イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

歴史・収集数びっくり香水博物館、モリーゼ小村研ぎ師の村から香水の里に

 今日はサンテーレナ・サンニータ(Sant'Elena Sannita)という小村にある香水博物館(Museo del Profumo)を訪ねました。

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Museo del Profumo, Sant'Elena Sannita (IS), Molise 21/8/2023

 ヨーロッパ近現代の歴史上大切な香水が多数展示されている博物館で、興味深い説明を、時に香りを実際にかぐ機会も与えてもらいながら、楽しみました。

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 上の写真には、手前に植物園が、奥に村の歴史的中心街が写っています。

 かつて村では、ハサミやナイフなどといった刃物の研ぎ師を仕事とする人が多く、近隣で各戸を訪ねて、刃を研いで回っていたのだそうです。それが、第一次世界大戦後には、需要が減ってしまったため、ローマやナポリなどの大きな町で働くようになり、理髪師の仕事を請け負ううちに、それまで見たことがなかった刃のカミソリや香りつきの石けんなどを村に持ち帰って売るようになり、ゆくゆくはローマで次々に香水屋を開くことになり、村で一括して大きなブランドから取り寄せていたために、その注文数も数千などと多数だったそうです。

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 かつてはそうして、ローマで香水屋として店を営み、成功した村人が多く、一方、村では産業がないため仕事に困る人が大勢いたため、ローマに来て仕事を手伝うようにと、働く人を募り、ローマへと呼び寄せていたそうです。

 それが近年になって店を畳まざるを得ない状況に追い込まれる村人が増え、村出身で香水屋として活躍した人々の歴史を語り継いでいこう、そのために香水の博物学を作ろう、そして、村の周辺地域の植物を用いて村の風土や暮らしを反映した香水を作ろうと、財団を設立したのだそうです。

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 博物館では、村の財団が生み出した香水も香りを楽しませてもらいました。いっしょに説明を聴いた若者の一人は、その香水の一つに一目惚れしてずっと使っていると言っていました。説明のあとは植物園も訪ね、とても充実した訪問となりました。

Museo del Profumo
Via del Profumo, 1 - Sant'Elena Sannita (IS), Molise
Tel. : 0874 890059
Email: segreteria@ilmuseodelprofumo.it

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:私の推し活!~推しは○○です~
Commented by meife-no-shiawase at 2023-08-22 15:02
香りものが大好きなので、香水・・・
どんな香りがするのか、パソコンで香りも感じられたらいいのにーって思いました。
色々な歴史があるものなのですね。
でも村全体で香水なんて・・・それは面白いです。
Commented by cut-grass93 at 2023-08-23 07:46
ヨーロッパ人には香水アレルギーの人はいないのかなあ。
私の親戚のアレルギーの人は香水なんか嗅いだら倒れます。
スーパーの化粧品売り場もダメなんです。
Commented by katananke05 at 2023-08-23 11:11 x
香水瓶の博物館(ガラスの)はあるとは思うけど
香水そのものの博物館は日本には
ないと思います〜
香水すきですが 最近はあまりつけないなあ〜
でも 横浜駅地下の新しい商業施設の 入っところすぐが
アロマとか 香水の店がいくつかあり、、 入り口からいいかおりがいっぱいで 通るのがたのしいですよ〜
Commented by koito_hari616 at 2023-08-23 12:22
こんにちは

香水ですか。。。
私は香水の瓶 が好きです
香水は人工的な香りがしますが
瓶がお洒落で、そのために買っていました
瓶の蓋を開けて。。。蒸発させて部屋中に空瓶を置いていました💦
懐かしい思い出です。。♪
Commented by milletti_naoko at 2023-08-28 19:43
メイフェさん、村のかつての暮らしを再現するような香りを実現するための工夫や使った植物などの説明も聞くことができて、とても興味深かったです。007シリーズの原作を書いた作家の香水もあり、王族だったか俳優だったかの訪問の機会に特別に作られたものの、一般には売られていないという香水の香りも嗅ぐことができたりししました。

ローマの大半の香水店の注文を村で一括して行っていたので、シャネルなどの大手にも5千など大多数の注文をしていたそうです。
Commented by milletti_naoko at 2023-08-28 19:45
草刈真っ青さん、香水アレルギーの親戚の方がいらっしゃるんですね!

植物の精油が主な原料だというように説明があったように思います。
Commented by milletti_naoko at 2023-08-28 19:49
katananke05さん、ヨーロッパでは古来香水が用いられていて、さらにローマに数百あったという村人が営む香水店の注文を村で一括して大手企業にも注文していたおかげで、貴重なかつての香水やその使用見本のコレクションがあり、それが展示品の母体となっているようです。

日本でもあちこちにアロマや香水のお店ができてきているのですね。
Commented by milletti_naoko at 2023-08-28 19:51
結うさん、こんにちは。香水の瓶がお好きなんですね。

そう言えば、瓶の色やデザインもさまざまでした。なんと瓶がお目当てで香水を買われていたとは!
by milletti_naoko | 2023-08-22 05:58 | Molise | Comments(8)