イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

古の町の崖下めぐり雨に追いつかれたオルヴィエート

 イタリア中部ではこの数日、急に天気が崩れて雷を伴う豪雨となることが多く、金曜日、カステッルッチョからの帰り道には、雨のために屋外の気温が30度から20度にまで下がりました。ペルージャでは、昨日は朝晩は肌寒いほどだったのですが、今日は日中は晴れて、気温が30度近くまで上がるという予報が出ています。 けれども、今窓の外を見ると、下の6月10日のオルヴィエートの写真の空と同じように、灰色の雲が空を覆っています。

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Orvieto (TR), Umbria 10/6/2023

 6月10日土曜日は、数日にわたる長距離トレッキングを終えた夫と友人と合流しようと、電車でオルヴィエートに行きました。(記事はこちら

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 夫と共に徒歩の旅をした友人の一人が、以前からわたしたちのお気に入りの日本料理店で食べてみたいと言っていたので、いっしょに昼食を食べるためです。

 食事のあと、友人たちはリミニの家へと帰っていったのですが、わたしたちはしばらくオルヴィエートに残ることにしました。

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 午後からは雨になるという予報が出ていたのに、青空が広がっていたので、わたしは崖下周遊コース(Anello della Rupe)を一周することにし、数日間長距離を歩いてすっかり疲れた夫は、ペルージャに戻る前に車内で一休みしようと考えたからです。

 オルヴィエートの町を頂く岩壁の東の端にあるアルボルノス城塞(Fortezza Albornoz)の傍らを歩き、

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ソリアーナ門(Porta Soliana)を通って、崖下周遊コースに出て、

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岩壁の南面の下を歩いていたときには、空が晴れていたのですが、

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崖下を半周して、岩壁の南西面の下に出た頃には、空が灰色の雲に覆われていました。

 冒頭の写真に見えるマッジョーレ門の前を通り過ぎて、崖の北面への曲がり角が近づいてきた頃には、

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北西の方角にかなりの雨が降り、いつもはよく見えるチェトーナ山が雨に隠れて見えないほどです。

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 雷鳴もとどろいていたのですが、雷の音は遠く、雨雲レーダーを見て、「雨雲は西から東へとオルヴィエートの北方を通り過ぎていくので、わたしは雨も雷も心配する必要がないだろう」と考えて、さらに歩き続けることにしました。そうして、そのおかげで、曲がり角の先にあるバラやアナベル、菩提樹の花を見ることができました。(記事はこちら

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 雨が降り始め、雨足が強くなったのは、崖の北面の下を半分ほど歩いた頃で、そのあたりには背の高い木々が多く、葉もたくさん茂ったその木々の枝のおかげで、あまり濡れずに済みました。

 北面の下には、他の木々の緑に隠れて、その奥に竹林があります。

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 一周を終えて、再びソリアーナ門を通る前に、

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長い上り坂があるのですが、ここでは雨を遮ってくれるものが何もないので、濡れながら歩きました。けれども、雷は遠かったので、助かりました。

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 ソリアーナ門の下でしばらく雨宿りをして休みながら、門の下は雨が降らないのがありがたいと思い、芥川龍之介の小説、『羅生門』で、主人公の下人がやはり門の下で雨宿りをしていたことを思い出しました。

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 ソリアーナ門を出て、さらに坂道を上り、後ろをふり返ると、わたしたちがこのあと帰り道に通っていくコルバーラ湖がある方向は

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黒雲に覆われ、どしゃぶりの雨が降っています。

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 駐車場で夫と落ち合い、ペルージャへと車で向かうと、コルバーラ湖で片側交互通行がもう何年も続いている橋で、ようやく工事が始まりそうに見えたので、ほっとしました。

 さて、記事を書き終えた今も、天気予報では「快晴」となっているものの、窓の外の空はひどく曇っています。さて、どうなりますことやら。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by cut-grass93 at 2023-07-03 06:35
今日の崖は迫力満点です
最後から4枚目の石畳が美しい

竹林があるんですか 驚きました
Commented by milletti_naoko at 2023-07-03 08:18
草刈真っ青さん、空が黒々としていると、崖がより険しく見えるのかもしれませんね。石畳は、雨に濡れて美しく見えるのでしょう。

竹林は、わたしたちも見つけたときには驚きました。
Commented by goodlifegirl at 2023-07-03 13:28
午前中の快晴から、午後はこんなにどんよりとなんですね。
こちらも最近、天気急変しやすかったりするのでこまめに雨雲レーダーで確認してます(;´∀`)
雨の中でも雨宿りの羅生門を思いだしたり、楽しまれていてほっこりします♪
Commented by ciao66 at 2023-07-03 14:45
青空だったのが、時間の経過とともに曇り空になり
最後には厚い雨雲になっていく様子が、よくわかりますね。

アジサイの見物もできたから、良かったかもしれませんが、
レーダーで大丈夫そうでも、結局雨に追いつかれるという、
ドラマチックな展開でしたね。(写真で見る分には気楽で無責任ですが・・・)

私も先日買い物帰りに土砂降りに出会いましたが、
危ないなと思ったら5分もたたずに、雨雲に追いつかれ、雨宿りしました。
もうそろそろいいかと思っても、しっかり通り過ぎるまで待つほうがいいですね。小降りになったと思ったらまだ結構降っていて、家に着いたら、そのころすっかりやんだのです!
Commented by milletti_naoko at 2023-07-04 00:51
goodlifegirlさん、記事に載せる写真はすでに15枚、ずいぶん前に選んでいたのに、悪天候のオルヴィエートの記事はいかがなものかと、投稿を保留していたのを、新たに記事を考えたり写真を選んだりする時間がないことがきっかけで、書き上げて送信することができました。

ありがとうございます。羅生門は高校の授業でよく教えたので、雨宿りしながら同じように門の下に佇んでいたという下人を思い出しました。オルヴィエートのこの門の周囲でも、小説同様にカラスの群れを見かけることが時々あるんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2023-07-04 00:53
ciao66さんも突然のどしゃぶりに遭われて、危ないなあという予感は抱かれていたんですね。そうなんです。こういう雨って、意外と激しく降ったあとは収まることが多いですよね。

歩き続けたおかげで、けれども紫陽花やバラが見られたので、よかったです♪
Commented at 2023-07-07 20:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2023-07-07 20:37
鍵コメントの方、ありがとうございます♪
そうして、おめでとうございます❤️
by milletti_naoko | 2023-07-02 17:53 | Umbria | Comments(8)