イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

秋の読書 心身と宇宙語る本からダンテと『神曲』を語る本へ

 どんなに空が曇って雨が降っているときでも、その雲の上では太陽が輝いているように、悩んだりふさぎ込んだりしがちなわたしたちの精神や心も、その奥へと深く飛び込んでいくことができれば、愛や安らぎ、慈しみ、そして、宇宙を統べて自然を生み出すそのしくみの根底にあるのと同じ力やエネルギーに満ちている。瞑想などによって、その奥底にしばしばたどり着けるようになれば、あるいは、その奥底から意識を変えていけば、科学では説明が難しいような奇跡と言われがちな回復や治癒も起こり得る。

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Bosco della Verna, Chiusi della Verna (AR), Toscana 16/7/2023

 この夏に読み始め、夫とラヴェルナの森で、ハンモックに揺られながら読んだこともあるディーパク・チョープラ著、『Quantum Healing』を、昨夜読み終えました。



 科学的に、また医学的に異議を唱える人もいるようなのですが、読み物としても、健康や生き方を考える上でも、とても興味深かったです。宇宙やわたしたちを構成する分子や体のしくみ、DNAや細胞、免疫システムが病気にどんなふうに対応していくかなどを、生物や化学を高校で勉強したのはとうの昔だったわたしにも分かるように、比喩を用いながら説明してあって、おもしろかったです。

 わたしたちが喜びや不安を感じるとき、そういう気持ちを受容して判断する機能は、脳ばかりではなく、腸や血管中の細胞など、多数の細胞にあるのであって、だから、気分や意識が健康に与える影響も大きいというくだりは、なるほどと思って読みました。「根拠のない自信」という言葉を聞きますが、一見根拠がなさそうに見える自信や希望を持つことで、いろいろなことが健康も含めてよい方向へとどんどん変わっていくということはあるだろうし、逆に、よい状況に置かれていても、不平不満ばかりでストレスをため込んでいては、やがては、人生も健康も、その影響を受けて悪い方に向かっていくこともあるのだろう、そんなことも思いました。

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28/6/2023

 いつから読み始めたのか正確には分からないのですが、今年の6月末にこの2冊を並べて写した写真があるので、この頃に左の本を読み終えて、『Quantum Healing』を読み始めたのだと思います。


 やはりディーパク著の『What Are You Hungry For?』は、この本を主題として記事を書いたのは2018年12月半ばですが、この記事を見ると、読み始めたのは同年の10月初めであったようです。

 その後しばらくの間、日本の小説や歴史を語る本に夢中になったり、フランス語の再勉強をしようとフランス語の小説を読んだりしていたのですが、今年になってまたこの本を手に取ったのは、思いがけぬことに、5月に急に英語の仕事が入り、


通訳に加えて、会議の書き起こしや翻訳まですることになって、英語力を取り戻さなくてはと、英語で書かれたこの本を再び手に取ったためではないかと思います。もしくは、「読める英語の本が何かないだろうか」と探していたら、『Quantum Healing』が見つかって、著者が同じだからと2冊を並べて写真を撮っただけかもしれないのですが、5月から7月にかけては、まずは英語の仕事、7月にはさらに、やはり突然に入った3週間の日本語集中特訓講座の授業で慌ただしかったため、記憶が定かではありません。

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18/1/2023

 パソコンの写真ソフトに保存された写真の中から「本」というキーワードで検索すると、こちらの写真も出てきました。

 ダンテや『神曲』について語る右の本、アルド・カッツッロ著の『A Riveder Le Stelle』の続きを、今日からは読んでいきたいと思います。2020年のクリスマスに夫が贈ってくれた本なのに、以来何度か読み始めては読みさしてしまったのは、上に書きましたように、他に読みたい本が次々に出てきてしまったからです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by cut-grass93 at 2023-10-27 08:32
前置きの5行
いまのパレスチナの人々にそっくり伝えたいです。
何千年たてば仲良くなれるのでしょうね。
表現は悪いけれど、まるで会話する能力がない
生きるか死ぬかの動物の世界です。
Commented by goodlifegirl at 2023-10-27 11:32
昨夜、読み終えたのですね(^^♪
なお子さんの説明でとても前向きになれそうな内容と感じました♪うちの旦那さんも出会った頃から色んな物事に対して「根拠のない自信」があってそれを思い出しました。確かに根拠はないけど自信があるからどんどん物事を解決していくんですよね。なお子さんの記事を読んで、なるほど~と思いました。
私も本が大好きで読みたい本って次から次へと出てきますよね♪秋の読書、楽しみましょう~(*´▽`*)
Commented by milletti_naoko at 2023-10-27 18:02
草刈真っ青さん、極限状況ではまた事情も違ってくると思います。
テロは決して許されることではありませんが、2千年もの間、欧州各国で差別を受け、
いつ家や住む地域から追い出されるか分からず、職業も住む場所も限られて、
第二次世界大戦中にはさらに恐ろしい虐待や殺人に苦しんできたユダヤの人々が、
どうしてその自分たちの経験からも、パレスチナの人々に同じような苦しみを
与え続けるのだろうと、ずっと前からいぶかっています。
差別に苦しみ続けたユダヤ人たちが「帰って平和に暮らしたい」と考えたいた場所には
もう他の民族が暮らしていて、その人たちを、しかも税金こそ払わなければいけなかったのに、
唯一恐ろしい差別や迫害に遭うことなく暮らすことを認めていてくれた地域の人たちを、
自分たちの国の建国のためにと追い出して、悲惨な状況下に置き続けるとは。
Commented by milletti_naoko at 2023-10-27 18:05
goodlifegirlさん、ありがとうございます。
共感してくださったと知って、うれしいです♪
だんなさま、そういう人柄もあって、あれこれ挑戦されて、登山もしてみようと、
goodlifegirlさんを誘われて、今もお二人で計画を立てられているんですね!

秋の読書、楽しみましょう♪
新たに読んでみたい本も出てきましたし、読みかけて読みさしている本や、
読みたかったのに読んでいない本がたくさんあることに今さら気づいた
わたしです。
Commented by katananke05 at 2023-10-29 19:22 x
わたしも 今読み進んでいるぶっとい小説「黄色い部屋」 川上未映子も
在日韓国人で育った3世のひとびとについての 日本語しか知らない彼らに投げかけられる 差別が
ちょっと かの国に対する思いから偏見に繋がっている私の心情を
あらためさせてくれ、、
本の中に「血が違う、、というのは
血の色がちがうのかな、、 濃さが違うのかな それとも何が違うのかな」と子ども心に思うところが出てくるのが
本当にそうだ、、何が違うのだろう〜
政治と 普通の周りの人々は
また 分けて考えないと、、と
私を改めてかんがえさせています〜
本の力はすごいです〜

リンパについての話も読んだばかりだけど 腸やおよそ 脳と違う考える力など持ってないと思われる消化器官なども 苦しみや悲しみを感じる粒子 量子?などを 発していると 最近わかってきたとか、
超極小の 量子 quantum が発見された時に
わたしは 死んだら 肉体は灰になるけど 体から 量子は 抜け出し
きっとどこかに存続すると信じるようになりましたよ〜

honnha
Commented by milletti_naoko at 2023-10-29 22:55
katananke05さん、いわゆる差別や無理解はきっと、互いをよりよく知る機会を得られていないことに起因するところが大きいように思います。その原因が国の政策やマスコミや文化人の意図であるにせよ、人々自らの勉強不足によるにせよ。ハーパー・リーの『To kill a mockingbird』を読んで、その差別や無理解のために無実の若者が死刑となったりする恐ろしさを思いましたし、それは、ケビン・コスナーが主演していた映画、『Perfect World』に描かれたまったく完璧ではない世界を見ても、つくづくと感じました。

呼吸をしたり飲食をしたりすることを通して、わたしたちの体の中の原子だって、実は絶えず入れかわっていると知って、わたしもますます、人間も大いる自然や宇宙の一要素なのだ、大いなる海、自然や宇宙を創り上げる大切な要素の一つなのだと感じるようになりました。
by milletti_naoko | 2023-10-26 23:16 | Film, Libri & Musica | Comments(6)