大雨のあとに虹 ピザの夕食フィリクーディ島

　９月２５日月曜日は、フィリクーディ島で、今はもう住む人がなく、崩れかけた家が数軒残る地区、Zucco Grandeを目指して、夫と二人で宿を出発しました。

Zucco Grande, Isola di Filicudi, Lipari (ME), Sicilia 11:29 25/9/2023
　朝、宿を９時５０分に出て、目的だった古い住居跡には、１１時半前に到着しました。ロンリー・プラネットのトレッキング地図によると、このしばらく先に給水場があるとのことですが、わたしはもうここで引き返していいだろうと考えていたのに、夫はさらに先へと進みたがります。
11:34
　しばらく先へと歩いて、奥の方に石の浜が、すぐ下方（上の写真で右下）に岩山が盛り上がった岬のある場所まで来ると、夫が「ぼくはここを下っていく」と言います。
　宿の人からZucco Grandeの付近には浜まで下っていける道はないと、朝聞いていたにも関わらず、夫はこの先に見える浜に行って泳ぎたいと考えていたようで、このあと実際に、道なき道を下っていって、しばらく浜で過ごしたようです。岬はトレッキング用地図にも記載されているので、わたしも岬までならと、かなりの急な傾斜を下っていったのですが、ずいぶん前から姿が見えなくなった夫から「歩くのはそこまで」という声が聞こえてきたこともあり、夫が無事かと心配しながら、下った道を登り、来た道を引き返しました。

　朝食を食べたバールでパニーノを作ってもらおうと考えていたら、まだパンが届いていないとのことだったので、やむなくコルネットを二つ昼食代わりに買っておいたので、空腹を感じたときに、道の傍らに腰を下ろして食べました。
13:39
　歩いている途中で、向こうの島や海の上に雨が降っているのが見えたので、雨が降らぬうちにと急ぎ足で宿に向かい、１時半過ぎに宿に到着しました。いつ雨が降り出すかもしれないと、おなかはすいていましたが、バールまでパニーノなど、何か食べられるものを買いに行くのは見合わせました。
　宿がかなり近づいた頃に夫から電話があって、宿の近くにある岩の浜まで坂道を下るつもりかどうか聞かれたので、「天気も悪いし、水着は持ってきていないので、まっすぐに宿に戻る」と言ってありました。宿の主人から朝出発する前に、「あなたたちが歩こうとしている道は山へと向かう道で、浜に下りる道はありませんよ」と聞いたので、不要だし荷物になるからと、タオルも水着も宿に置きに戻っていました。
14.17
　雨が降り出したのは２時１７分になってからだったのですが、
14:22
あっという間にどしゃ降りになり、風がひどく強いので、屋根に覆われたテラスにも雨が降ってきます。そのため、テラスのテーブルと椅子二つを部屋の中に入れていたら、ちょうどすぐ上の写真を撮った頃に、ずぶぬれになった夫が帰ってきました。
　わたしたちが会ったフィリクーディ島の人の中には、島には年に雨が１日しか降らないと言う人さえ何人かいました。その恵みの雨が降ったと、びしょぬれになりながらも、夫はひどくうれしそうです。

　サリーナ島のアパートでの夕食用に購入したサラダとパンが少し残っていたので、二人で少しずつ分けて、軽い昼食を食べました。買ったのに残っていたものを、こうしてきちんと食べきることができてよかったです。アパートに調理道具や食器、塩はあっても、オリーブオイルや酢はなく、それでサラダが残ってしまっていました。
15:05
　この日、雨上がりにきれいな虹が海と空にかかるのが見えたことは、旅行中にこちらの記事でお話ししていますが、今になって初めて、このときの虹が実は二重の虹だったことに、写真を見て気づきました。
15:08
　虹のたもとが、ちょうどストロンボリ島の前にあります。

　この頃には、先ほどまで雨に隠れていたパナレーア島とサリーナ島も、雲の間に姿を現しました。
15:16
　しばらくすると、薄くなり始めた虹がストロンボリ島と重なり、

消えつつある淡い色の虹もきれいでした。
　こんなふうに昼食は軽めだったので、夕食は早めにVilla La Rosaに食べに行きました。
19:55
　夕食には実はピザも食べられることに、ガイドを読み直していて気づき、また朝バールで朝食を食べたときに、店の人にも今夜はピザが食べられることを確認してありました。
　夫が久しぶりにピザを食べたいと言うので、この店で食べることにしたのですが、月曜だったからか「今夜はピザだけですよ」とのことだったので、わたしもピザを食べました。たくさん歩いたのでタンパク質もしっかり食べなくてはと、ベジタリアンのピザに生ハムも追加してもらいました。このピザがおいしくて、ピザにはうるさい夫が、おいしいと喜ぶほどでした。
20:40
　道に街灯がないので、前夜はスマホの懐中電灯の明かりを頼りに歩いたのですが、この日は月がさやかに輝いて、道を照らしてくれました。
20:41
　宿に戻ると、この日の朝、東の空と海を見ていた猫が、このときも同じように東の方を見やっていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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