イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

諸聖人の祝日、死者の日の前日にお墓のミサへ

 今日は午後3時から、ペルージャ郊外にあるサン・マルコの市営墓地で行われたミサに参列しました。今日、11月1日は諸聖人の祝日で、亡き人を追悼する日である死者の日は明日11月2日なのですが、国民の祝日は11月1日だけで、多くの人は明日は(イタリア時間では現在11月1日の午後10時前です)仕事があるためでしょう、例年、この墓地では、11月1日の午後3時からミサがあるのです。

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Incoronazione della Vergine di Filippo Lippi, Duomo di Spoleto, Spoleto (PG), Umbria 14/5/2017

 義父、義弟夫婦と昼食を共にしたあと、皆でミサに向かいました。昨年の春に亡くなったお義母さんたちが眠るお墓にお参りに行ってから、ミサに参加しました。

 「今は墓地で安らかに眠る亡き人たちのおかげで、今のわたしたちの暮らしがあることに感謝して、祈りを捧げましょう。」

「生前、お互いにわだかまりがあったということもあるでしょうが、わたしたちの気づかないところで、きっと亡き人がわたしたちに与えてくれたいい影響というものがあるはずです。」

「すべての人が尊いのです。あら探しをするのではなく、その人のよいところを見るようにして日々を過ごすことで、わたしたち自身が平安に過ごせるようになり、世の中もまた平和になっていくはずです。」

 「こういうときだからこそ」と、戦時中の厳しい時代を生き抜いて今は安らかに眠る人たちの苦労や悲しみに思いを馳せながら、こんなふうに語ってくれた神父さんの言葉が心に響きました。

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 お墓にはカメラは持参せず、写真は撮影しませんでしたので、その代わり、諸聖人の祝日(Ognissanti、Tutti i santi)ということで、聖人たちが描かれた絵を、過去の写真の中から探しました。「この絵が美しい」と、その中から選んで冒頭に載せたのは、スポレートの大聖堂にフィリッポ・リッピが描いた聖母戴冠のフレスコ画です。大聖堂内部の装飾については、当時は写真が小さいのですが、こちらの記事でご紹介しています。



 教会を撮影した写真は多いので、聖人のフレスコ画の写真も多数あるのですが、「この写真がいい」という写真が、まずはパソコンに保存した写真を検索しても見つからず、それならと、かつてのパソコンからグーグルフォトにアップロードした写真を検索してみて、一目見て「これだ」と思ったのがこの写真です。

 その写真が、2017年に母の日のお祝いにと、義父母と義弟夫婦と共にスポレートを訪ねたときのものだというのは、偶然ではないように思います。



 この記事を書くにあたって、あれこれ調べていたら、お義母さんの葬儀のときの若い神父さんの心を打つミサの言葉も記してあって、今読んで再び感動し、心に留めておきたいと思いました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by cut-grass93 at 2023-11-02 08:41
天井画、素晴らしいですね。
こんなのを描くには台座を作って
そこに寝転んで書くらしいけれど
描く人のご苦労の程は想像できない。
Commented by katananke05 at 2023-11-02 10:33 x
神父さまの言葉
胸にしみますね〜
生きていたうちは いろいろ不満や反抗もあった 我が両親ですが
なくなった今 
今自分がどうにか幸せに暮らしているのは あの両親があってこそ、、と しみじみ 感じられます〜神父様のお話は
いまの 「我らの生活」にもどずいたものでないと
なかなか心に染み込まないところがあります〜
私の教会の日本人神父様は 「聖書」のことを 話すこと多くて
ちょっとイマイチ でございます〜
Commented by koito_hari616 at 2023-11-02 11:57
こんにちは

死者の月 最近ごミサに与っていないのでご無沙汰しています
しかし、お義母さまが亡くなられた時の(若い)神父様のお説教は
心に染み入ります
悲しみが深いのはそれだけ愛し愛されたという事なんでしょう
静かに、亡くなられた方を悼むという事は。。少しの時間でも
大切な時間だと思います
Commented by goodlifegirl at 2023-11-02 13:38
過去記事のご家族皆さまの写真、あたたかくて素敵だな~とほほえましく感じました。
神父さんのお言葉もなお子さんの文章も、胸にしみいりました。とても前向きな気持ちになれます。
ありがとうございます。
スポレート、とっても美しいところですね(^^♪

Commented by ciao66 at 2023-11-02 15:17
スポレートの大聖堂のフレスコ画がとても美しいですね!
多くの中から選ばれただけのことは有るでしょう。
フィリッポ・リッピの作だと聞けば、なるほどそうか、という感じです。

昔の記事の写真は、小さくて、時代の移り変わりを感じますね。13年ほど前なのに、今とはずいぶん違う!元の写真がGoogleに残っていて良かったですね。

おっしゃる通り、神父さんの言葉が心に響きます。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-02 18:00
草刈真っ青さん、初めて見たときにも、絵と色遣いの美しさに
感嘆したのだということが、かつて記事に書いたおかげで
分かってありがたいです。今再び見てもすばらしいなあと思います。
共感してくださったと知って、うれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-02 18:09
katananke05さん、なるほど本当にそうだなあと、昨日も
そして義母の葬儀の際にも、神父さんの言葉に心を打たれました。

神父さんの説教はさまざまですが、
おっしゃるようにわたしたちの日々の暮らしに寄り添って、その視点も
考えてくれたものでないと、なかなか胸に届きませんよね。

かつては、そうだなあと感嘆できる説教をする神父さんや修道士の方が
いらして、その教会のミサへと出かけていたのですが、イタリアでも、
こんなふうに心を打つ説教に出会えることは頻繁ではなく、
単に聖書の解説になってしまっていたり、教えを上からおおせつけるような
言い方をしたりする場合もあります。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-02 18:12
結うさん、こんにちは。
わたしも感染かになってから、以前に比べてミサに参列する機会が
めっきりと減りました。

義母の葬儀の際の神父さんの言葉が、義父をはじめ、皆がまさに必要としていた
言葉でありがたいなあと、昨日記事を読み返して改めてそう思いました。
共感してくださったと知って、うれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-02 18:20
goodlifegirlさん、ありがとうございます。ご覧くださったんですね!
懐かしいなあ、あのときにいっしょに出かけておいてよかったなあと
思いました。スポレートは中世の町並みが美しく、近くにわたしは好きな
フィオンキ山もあります。(夫はあまり気が向かないようなのですが)

ときと場所にふさわしい心に響くミサの言葉、心に留めておきたいと思いました♪
Commented by milletti_naoko at 2023-11-02 18:22
ciao66さん、ありがとうございます。
これは今ひとつ、これもどうかなあと、あれこれ写真を探したかいがありました。
ちょうど義母といっしょに、母の日を祝いに皆で繰り出したときの写真だということにも
何か深い縁を感じています。フィリッポ・リッピの絵は、下のフレスコ画も美しかったです。
そうなんです。昔の記事は写真がかなり小さいですよね。
Commented by meife-no-shiawase at 2023-11-02 23:22
お義母さまが亡くなられて、もうそんなに経ちますか・・・
先日もコメントに書きましたが、気落ちされていらした
お義父様が元気になられた様子で本当に良かったなーって思います。
なおこさんもご主人様もかなり心配されていらっしゃいましたもんね・・・。

でもやはりお墓参りなどに行かれると寂しい気持ちにもなったりしますね。
でも弟さんたちもご一緒で、よかったです。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-03 01:28
メイフェさん、気にかけてくださってありがとうございます。
義父は今でも、体調がよっぽど悪いときでなければ、毎日
お墓参りに出かけて、お義母さんにあいさつをしに行っているのですが、
畑仕事に養蜂、オリーブの収穫など、あれこれすることがあって
没頭できているのがありがたいです。

皆でミサに行って、心に響く言葉を聞くことができてよかったです♪
by milletti_naoko | 2023-11-02 06:14 | Feste & eventi | Comments(12)