イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

雨と霧多い秋のペルージャの空と天気から「ちょっと待って」へ日本語の授業

 雨の中、傘をさしてウォーキングをした11月7日火曜日も、夕方には南西の空は晴れて、

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Perugia, Umbria 2023/11/7

 大きな鳥が翼を広げて火を吐いているような形の雲が、部屋の窓から見えました。

 この秋は遅くまで暖かい日が続いたので、最近になってようやく木綿のシーツから暖かいフランネルのシーツに交換しました。

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2023/11/8

 水曜日は雨が降らないという予報が出ていたので、木綿のシーツを洗おうと考えていたのですが、朝7時半には、向こうの日曜の町の丘の下方に見えていた霧が、だんだんこちらまで押し寄せてきて、1時間後には我が家の周囲もすっかり霧に覆われてしまっていました。

 それで、その霧が去ったのを確認してからシーツを洗濯して干したのですが、秋の日は短く、太陽の日差しも夏ほどではないので、その日のうちには乾きませんでした。

 5月に日本料理店で出会って教えることになった若い夫妻が、昨日、木曜日も日本語の授業にやって来ました。今までは雨が降っている日でも、二人が来るとき、帰るときだけは不思議と雨がやんでいたのに、昨日は珍しく雨が降り続けていました。そこで、本来の授業の予定とは異なるのですが、授業の最初に簡単な天気の表現を勉強することにしました。大学で中国語・中学文学を専攻していた二人は、中国語の漢字を知っているので、雨・晴れ・曇り・雪・霧と、漢字とひらがなを並行して天気を表す名詞を学びました。そして、今日・昨日・明日も勉強して、「きのうははれでした」、「きょうはあめです」、「あしたもあめです」と、天気について話して書けるようにしました。

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2021/10/28
(天気に関する昨日の板書は授業中に消してしまったので、代わりに学校の授業の板書の写真から)

 そうして、さあ本来の授業内容に移ろうと思ったら、けれども、「すこし」を使って「すこしあめです」と言えますかという質問がありました。そこで、少しという副詞を使うなら、動詞を用いる必要があり、イタリア語では Pioveの一語で済むところを、日本語では「雨が降っています」と、少々難しい動詞の活用形を使うことになるのだと説明しました。「雨が降ります」という表現は、未来に雨が降るときに使うのであって、今降る雨については、「降っています」と、英語の現在進行形、イタリア語ではsta piovendoとジェルンディオを使った表現にあたる言い方をしなければいけないのです、と。

 そうやって動詞を使って初めて、「雨が少し降っています」と、「少し」を使うことができるのだと言いました。それから、かつて「住んでいます」という表現を学習したけれども、その「すんで」も元の動詞は「住みます」なので、継続する状態や動作を表すときに動詞のテ形を使うこと、テ形は、教科書『まるごと』では2冊目の最初に学習することを説明しました。

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2021/11/30

 すると、アニメが好きで、いろいろなアニメを日本語で見る機会の多い二人から、「降っています」の「降って」は、アニメでよく耳にする表現、「待って」や「食べて」、「聞いて」、「読んで」と関係があるのですかと、さらに質問がありました。そこで、生徒たち自身が関心を持っていて、すでに耳にかじったことのある表現であることから、機会をとらえて、

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2023/11/9

「動詞のテ形+ください」で、人にていねいにお願いをする表現になるのだけれども、アニメで耳にする言葉は、親しい友達や恋人、家族の間の会話であることが多いので、「ください」を省いて「…て」と動詞のテ形だけで、親しい間柄、くだけた場で用いる依頼・指示の表現が使われているのですと説明しました。

 それから、教科書の第11課に出てくる動詞、「言います」・「話します」・「読みます」・「見ます」・「聞きます」・「書きます」を学習して、それぞれの「テ形」、「…てください」という表現がどうなるかを、生徒たちがすでに知っている言葉を手がかりに勉強しました。

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2022/1/10

 昨日は第7課を終えて第8課に移るはずが、こんなふうに天気や生徒たちの質問を機に、教科書で言うと2冊目の第1課・第2課や第6課の学習内容を先取りすることになったのですが、個人授業ではこんなふうに、生徒たちの興味や疑問などを重視して、学習内容を柔軟に変更できるという利点があります。若い二人も、「これからは家でお互いに何か頼みたいときに、日本語で伝えることができます。」と、喜んでくれました。大学で中国語をいっしょに学んだイタリア人とロシア人の若い二人が、家で「言って」、「聞いて」、「見て」と日本語で伝え合って、日本語の勉強にもしようと考えていると思うと、何だかほほえましいです。

 授業の最後にはまた、謝るときの「すみません」は、居住するという意味の「住みます」の否定系なのですかという鋭い質問がありました。これまで授業では、「住んでいます」という形で住む場所について語る表現を学んだだけで、「住みます」という形は昨日初めて学習したからです。

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2023/11/9

 そこで、同じ「すみます」でも「すみません」という謝罪・感謝の表現は、「いくら謝っても、感謝してもしきれません」という心から生まれた表現で、「終わる」という意味の「済みます」を使うのであって、漢字と意味が違うんですよと説明しました。すでに、さまざまな外国語を習得している二人は、こんなふうに言語の観察力も鋭く、教えながら感心することがよくあります。

 さて、最近ホワイトボード消しをいくら使っても、ホワイトボードがきれいにならず困っていたのですが、昨日の授業が終わってから、「いくらなんでもこれではいけない」と、かつて学校で同じようにホワイトボード消しできれいにできなくなったときに、生徒さんがホワイトボードをぴかぴかにしてくれたことがあったことを思い出しました。その日は、休み時間に新しいホワイドボード消しをもらいに行ったのに、担当者が休みだったので困っていたのです。あのとき生徒さんはホワイドボードをどうやってきれいにしたのだろうと思い返して、ティッシュに水をたっぷりつけて拭いてみたら、ホワイトボードがその名のとおり、真っ白になりました。というわけで、これからは水を使って、ホワイトボードをぴかぴかに保っていくつもりでいます。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2023-11-10 19:01 | Umbria