をしているように見えるこちらの花は、今回初めて目にしたように思います。

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 ずっと楽しみにしていた自生の水仙(narciso selvatico、学名はNarcissus poeticus)が、予想どおりに今ちょうど花盛りで、うれしかったです。もう枯れかけている花もありましたが、つぼみもあちこちで見かけました。

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 水仙が咲きほこる方へ、山の方へと歩いていく夫の後を追っていきます。

 この頃からぱらぱらと雨が降り始めたので、

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夫はケーウェイ、わたしはレインポンチョをリュックサックから取り出して着ました。水に遮られて、向こうに進めないので、しばらく歩いて、楽に渡れそうなところを探しました。

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 水面に、白い小さな花がたくさん咲いています。

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 水を渡ったすぐ先の斜面には、いろんな色をしたビオラ・カルカラタ(viola di monte)がたくさん咲いていました。

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 自生の水仙も咲いています。

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 赤紫色の蘭の花も、あちこちに咲いていました。

 雨が降りやまず、足元の地面が水に覆われているところが多くなってきたので、2km余り歩いてから引き返すことにしました。

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 おなかがすいてきた頃に、ちょうど雨がやんで晴れ間も見えていたので、昼食を食べることにしました。なぜかドラム缶があったので、テーブル代わりにして、行きがけに店に寄って買ったサンドイッチやピザ、野菜のおかずを取り出して、上に置いて食べました。

 ヴェットーレ山の山頂付近も、カステッルッチョの上空の空も、雲に覆われています。食べている途中に、また雨が降り始めたのですが、幸いぱらつく程度だったので、そのまま食事を食べ終えました。

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 駐車場の車へと歩いていくと、青い空と白い雲が水面に映ってきれいです。この写真を撮った5分後には、

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再び降り出した雨がどんどん強くなりました。上の写真は、かなり前方にいる夫とその周囲を、ズームで4.2倍に拡大して撮影したものです。

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 カステッルッチョの周辺はこの頃どしゃぶりの雨が降っていたのでしょう。丘も丘の上の村も灰色に煙って見えなくなってしまいました。

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 と思っていたら、わたしが歩いていたあたりも、カメラのレンズが濡れてしまうほど、雨が激しくなりました。そこで、カメラは片づけて、足元に気をつけながら、一足も二足も先に夫が戻っている車の方へと速足で急ぎました。

 ようやく車にたどり着いて、濡れたレインポンチョを脱ぎ、登山靴から履き替えたりしている間に、ところが雨がやんで、太陽が顔を出し、青空が見えてきました。けれども、花の写真を撮ったりしながらゆっくりとではありますが、すでに4.81kmを2時間9分かけて歩いていましたし、カステッルッチョの向こうの山にはまだ雨が降っているようだったので、帰途につくことにしました。

 一つの天気予報サイトでは、今日のカステッルッチョは雨は降らないとのことで、もう一つの予報サイトでは午後3時以降に降るとなっていたのですが、実際には12時半頃から2時過ぎまで雨が降って、以後は空が晴れました。今日は久しぶりに雨が降らない日だからと出かけて、結局はちょうど歩いている途中に雨に降られてしまったのではありますが、楽しみにしていた水仙の花をたくさん見ることができてうれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:今日いち「ハピネス」だった事
Commented by cut-grass93 at 2023-05-22 07:59
広大なスイセン畑が素晴らしいです。
最盛期を過ぎているようですが素晴らしいです。
このスイセンは日本の古来のものに姿が似ていますが
香りはどうなんでしょうか。
私はあの香りが好きです。

山の上の白い筋は雪なんでしょう。
雨は寒々していそう。
Commented by goodlifegirl at 2023-05-22 14:50
見渡す限りの水仙に続いて蘭の花等々、素晴らしいです(*´▽`*)
前方の山は雲に覆われていたかと思うと、晴れ間の写真だけ見るとお天気が良さそうにみえたり、やっぱり山のお天気は変わりやすいんでしょうか。
雨の中の大変そうなウォーキングも、楽しまれている様子で流石です(^^♪
Commented by milletti_naoko at 2023-05-22 18:09
草刈真っ青さん、ありがとうございます。
今回は日曜とあって、一番歩いてみたかったところには駐車場が見つからなかったので、去年と同じ場所を歩けば、もっと一面の花の中を歩けたかもしれません。今年は雨が多かったので、水田のように数センチの水の中に草が生えている状況になっているところも多く、そういうところには花は咲いていませんでした。

水仙は下を向いて咲いているので、写真を撮るのも香りをかぐのも難しく、今の季節はわたしは花粉症でにおいが分かりにくくなってしまっているので、香りについては今度夫に聞いてみますね。

山の上の白い筋は雪です。おとといあたりから日中は気温が持ち直してきましたが、かなり寒い日がしばらく続いたので、特に日の当たりにくいあたりにはかなり雪が残っているようです。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-22 18:15
goodlifegirlさん、ありがとうございます♪
天気は残念でしたが、ずっと楽しみにしていた水仙の咲く高原を見ることができて、うれしかったです。

山の天気はひどく変わりやすく、このカステッルッチョの高原では、以前にも急に雷雨になったり、霧がぐんぐん迫って雨が降り出したりしたことがあるのですが、この2週間ほどはペルージャ周辺でも天気が不安定で変わりやすいんですよ。

巡礼旅行で雨に降られながら長い間歩いたことも幾度となくあるおかげで、さっと対応して、雨でも楽しむことができました♪
Commented by ciao66 at 2023-05-22 19:30
天気予報をあてにして、それが外れることは時々ありますね!意見が分かれているときはとくに怪しい!
でも用意万全の雨対策なさっていて、そうして
いいお花畑が見れたので、結果オーライでしたね♪
一面に広がる白い花、ずっと遠くまで。
なんだか夢のようなところだと思いました!
時たま青空が広がっても、たとえ曇り空になっても、
どっちも綺麗に撮れていて素晴らしいですね♪
Commented by harupita at 2023-05-22 22:17
こんばんは。

カステッルッチョの高原一面に
咲く自生の水仙、口紅水仙・・

広大な高原にたくさん咲いていますね。
二枚目の自生の蘭のフォト
人が入って素敵なフォトですね。
旦那様かな?
花だけでなく人も入るフォトが好きです

レモン色の欄も美しいですね。

水の中の小さな花は梅花藻にも似ていますが良くわかりません・

ビオラのフォトも旦那様の後ろ姿とのコラボいいですね。

青い空と白い雲の映り込みもいいな~

お天気はあいにくでしたが
お二人で良い時間ですね。
色々準備もされていつも歩かれていますね。

私もたくさんお花を見ることが出来て
嬉しいです
Commented by milletti_naoko at 2023-05-23 00:15
ciao66さん、そうなんです。
以前は二つの天気予報を参考にしていれば、どちらもはずれということは少なかったのですが、最近は異常気象もあって予測が難しいのか、どちらも外れることもたまにあります。まあ、雨雲が近づくときはどんなふうに近づいてきているか、どんなふうに動いていくかという予想図が表示されるので、それを見れば予測はできるのですが、この日はまさかの雨に驚きました。

まあ、ほぼ毎日雨が降り続けて、この日は降らないからと出かけたので、間違った予報が出ていたおかげで訪ねることができて、結局は雨が降ってもたくさんの水仙の花が見られたので、よかったです♪ ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-23 00:52
葉流さん、こんにちは。

ありがとうございます。入っているのは夫です。蘭を撮ろうとしゃがみ込んでいたらたまたま夫が通ったので、もう一枚夫も入った写真を撮って、こちらを採用しました♪ ペルージャからは車で1時間40分、さらに寄り道もして着いたのが正午になってしまったこともあって、人はレストランや食べ物屋の多い村の中心街付近に集中していました。高原にも人は多かったのですが、わたしたちがいたあたりは大きな駐車場から離れているので、人がさらにまばらでした。

水の中の小さな花、まだ今度時間のあるときに調べてみます。水際は足が地面に沈んで濡れてしまう可能性もあったので、少し離れてしか撮影できなかったのが残念です。

最近は雨の日が多いので、晴れという予報でも出ていなければ行くこともなかったでしょう。雨に降られてもたくさんの水仙の花が見られてうれしかったです。ありがとうございます♪
Commented by katananke05 at 2023-05-23 21:31 x
こちらもこのところトツゼンの豪雨があり まるで熱帯性の スコールの様相で、、
天気は特に山では あてにならないですね〜
口紅水仙がいっぱいの野原
すばらしいですね〜
良い香りでしょう?
人が全然いない(日曜でも)というのも こちら感覚だとめずらしいです〜
雄大な山と群生の花と 一人人間(夫様)素敵な写真です〜
黄色の花は チューリップみたいですね〜
あと赤いのは 白山ちどりでしょうか、、
野生の花々 身近に見れて羨ましいです〜
Commented by ririrouzu at 2023-05-23 21:50
イタリアは大洪水の、ニュースが流れましたが、山間は大丈夫のようですね。植物達にとっては、恵の雨のようで、きれいな花が咲き乱れて、シャターチャンスでしたね
Commented by milletti_naoko at 2023-05-24 00:57
katananke05さん、日本でもですか!
今日も朝は晴れていたのに、午後から空が少しずつ曇り、先ほどから雨が降り続けています。幸い今日の雨は時間帯まで二つの天気予報サイトがぴたりと言い当てていたので、あらかじめ洗濯物を屋内に取り込んでおくことができました。

雨と鼻づまりで香りは分からなかったのですが、一面の花がきれいでした♪
カステッルッチョの高原はとにかく広い上に、登山をする人も多いので、中心街は駐車場がいっぱいで路上駐車の車もかなり見かけたのですが、広いので人が分散しているのだと思います。それにすぐ近くを通った人たちは避けて撮影していますし。このあたりは、雨水が地面の上まであふれていて歩きづらいので、途中で引き返した人も多いのではないかと思います。

そうなんです。この花、チューリップの原種ではないかなんて夫も言っていました。山で見かける野生の蘭は、色も姿もかなりたくさんあるんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-24 01:07
ririrouzuさん、幸いウンブリアでは被害がないのですが、早く被災した方たちが自宅に戻れて、これ以上被害が広がらないことを願っています。

地面の上にさえ水があるところには花が育っていませんでしたから、ここでは水が多すぎるかもしれませんが、他のところでは長い間雨が降らずに乾いていた大地がようやく潤ってほっとしていることと思います。庭のバラもおかげでいつになく花がたくさん咲いています。
Commented by meife-no-shiawase at 2023-05-24 16:34
ご主人さまが中央に写っているお花畑のようなお写真。
なにかこのまま絵本の表紙にもなりそうな、メルヘンチックですごく可愛い一枚です♡
素敵な風景に癒やされます。

『心を満たせばカラダはやせる』の日本語、わざわざ探してくださったんですね!これ、絶対に読んでみます。

また辛口のイタリア語がなんだか可愛くて。
piccanti・・・
この単語は音が面白くて覚えられそうなので(笑)
イタリアに行ったら辛いものに出会えそうです!
Commented by milletti_naoko at 2023-05-24 17:59
メイフェさん、ありがとうございます♪ 雨には降られましたが、楽しみにしていた一面の水仙を久しぶりに見られてうれしかったです。

ディーパクの本、前半は読書というよりも健康のための参考書という趣のところもあるのですが、なるほどと考えさせられること、学ぶことが多いです。わたしは瞑想講座を通して著者を知ったので、医学生としてこんな体験をしていたことがきっかけでアユルヴェーダに近づいたのかと知って驚きました。

piccantiは複数形で単数形はpiccanteなんです。響きがかわいいと言えば、もともとこの形容詞は、piccare「辛い味がする」という自動詞の現在分詞から派生したものなのですが、この動詞の主語が三人称単数のときの現在形がpiccaです。ですから単数のものが何か辛いときは夫が「Picca, picca!」と言うので(主語は動詞の活用形と状況から分かるので明記する必要がありません)、「ぴっかぴっか」という日本語を連想して、聞くたびにおもしろいなと一人で思っています。ぴかぴかのランドセルを背負った小学公に入ったばかりの少年少女と、あのコマーシャルの言葉が頭に浮かんだりもして……
Commented by sunandshadows2020 at 2023-05-24 22:53
野の花が水仙とは素敵ですね。
香りも爽やかだったでしょう。
山の天気は崩れ易いと言いますが、、予報が外れましたね。
五月と言えども雨に濡れれば寒く、トレッキングを切り上げるのが良い案だったことでしょう。
相変わらずご主人がずっと先を歩かれていますね^ ^
Commented by milletti_naoko at 2023-05-25 05:04
お転婆シニアさん、水仙や蘭、スミレも咲いて、天然のお花畑がきれいでした♪

二人とも雨具を持っていたので助かりました。降っても午後3時以降という予報だったのに、午後3時前に雨が降りやみ、ちょうどわたしたちが歩いていた頃の天気が一番悪かったのが少し残念です。

そうなんです。わたしはあちこちで足を止めて、花の写真を撮りながら進んだものですから。
Commented at 2023-05-26 10:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2023-05-26 15:17
鍵コメントの方、ありがとうございます。

そう言えば、今回は、中の黄色い部分の縁取りが赤い水仙に混じって、ベージュ色のものもいくつかあって、そういう口紅水仙はわたしも初めて見たように思います。まあ、口紅もいろんな色がありますよね。
by milletti_naoko | 2023-05-21 21:55 | Umbria | Comments(18)