イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

スズメバチに阻まれ川を渡れず再び紅葉の岩山登り、ピオーラコ Sentiero Li Vurgacci 2

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 10月28日土曜日は、マルケ州の水清く豊かな村、ピオーラコ(Pioraco)で、夫とトレッキングコース、Sentiero Li Vurgacciを歩きました。

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Pioraco (MC), Marche 28/10/2023

 短距離コースを歩きたがる夫を説き伏せて、中距離コースを選ぶと、最初に急な登り道が続いたのでとまどったのですが、おかげで展望台(punto panoramico)から、ピオーラコの町並みを一望することができました。(詳しくはこちらの記事に)

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 しばらく眺望を楽しんでから、坂道を下り、

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案内標識に従って、Sentiero Li Vurgacciを歩いて行きました。

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 最初のうちは、紅葉したハグマノキ(scotano、albero di nebbia 詳しくはこちらが道端を彩っていたので、紅葉も愛でながら、山道を下りました。

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 左手に見えるのは、老舗の製紙会社、ファブリアーノ社の製紙工場です。

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 登り道も急でしたが、下り道も急なところが多く、

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眺めや黄葉を楽しみながら、下って行きました。

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 下っている途中に分かれ道があり、左に曲がって行けば、50メートル先に天然プール(piscina naturale)があるとのことです。せっかくなので、わたしは行きたかったのですが、「また次回に」と夫が言うので、最初は天然プールには向かわず、ひたすら急な坂道を下り続けました。

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 ところが、急な傾斜を登り続けてたどり着いた展望台から急な道を下り続けて、ようやく清らかな川にかかる橋に到着したものの、橋を渡ることができませんでした。

 前夜の暴風で、近くの木の枝が折れて橋の上に落ちて、欄干がゆがんだり、一部が壊れたりしてしまっています。それだけであれば、渡るのに問題はないのですが、橋の上に落ちた木の枝にはモンスズメバチ(イタリア語名 calabrone、学名 vespa crablo)の巣があり、橋の中央あたりを、たくさんのモンスズメバチたちが飛び回っています。

 そこで、刺されては危険だからと、橋を渡る代わりに、まずは先ほどの天然プールの方へと歩いてみることにしました。天然プールまで歩けば、川の向こう岸に渡れるかもしれないと考えたからです。

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 ところが、夏にはきっと水泳客も多いであろう天然プール(piscina naturale)は、

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風景は美しいものの、川の向こう岸へと渡るすべはありません。上の写真で左手に見える岩へと、夫が飛び乗り、さらに前方の岩へと登っていったのですが、しばらくしてから「向こう岸には行けそうもない」と言って、戻ってきました。

 そこで、もう一度、先の木の橋のたもとまで戻り、地面に長い木の枝が落ちていたので、夫がその枝を拾って橋の上のモンスズメバチの巣を川に落とそうと試みたのですが、巣は動かず、モンスズメバチたちがさらに巣の中から出てきて、夫の方に向かってきます。

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 そこで、橋を渡るのはあきらめて、来た道を戻って短距離コースの出発地点へと行き、そこから橋の向こう側へと歩くことにしました。

 というわけで、再び急な傾斜を登ってから、下って行くこととなりました。

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 このときは日が差していたおかげで、紅葉がより色鮮やかに見えました。

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 岩の急斜面を下り終えてからは、短距離コースの出発地点を目指して、中心街へと向かい、

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案内標識に従って、歩いて行きました。実は、上の写真の橋の向こうにいる男性は奥さんといっしょに散歩をしていたのですが、だんなさんが渡ったときには姿が見えなかったモンスズメバチが、奥さんが橋を渡ろうとしたときに、巣からたくさん出てきたために、奥さんは橋を渡れなくなってしまいました。そこで、わたしたちは木の橋のたもとに着いてから、短距離コースの出発地点に行くまでは、この奥さんとずっと行動を共にしました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by cut-grass93 at 2023-11-09 07:53
スズメバチはやばいですね。
よりによって橋の上だとは。
でそのタイミングの悪かった奥さんは
ご主人と再会できたのでしょうか。

ファブリアーノという会社作る水彩画紙は
日本でも人気があります。
でもこんな小さな工場で作っているんですね。
初めて見ました。
Commented by ciao66 at 2023-11-09 14:45
スズメバチは怖いですね~!
そして、今回は危機一髪でしたね。
スズメバチは巣が落ちて怒っていたのでしょう。
橋から来た道を戻るのも致し方なしだったでしょう。

以前に妻が刺されたことが有り、腫れてえらいことでした。
そうならなくて良かったですね♪
運動にもなったかもしれず、
「また次回に」ではなく、天然プールも見られたわけですから・・・
Commented by goodlifegirl at 2023-11-09 15:19
えぇ~それはとても大変でしたね。急傾斜を降りたのに道が渡れないとは…。スズメバチは危険だから仕方ないけど、他にもいらっしゃったのですね。
旅は道連れ、ですね。
スズメバチには刺されず不幸中の幸い、良かったです。
なお子さん、お疲れ様でした。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-09 21:05
草刈真っ青さん、命に関わる場合もあるようですし、刺すのが1匹だけとは
限らないので、遠回りして正解だったと思います。奥さんは無事、このあと
だんなさんと再会することができました。

ファブリアーノの本社は、ファブリアーノの町にあり、大きな工場もその郊外に
あるので、そこから離れたピオーラコにも工場があるのを知って驚きました。
それでざっと調べてみたら、もともとは他の会社の製紙工場だったのを、
ファブリアーノが買い上げたということらしいのです。

ファブリアーノの水彩画紙は、今も日本で人気があるんですね!
Commented by BBpinevalley at 2023-11-10 03:10
ご主人とあちこちへハイキングの旅、良いですね〜
秋の空気感が伝わって来ます。
私も今、北半球にいるんですヨ(7月末からずっとです)
スズメバチは日本でいう大きなものでしょうか?
Hornetという大きなのとYellow Jacketという小型のがいますが、イタリアのはどちらかナ。
私と夫も森でYellow Jacketsに追いかけられたことがあり、あちこち刺されました。
怖いですね。

ファブリアーノ、よくお土産に買いました。
紙製品が好きなので、お買い物は楽しかったです〜
Commented by milletti_naoko at 2023-11-10 05:09
ciao66さん、なんと奥さまが刺されたことがおありとは!
命に関わる場合さえあるそうで、こわいですよね。
夫がつついたりして、万一刺されたらどうしようと心配だったので、
再び急傾斜を登って下るのも苦になりませんでした。

そうなんです。おそらく、こういうことでもなければ、天然プールは
見られずに終わっていたと思います。風景の美しいところでした♪
Commented by milletti_naoko at 2023-11-10 05:16
goodlifegirlさん、まさかスズメバチに道を遮られるとは思わず、
困りましたが、刺されずに済んでよかったです。
2017年の写真を見ると、この橋をわたしたちは当時渡っているので、
驚きました。短距離コースの出発地点は、この橋を渡った先にあって、
6年前にはその先は通行止めになっていたのですが、今回は
遠回りをしたものの、歩くことができたので、よかったです。
その先の記事はまたいずれきっと書きます!
Commented by milletti_naoko at 2023-11-10 05:34
BBpinevalleyさん、夫がスライドフィルムのデジタル化を遠方の写真屋に
頼みたがったので、ついでに近くを散歩したのですが、いい散歩道が近くにあって、
ハイキングを楽しむことができました♪

記事を書いたときはばたばたしていたので、深く考えずにcalabroneを伊和辞典で
調べて「スズメバチ」と書いたのですが、コメントをきっかけに、そう言えば一般の
スズメバチはvespaで、その中でも体が大きくて毒性も強いのがcalabroneだったと
思い当たり、Wikipediaで学名から調べたら、日本語ではモンスズメバチ、英語では
European hornetと言うようです。先ほど記事も書き改めました。ありがとうございます。森でスズメバチに追いかけられて何箇所も刺されるとは、それは大変でしたね!
わたしたちも気をつけます。

ファブリアーノの紙をお土産に買われたのですね! ファブリアーノで紙の博物館を
訪ねたことがあり、興味深かったです。
Commented by katananke05 at 2023-11-10 17:10 x
スズメバチは 大島にゴルフにいったときに 夫と一緒の友がさされ、、
逃げ帰ってくるので 最後に歩いていた私は何事かとおもいましたよ〜
それでも翌日刺された二人
ゴルフしたから えらいもんですね〜
一度刺されると2度目はアラフラキシーになり ひどいと死に至ると言われるから 注意ですね〜

イタリアの 波の模様のような
美しいプリント紙を フィレンチェで買ったことありますが
あの紙も この会社のでしょうかしらね〜
Commented by milletti_naoko at 2023-11-10 23:50
katananke05さん、それは大変でしたね!
翌日刺されたときも、やはりゴルフの試合中だったのでしょうか。
一度モンスズメバチに刺されて、次に刺されたら命に関わるからと、
いつも対応する薬を携帯している知人もいます。

おっしゃる紙は、フィレンツェで購入されたということもあり、
きっとIl Papiroのものではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
わたしもベネチアで購入したのですが、読書記録帳を持っています。
https://cuoreverde.exblog.jp/18213934/
Commented by shata3438 at 2023-11-11 14:54
こんにちは。
スズメバチに襲われなくて良かったですね。駆除も命懸けの様です。以前に野尻湖の別荘にスズメバチが巣を作った事があり、管理事務所に駆除をしてもらいました。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-11 14:57
shataさん、なんと別荘に巣ができていたとは!

ハチの方も命がけですから、駆除も大変でしょうね。
Commented by meife-no-shiawase at 2023-11-11 23:41
それは怖い目に遭いましたね・・・
ハチってもう一匹近くにいるだけですごい恐怖です。
刺されなくて本当に良かったです。

通訳のお支払いのお話。
日本の企業さんの対応ではないみたいですね。
ちょっと驚きました。
でもお支払いがあってよかったですけど、またそこで
ひと手間かかってしまったのですね。大変でした。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-12 05:57
メイフェさん、ありがとうございます。
天然プールから再び端に戻ったとき、夫が木の棒でつついて
蜂たちを怒らせさえしなければ、さっと渡ってしまうこともできたのではないかと
わたしは考えていたのですが、他の方にいただいたコメントで、こちらが何もしなくても
近くを通るだけで刺されたり追いかけられたりする危険があるのだと知り、
やはり橋を渡らずに引き返して正解だと思いました。

わたしに通訳を依頼したのはイタリアの企業だったんで、イタリア企業の対応なんです。
困りましたが、報酬を受け取ることができて、ほっとしました。
Commented by sunandshadows2020 at 2023-11-14 06:49
なおこさんご夫婦がお出かけになる場所はどこも景観が素晴らしく羨ましく思います。
普段はご主人の方が遠くまで行かれるのに今回はオヤっと思いました。
素晴らしいトレッキング道なのに蜂の巣で残念でしたね。
私達も友人が蜂に刺され危うく死に至る直前だったので、それ以来どんな蜂でも避ける様になりました。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-16 15:01
お転婆シニアさん、眺めも川もきれいで、紅葉まで楽しめて、うれしかったです。
夫は夏生まれだからか、秋になって雨の日が増えて寒くなり、曇りの日が続くと、
あまり歩く気分になれないのだと言っています。
まさかモンスズメバチがと驚きましたが刺されずに済んでよかったです。しばらく
いっしょに歩いた女性によると、バールで誰かが橋の上で蜂に刺されたという話も
聞いていたそうですし。なんとお友達が蜂に刺されて命が危うくなったとは!
by milletti_naoko | 2023-11-09 06:51 | Marche | Comments(16)