イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

人生と柿の紅葉と虹色 さるすべり

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 今年はいつになく柿の紅葉がきれいだなあと、前を通るたびに思っていたのに、「今日はもう遅いから」、「空が曇っているから」、「急いでいるから」後で写真を撮ろうと先延ばしにしていました。

 今日になってようやくカメラを持って西向きの庭に行くと、けれども、昨夕はまだ7、8枚あった柿の葉が、すっかり落ちてしまっています。

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 そこで、せめてもと、わずかに日を浴びた今も紅葉の美しい地面に落ちた柿の葉を撮影しました。

 今年は春になったと思ったら厳寒が襲ったり、例年は晴れた日の多い5月に雨の日が続いたり、かと思うと夏以降は暑くて雨の降らない日が秋になっても長く続き、異常気象のためか、我が家とテッツィオ山のオリーブ園および近隣の地域ではオリーブが不作で、毎年実がなる柿の木に、実が一つもなりませんでした。その代わり(いえ、ひょっとしたらそのために、本来は柿の実に行くはずだった色素が葉をきれいに彩ったのだろうかなどと素人は思ったりするのですけれども)、この秋はいつになく柿の木の紅葉がきれいで、そうして、それぞれの葉の色や模様も独特で、見るたびに感嘆していました。

 「後でいつか」と先延ばしにしているうちに、機会を逃してしまう、そういうことがやはりあるのだなあ。

 いつもは実がおいしい柿の木は、今年は実はないけれども紅葉がきれいで、わたしたちの人生もまた、いつもどおりにはいかなくてがっかりしてしまいがちなときにも、注意していれば、他のすてきなことが待ってくれている、身近にあるのに気づくことができるということがありそうだなあ。

 そんなことをふと思いました。

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 右手に見えるのが、その葉がすっかり落ちてしまった小さな柿の木です。柿の木の写真を撮りに行ったおかげで、その隣の木の

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虹色の紅葉が、日の光のおかげでよりきれいに見えました。

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 昨日ご紹介した百日紅の木も、青空が広がり、太陽が輝く下では、紅葉がいっそう鮮やかです。

 今日はこんなふうに日が差してぽかぽかと暖かいのですが、夕方には風向きが変わって北風が吹き続け、なんと明日の早朝には気温が3度になるという予報も出ています。夫はシビッリーニ山中のノルチャに行きたいと言うのですが、わたしは南方にあって、おいしい店のあるオルヴィエートに行けたらなあと望んでいます。さあ、どうなりますことやら。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by manyouka at 2023-11-17 23:52
>「後でいつか」
何時も後悔しています。
一期一会取り敢えず撮ろうと心掛けているけれど撮っていない方が多い。

この赤い葉は何でしょうね。
Commented by koito_hari616 at 2023-11-18 10:47
こんにちは

寒い日が其方でも続いているようですが
秋の景色がそこかしこで見えて、目を楽しませてくれますね♪
お食事は何方なんでしょうね。。
私としては気持ち的にも南側のほうが暖かそう~と、思ってしまします💦
Commented by zao480 at 2023-11-18 11:03
季節のものはなかなかこちらの思惑通りにはいかないものですね。我が家でも、落ち葉がきれいに庭に溜まったので気づいた時に撮ればよかったのに、数日したら強風でほとんど飛ばされてしまいました。柿の葉の紅葉は1枚の葉に少しの緑から黄色、オレンジ色などの模様が複雑で好きです。ですが我が家は寒すぎて柿も百日紅も植えられないので、200mくらい降りたところで紅葉を鑑賞しています。
Commented by cut-grass93 at 2023-11-18 17:29
最近は温暖化で紅葉のシーズンがとても予想しにくいです。
でも落ち葉も見方を変えれば美しいものですね。
やはりこの隣のサルスベリが最高です。
ところで、外国ではサルスベリってどういうのでしょうね。
日本語教室でモンキースリップと言えば皆さん楽しめそう(^^♪
Commented by ciao66 at 2023-11-19 13:10
イタリア語でもcachiというのだと、いつも思い出すのですが
柿の葉っぱは日が当たると綺麗ですね♪
絵のように味わい深い感じがします。
百日紅の鮮やかな紅葉とどちらがいいでしょう?
Commented by milletti_naoko at 2023-11-19 20:05
万葉さん、あのときのあの日の光と色がよかった
と後悔することがわたしもあります。

この赤い葉も百日紅かなあと思いつつも、前日の百日紅とは
紅葉の仕方が違うので、名前を書かずにいました。夫によると、
これもやはり百日紅なのだけれども品種が違うのだということです。
前日の木と違って、わたしたちの住むところからは若干離れたところに
あるので、花を見た記憶がないのですけれども、わたしが気づかなかった
だけかもしれません。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-19 20:08
結うさん、ヤニック・シナーの試合が午後2時半からあったおかげで、片道2時間以上
かかる遠方のノルチャではなく、ずっと近いオルヴィエートでお寿司を楽しむことができました♪
家でも紅葉が楽しめて、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-19 20:18
zao480さん、写真を撮ろうと思うと、紅葉や花の進行具合や
天気、自分の都合などで先延ばしにしているうちに時期を逃して
しまうということがありますよね。

柿の紅葉って、おっしゃるように葉の色や模様がきれいで、
しかもどの紅葉もそれぞれに違っているのがいいなあと思います。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-19 20:36
草刈真っ青さん、温暖化や異常気象で、紅葉や衣替えなど
いつがいいのか見当がつきにくいですよね。
イタリア語ではmirto crespoと言うと、イタリア語版のWikipediaには
書かれていますが、あまりなじみのある木ではないらしく、夫も名を知らず
にいて、今は学名のLagerstroemia indicaと呼んでいます。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-19 20:42
ciao66さん、イタリア語のアルファベットには元来はkがないので、
kakiという表記よりもcachiという表記の方が好まれたの
だと思います。karaokeやkarateと違って、イタリアの暮らしの中に従来あった
木であり食材であるために、イタリア風の表記となるのかもしれませんね。
https://cuoreverde.exblog.jp/32096631/
Commented by sunandshadows2020 at 2023-11-20 07:06
私も柿の葉の美しさ毎年感じています。
たとえ真っ赤に変色しなくても朽ちた葉でさえ、ある種の美しさを感じます。
物事の見方、大切ですね。
ただ一方から見るのではなく別の視点からも見て見るともっと良く見えることが多いです。
果物の木は往々にして豊作の後裏年が来るものですが、そんな時は今養分蓄え中と思っています。
Commented by milletti_naoko at 2023-11-20 07:10
お転婆シニアさん、実がなっていると、ついつい日の方に目が行ってしまうのですが、
今年は柿の実がならなかったおかげで、柿の紅葉の美しさに気づけたのかもしれません。
きれいですよね。

なるほど、では来年が楽しみです。なるほど、果物もわたしたち人間も、蓄える、充電するとき
というのも必要なのですよね。
by milletti_naoko | 2023-11-17 23:22 | Fiori Piante Animali | Comments(12)