イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

テベレ川もダム湖も満水まだ続く豪雨も多い梅雨のようなイタリアの雨期

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 おととい、6月1日木曜日は、朝5時半過ぎに、朝焼けのピンクの雲が見えました。

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Perugia, Umbria 1/6/2023

 「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」と言いますが、最近では朝焼けの日ばかりではなく、夕焼けの翌日でも雨が降ることの多いペルージャです。ちなみに、この日の朝に早起きしたのは、通訳として参加しなければいけないミーティングがあったからで、イタリア時間で「7時から9時」、「8時から9時」という招待メールが前日に日本から届いていました。「7時から9時」の招待メールの方が後から届いたので、「こちらの方が本当だろう」と思って早起きして、朝7時には参加態勢を整えていたのに、画面が暗いままで、実はミーティングは8時からだと分かったときは、悲しかったです。

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 この日は夕方から豪雨となるという予報が出ていたのですが、予報より早く午後3時前から雨音の大きさに驚くほどの激しい雨が降り始めました。

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 またもあられかと思うほどの音が響いたのですが、幸い雨だけだったのでほっとしました。とは言え、ちょうど夫が山の家へと車で向かっているところだったので、無事にたどり着けるだろうかと心配になりました。

 そんなふうに雨の日が多いためでしょう。6月だと言うのに、昨日は朝よろい戸を開けると、

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周囲にすっかり霧が立ち込めて、日曜の町の丘さえ見えないほどでした。

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 オルヴィエートへとペルージャのうちを出発した頃には、霧が晴れて青空が広がったのですが、前方に入道雲があり、遠くの山の上も雲に覆われています。

 入道と言うよりは、イルカ2頭を前に従えた海の神ポセイドンや、古代エトルリアの墳墓の棺の上に置かれた石像のようだなあと思いながら、雲を眺めました。道路の右手に小さなヒナゲシの花が咲いています。

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 トーディからオルヴィエートへは、テベレ川沿いの道を進み、川にかかる橋を何度か渡ります。上の写真の橋を渡ったときに見えたテベレ川の水は満水で、下半分が水に浸かっている木もあります。川の水が畑のすぐそばまで迫っています。

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 テベレ川のダム湖であるコルバーラ湖も満水です。湖の手前には、ワイン用のブドウ畑があります。

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 走る車からガードレール越しに見える風景を撮影したのですが、

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白い雲が湖面にきれいに映っていました。青空も見えるものの、

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対岸には激しく雨が降っているように見えるところもあります。

 昨日はオルヴィエート郊外の日本料理店で昼食を食べてから、崖下周遊トレッキングコースを歩きました。

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 中心街を頂く凝灰石の岩壁の下を一周していると、こんなふうに晴れ間が見えることもあれば、

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雷が鳴り響くのが聞こえて、前方の山に雨が降るのが見えることもありました。

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 と言うわけで、途中一度雨がぱらついただけで、濡れることもなくソリアーナ門への坂道を登り、

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門の中に入って中心街へと戻る前に後ろをふり返って、向こうの山あいに雨が降るのを見て、歩いている最中に雷雨にならなくてよかったとほっとしました。

 この日は帰り道、トーディを通りかかった頃にぱらぱらと雨が降り、ペルージャの家に到着して、しばらくしてから突然雨が降り出しました。

 実は、この記事を書いている間にも、空がどんどん曇って吹く風が冷たくなり、雷鳴がとどろきはじめています。

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https://www.ilmeteo.it

 イタリア中部では例年5月・6月は雨がほとんど降らず、暑い日が続くのですが、今年はペルージャでも周辺地域でも、さらに2週間こういう雨の日が続くとする天気予報サイトがある一方で、雨の時期が続くけれども、時には降らない日もあるという予報を出すサイトもあります。

 上のイタリア全国の向こう5日間の天気予報を見ると、幸いエミリア・ロマーニャ州に雨が降る日は少ないとのことなのですが、トスカーナ州・エミリア・ロマーニャ州のアッペンニーニ山中には雷雨の予報が出ていて、今回洪水で被害をもたらした川の多くの水源や、ローマへと流れていくテベレ川、フィレンツェ、ピサへと流れていくアルノ川などの水源は皆このあたりにあります。

 コルバーラ湖で昨日放水していなかったのは、昨年は深刻な水不足だったこともあって、可能な限り水を貯めておこうと考えているのだろうとは思うのですが、上流からダムに至るまでの地域で雨が降れば、川の水量が一気に増えてしまい、急にダムの水を放流しては、下流地域で洪水になる恐れもあるのではないかと、素人ながら心配したりしています。どうか続く雨のために、イタリアでも日本でも大きな被害が起こることのありませんように。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by yuta at 2023-06-04 06:51 x
日本も金曜日は豪雨で飛行機や鉄道が止まり影響が出ました。
写真の空は入道雲で早くも夏の天気ですね。
Commented by cut-grass93 at 2023-06-04 08:11
天気予報のサイトによって内容が違うというのは
イタリアらしい側面なのかしら。
同じく招待メールが2種類あるというのも、
なんだか似ています。

日本では全国的に豪雨で、かなりの被害が出たようです。
Commented by milletti_naoko at 2023-06-04 15:13
yutaさん、日本ではなんと飛行機が止まるほどの豪雨になったのですね。やはり安全が最優先なので、そうして被害や事故を防ごうという姿勢は、大切だと思います。

そうなんです。秋や冬のように雨がちで寒かった日々から、急に雨の間の晴れ間に太陽が輝いて暑く、晴れると入道雲が見える、夏のような気配になりました。
Commented by milletti_naoko at 2023-06-04 15:18
草刈真っ青さん、特に悪天候である場合に起こりやすいのですが、雨や雷を伴う雲は風によって向きも変わりやすいので、予報が難しいのかもしれません。まあ、ペルージャ市そのものが恐ろしく広いので、うちの付近では降らなくても、テッツィオ山やそのふもとでは降ったりということもあるのです。

日本でも豪雨でそんなに被害が出ているのですね。どうか被害に遭った方が一刻も早く通常の暮らしに戻れるようになりますように。
Commented by goodlifegirl at 2023-06-05 13:36
ミーティング、朝早くにあるんですね。しかし7時に準備を整えて待っていて8時とは悲しいですね。メール二通はややこしいですね(;´∀`)
雨の様子がすごいですが、その後の快晴の様子はまさに夏空♪雲の形が面白いですね~。ウォーキングの間はパラついただけで何よりですね!
Commented by milletti_naoko at 2023-06-05 16:00
goodlifegirlさん、そうなんです。日本時間では午後2時、香港時間では午後1時からなのですが、イタリア時間では午前7時からでした。実は、イタリアでは祝日だった金曜の朝6時からという案もあって、そちらはわたしの希望を入れて、木曜の朝7時、いえ、8時からとなったので助かりました。

昨日もどしゃぶりの雨が降り、今朝も空が朝からどんよりとしていますが、空が数時間晴れることもあるのはありがたいです。歩いている間雨に濡れずに済んで、よかったです。ありがとうございます♪
Commented by ciao66 at 2023-06-05 16:34
大きな雨粒が凄いね、と思いました。
一転晴れて、ポセイドンとイルカの雲、
想像力で見ると、いろんなものに見えますね♪
オルヴィエートの丘の上から、
お天気と雨が同時に遠望できるのも
これは面白いね、と思いました。
とても目まぐるしいお天気ですね!
Commented by milletti_naoko at 2023-06-05 17:36
ciao66さん、昨夜もよろい戸は閉めた後だったのですが、バケツをひっくり返したのでは、と言うよりも、大きな勢いよく流れ落ちる滝の近くにいるのではないかと思われるような激しい雨音が夕食中に聞こえてきました。こんなに強い雨では花もたまらないと思います。

もくもくとわく雲が最近はよく見られて、想像をするのも楽しいです。

崖下周遊トレッキングコースでは、ぐるりといろんな方角を見ながら崖の周囲を一周するので、またそのうちに時も流れ、前方が晴れていたり雨が降っていたり、空が曇ったり晴れたりで、そういう意味ではおもしろいです。登山靴に登山用ゲイターをつけ、傘も手に持って歩いて雨に備えてはいたのですが、雷と共に雨に降られたら傘をさすわけにもいかなかったので、それほど降ることもなくて本当に助かりました。湿気が高くて暑いので、防水機能のあるウィンドブレーカーも持ってきてはいたのですが、暑いだろうと車の中に置いて歩いたんです。
Commented by koito_hari616 at 2023-06-06 11:37
こんにちは

雨は降らなければ雨乞いの儀式を昔からやったり
大雨が続いて洪水になると。。何もここまで降ってくれとは
言っていない と、天に唾を吐くものがいる
程々の塩梅を求める人間のサガですね。。

しかし、雨で洪水になり家や人や亡くすと治水を考えて
頭を絞らないと悲劇は繰り返されるような。。
(現在の)天皇陛下は海運を生涯研究とされていて
本も出されているようです、一度読んでみたいなぁ。。と
我々にも手が入るのでしょうか?分からないのですが💦
Commented by milletti_naoko at 2023-06-06 16:25
結うさん、こんにちは。

イタリアでは洪水や土砂崩れの被害が起こるたびに、いえ、起こる前から地質学的に大半の土地や市町村が豪雨になると災害が起こる可能性があるので「予告されていた悲劇」であり、いろんな責任問題が問われることが多くあります。

むやみな造成に海岸への港の設置など、今回のエミリア・ロマーニャでの洪水でもいろいろ言われているのですが、こんなに大量の雨が長く降ることは予測ができなかったとのことで、ただし今後はそういうこれまでにないような雨の量も計算に入れて対応をしなければいけない、そういう時代になってきたのだろうなと感じています。
Commented by sunandshadows2020 at 2023-06-08 23:39
1時間の違いはサマータイムにあるかなと思いましたがいかがでしょうか?
でも最近では情報が発達しているのでそのような間違いも少ないかとも思われますが。

それにしても最近の豪雨、日本でも大きな被害が出た様子ですが、イタリアもエミリア地方も大変でしたね。
雨の少ない此方でも昨日車である場所を通り抜ける時結構な雨が降りました。そして貯水湖も初めて見る水位の高さでした。
Commented by milletti_naoko at 2023-06-09 02:07
お転婆シニアさん、ミーティングは1時間の場合もあれば2時間のこともあり、前週が2時間だった上に、日本の企業がこの時間帯なら大丈夫と提示した時間帯が2時間だったので、イタリア企業からは1時間の枠だけお願いしますとのことだったのですが、1時間だけのミーティングと2時間のミーティングの二つの招待が届いてしまったのだと思います。今週は最初から8時からだと分かっていたので助かりました。

全世界で気象が異常になってきていて、こうして被害が各地で起こってしまっているのでしょうね。どうかこれ以上に大きな被害が起こることのありませんように。
by milletti_naoko | 2023-06-03 23:36 | Umbria | Comments(12)