歯医者通い終わり出費も痛い歯は大切に

　今年初めて受け取ったクリスマスの贈り物は、なんと歯医者からで、包みの中には歯ブラシと歯磨き粉が入っていました。

　前歯の裏側が欠けてしまったようだと、久しぶりに行った歯科医で、その歯も含めて三つの虫歯が見つかり、次々に治療を受けました。そうして、通院の最終日だった昨日は、イタリア語では俗に「歯の掃除」（pulizia dei denti）と呼ばれる「歯石の除去」（ablazione del tartaro）をしてもらいました。
　「次回の来院、歯石除去は１年後でいいですよ」と聞いたのですが、クリスマス前は患者も多く、もし虫歯が見つかった場合、治療の間にクリスマス休暇が入ることも考えて、「１１月の方がいいでしょうか」と言ったら、歯医者さんもその方がいいですねと言っていました。

　安い自己負担金でかかることのできる公共の地域保健所の歯科医は申請してから診てもらうまでに数か月かかりそうですし、ウンブリア州の場合はかつて治療がひどくてさんざんな思いをしたと親戚からも聞いているので、料金がすべて自己負担になって高くはありますが、私立の歯科医院にかかっています。夫が同僚や友人たちからの口コミから、治療が痛くないらしいと一時期通い、今はわたしだけがもう長い間通っているお父さんと娘さんの二人の歯医者がいる歯科医院は、前回までは一つの虫歯の治療につき８０ユーロだったのですが、最近の物価高で、治療に必要な多くのものも値上がりしているとのことで、虫歯一つにつき１００ユーロに値上がりしていました。歯石除去の７０ユーロだけは変わっていなかったのですが、合計３７２ユーロという予想していたよりもさらに高い料金を、昨日は払うこととなりました。写真の領収書に３７２ユーロと書かれているのは、領収書に貼ってある収入印紙２ユーロの料金も含んでいるためです。

　２度に分割してもいいですよと娘さん歯医者は言ってくれたのですが、口座にお金が少ない方が倹約にもつながるからと、昨日一括で支払いました。円安がひどく進んだ今は、せめてはイタリアでユーロで稼いだお金で支払えるのがありがたいのですが、治療で歯が痛むだけではなく、懐にも痛い大きな出費となりました。

　今回治療した三つの虫歯はどれも痛みはまったく感じていなかったので、まだ小さいうちに見つかってよかったと思っていたら、どれもかなり大きな虫歯で、うち一つは神経にひどく近いところまで虫歯が進行していたので、もし治療後に神経に激痛があるようであれば神経を抜く必要さえあるとのことでした。以前なら、わたしが痛みを感じていてもレントゲンを使わないと虫歯が見つからないことも多かったのにどうしたことかと尋ねたら、「年齢が進むと神経が後退して、虫歯が大きくなってからでないと痛みを感じないことがある上に、三つのうち二つはすでに治療済みの歯であるために神経が後退していたのでしょう」とのことでした。初夏だったか、マウスピースの点検と歯石の除去のために来院するようにと歯科医から連絡があったとき、数か月にわたってオンライン会議の英日通訳の仕事があり、会議がいつ入るか分からず、予約が取りにくかったこともあって、結局行かないままでいたのですが、歯医者さんによると、わたしはもう１年以上も来院していなかったとのことです。歯茎のためにも歯の健康のためにも、これからは定期的に必ず歯医者に行かなければ、そうして、今度こそ歯を大切にして、できる限り食後はすぐに歯を磨こうと心に決めたのでありました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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クリスマス